表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

圧し潰した白魔術師のフラッシュバック

 ──彫像のように端正な顔がたちまち、激しい苦痛のため醜くゆがんだ。出逢う者みなを魅了した小悪魔の色香はもうない。

 魔物は暴れまわった。

 眼玉は飛び出さんばかりにひらかれ、四つん這いでえずき大きく開けられた口からは、胃液とともにすべての臓腑が吐き出されそうだった。

 光の魔導士が無心で念じている。ポイズン。急性致死の毒が、聖人の皮を被っていたモンスターの躰を蝕む。

 ふわりと、天使の羽根で編まれた純白のローブがたゆたう。悶絶する小悪魔。即刻、解毒治癒を臨むか、起死回生の反撃を試みるか。

 掠れ声。苦し紛れに右手が伸びた先の、魔導士の喉元は絞られ、もう片方の腕でがっと腹部は押さえつけられている。

 聖なる風が発生し、周囲の空間を圧縮する。精霊に庇護された者を魔の物が傷つけることはおろか、触れることさえできない。ただの人間でないかぎり彼女に攻撃をくわえることはできない。

 祈り、苦しめ。

 おのれの罪を骨身に沁みるまで存分に味わって死ぬがいい。後悔と自責の念を抱いて。

 これはゲームではない。殺した者は殺される。きさまが祝福されることも、救われることももうない。毒をもって浄化されるのみ。

 地獄というこの世の果てで。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ