プロローグ
少し修正して再開しております。
またよろしくお願いします
ここはライブ会場。
沢山の人が集まる中、主役は口を開いた。
「みんなー、今日は来てくれてありがとうー!」
歓声が上がる。
「歌姫ー!」「レティー!」
呼ばれたステージ上の女の子は手を挙げてそれに応える。
「みんな、最後にお知らせがあるの!静かに聞いてほしいなーー!」
その言葉を聞いて、少しずつ静かになっていく。
完全に静かになって、少し悲しい顔をして話す。
「みんなに、言わなくちゃいけないことがあるの。…今日この『Sky』のライブは最後のライブなの。…待って、騒がないで。少し活動を休止する、だけなの。多分。もし、これから先。まだ私たちの歌が届けられるようならまた届けに来るから。待ってても、待ってなくても良いからね。少し、ううん。長いお休みをいただきます。いきなりだけど、ほんとごめんね」
そう告げて、歌姫と呼ばれた少女は居なくなる。この時、歌姫は12歳である。
そして一年。
待ち続けた。まだ帰ってこない。
みんなはまだ時間がかかるのだろうと言いあった。
更に一年。
それでも帰ってこない。
みんなはもう活動しないのだろうかとネットで話し合った。
そして三年目。
みんなは忘れ始めた。
空を渡り、遠くへ歌声を届けていた女の子を。その空も覚えている者も少なくなり始めた。
そんなこととは全く関係ないとばかりに無気力な高校生が、とある高校へ入った。
そこそこ頭も良く、そして自由な学校。
部活も人数が集まれば申請すると出来上がる高校。
そんな学校に芹沢 昴は入学した。
そんな高校生の物語。