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にょろにょろな日々  作者: 山田まる
7/9

おうどん襲来

 まるは本当誘惑に弱い生き物です。

 どれぐらい弱いかというと――……

 

 

 そっ

 

 

 

挿絵(By みてみん)



 何かいる。

 何か増えている。

 黒紅くろべにさんの隣ににょろっとした小型のヤツが。

 

 

 というわけで、今回は我が家のうどんさんが増えた経緯についてを話したいと思います。

 

 まるはこう、ごくごく当たり前のように蛇を飼い始めましたが。

 それができたのは一人暮らしだからなのですよね。

 一人暮らしだからこそ好きにするぜ、ってことでにょろにょろな日々を始めたわけですが。

 

 

 

 実はまる母は蛇が大嫌い。

 

 

 

 まるが蛇を飼い始めたことを報告するラインをどうぞご覧ください。

 


挿絵(By みてみん)



 この圧倒的カタコト感。

 その後も、

 

 

挿絵(By みてみん)



 謎のペットショップ不信を発症する始末。

 というわけでまるがにょろにょろをお迎えする上で、遠い南の島にいる親からは一応反対はされていたのですよね。

 でもラインからもわかるように事後報告だったのもので親もあまり強いことは言えず。

 それども、その後の話の流れで、


「蛇増やそうかなあ」

「しね」


 っていう会話があったりもしたもので。

 実はこう、さくらもち以降は報告していなかったのですよね。

 父親がまるのツイッターを監視しているので、そのうちバレるだろうとは思っていたわけなのですが!

 

 そんなことがあったもので、まるも三匹目のにょろにょろをお迎えする気はなかったのです。

 

 が。

 が。

 が。

 

 それは、とある夏のBLACK OUTでのことでした……。

 まるはさくらもちのための流木を仕入れるためにBLACK OUTに向かったのです。

 コーンスネークも小さいうちは結構木登りで遊んだりもする、と聞いていたし、実際さくらもちがケージ内でうごうごしているのを見ていたもので、水入れしかない殺風景なケージ内にせっかくだから何か入れてあげようと思ったのです。

 

 で、目的の木を購入し。

 あとはぷらっといろんなブースを冷やかして回るか、と歩きまわっていたときのことです。

 

 とあるブースにて、チェッカーガータースネークの子どもを見かけたのです。

 もうすごいちっちゃい。

 たぶん15センチもない。

 みみずか! というほどにちいちゃい。

 あんまりにも小さいもので、ついその子の入ったお惣菜パックを手にとってしまったのです。


 黒紅ちゃんをお迎えして以来、ガータースネークについてはいろいろ調べていたので、すぐにその子がチェッカーガータースネークのアルビノであることはわかりました。

 

 そのときはお持ち帰りする気などなく。

 ただこんなちっちゃい子も売られてるんだなあ、もうマウスには餌付いてるのかなあ、白い子はこんな感じなのかあ、というようなことを考えていただけだったのですが。

 

 そこで、売り子のお兄さんに声をかけられたわけです。


「その子どう?」

「あ、うちもう蛇いるんで」

「へえ、どんな子がいるの?」

「えっとレッドサイドガータースネークが一匹とコーンスネークが一匹です」

「あ、ガーターいるの! それならこの子どう? 一緒に飼えるよ!」

「一緒に、って……同じケージで、ってことですか?」

「そうそう。ガーターなら他頭飼いできるよ!」

「でも今いる子のケージも20×30でそんなに大きくないですし」

「あ、それなら二匹で終生飼育できるって」

「マジすか」


 そこでお兄さん。

 さらっと。

 




「半額でいいよ!!!」





 というわけで、気づいたらまるはその子の入ったお惣菜パックを手に帰路についていたのでした――……。

 

 

 

 


 白いし、細いし、ということで命名「うどん」。

 うどんさんをお迎えしてしまったまるだったわけですが。

 

  実は黒紅をお迎えしてすぐに、ガータースネークの多頭飼いのことは頭の中にあったのですよね。

 

 ツイッターで、黒のガータースネークと白のガータースネークを多頭飼いしてらっしゃる方がいて、その写真がすごくきれいだったもので、こんな風に色味の違う二匹を一緒に飼うことができたら楽しいだろうな、とは考えたことがあって。

 

 ただ、多頭飼いについてを調べたときに、「一つのケージ内に複数の蛇を飼う多頭飼いは蛇にとってのストレス源にもなりうる」という情報も得ていたもので、あまり積極的にやろう、という気はなくなっていたのです。

 

 が、今回実際にガータースネークを飼っているお兄さんにいろいろと話を聞き、もともとガータースネークはわりと群れで生活しているので、イケるイケる、とそそのかされておうどんをお迎えする気になってしまったわけです。

 

 と、言っても。

 まるの部屋には現在使ってないプラケが一つと、さくらもちが大きめのケージにお引越ししたために空いているレプタイルボックスが一つあったもので。

 もし黒紅とうどんの共存関係がうまくいかなかったら、最悪別のケースでおうどんを飼えばいいか、とも考えていました。

 

 で、家に帰ってきて。

 こうびっくりするぐらい小さく、儚く見えるおうどんと。

 まるがケージに近づくだけで「何!? なんか用なのオラァ!」っとびっちびちする黒紅さんを見返しまして。

 

 これ、おうどん食われない???

 

 とわりと真面目に心配せしまる。

 いや本当おうどん小さかったし、黒紅は暴れ黒ウナギだし……。

 それならまださくらもちの大きいケージでおうどんとさくらもちで共存してもらった方がワンチャンあるのでは、なんて考えたわけです。


 

 

 あ、ここで大事なことですが。

 ペットスネークの中でこれまで初心者向けなのはコーンスネークとボールパイソン、というように名前をあげてきましたが、他にもよく名前のあがる蛇さんで、カリフォルニアキングスネーク、通称カリキンさん、というのもいます。


 このカリフォルニアキングスネーク。

 コーンスネークやガータースネークと違って、首がない。

 ガーターやコーンは、頭があって、首で一回細くなり、また胴に向かって太くなっていく、という体形をしているのですが、カリキンさんは頭から胴までわりと同じ太さでストン、としています。


 世話の仕方はコーンスネークとほぼ一緒。

 それほど難しくない初心者向けの子なのですが、コーンに比べると少し気性が荒い子が多い、とも言われています。

 そして何より大事なのは――…

 

 

 「キング」とつく蛇は大体他の蛇食べます(まがお)

 

 

 なので、くれぐれもキング系スネークの多頭飼いなんていうのはしてはいけません。まるの知り合いの蛇飼いさんいわく、カリキンさんは繁殖させようとして交尾させるのも大変で、うっかり目を離すと性欲ではなく食欲が炸裂したりしてしまうこともあるらしく……。

 殖やすつもりが減るなんて洒落にならねえ……とボヤいてらっしゃいました。

 

 閑話休題。

 

 

 

 さくらもちはコーンスネーク。

 うどんはガータースネーク。

 ケージはやたら広々とした縦45×横60サイズ。

 これ、共存いけるのでは、とお惣菜パックに入ったままのおうどんをさくらもちのケージに入れてみたところ、さくらもち、めっちゃ警戒。

 

 コーンスネークは、警戒したり怖がったり興奮すると、しっぽを振ってビビビビ、という音をたてることがあります。

 

 これまでもごはんの時などに興奮してビビビビ、ってしているのは見ていたのですが、さくらもちさんこれ間違いなく拒絶反応ですね、ってことですぐさまお惣菜パックを撤去。

 

 したのですが、その二日後にさくらもちが一番最初の吐き戻しを行ったので、おうどんに相当驚かされてしまったようです。

 すまん。

 本当にすまん。

 

 普通に考えれば、種類の違う蛇なのだから警戒するよなあ、と反省しきり。

 それでも暴れ黒ウナギな黒紅よりも、温厚なさくらもちの方が……となちゅらるに考えてしまっていたまるでした。

 

 その後。

 温厚なさくらもちでダメなのだから、暴れ黒ウナギの黒紅と20×30ケージの中で共存なんてもう無理なのでは? と思いつつ。

 そっとお惣菜パックを入れてみたところ、黒紅通常運転。

 まるに対してめっちゃビッチビッチしてますが通常運転。

 しばらく様子を見ていると、うどんの入ったお惣菜パックに登ってみたりとわりとやりたい放題。

 

 それなら、とお惣菜パックをあけておうどんを解き放ってみたところ。

 

 

挿絵(By みてみん)



 仲良いなお前ら!?

 

 というわけで、今もおうどんと黒紅は仲良く共存しています。



挿絵(By みてみん)


 

 仲、良く……?

 おうどん敷かれてるけど大丈夫か。

 

 いやいや、仲良しですし。

 よくお互い乗ったり乗られたりしつつ上手くやっている模様。



 このおうどん。

 実は最初まるんちにきた頃は本当に小さく、SSサイズのピンクマウスですら一匹は呑めないレベル。


「この子、ピンマ呑めるんです?」

「呑んだら破裂するね!」


 >>破裂<<


「それじゃあ今は何を。メダカです?」

「や、ピンマSSを半分に切って」

「OH……」


 というわけで。

 最初の二週間ぐらいは、SSサイズのピンマを半分にしたものを食べていました。

 

 ちなみに、他頭飼いで気を付けたいことの一つに餌の奪い合い、というのがあります。一匹のマウスを両端からそれぞれ違う子が呑んで気づいたら蛇同士が共食い、なんていう大惨事もあり得るらしいので。

 

 まるんちでは、単独飼育のさくらもちも、多頭飼いのうどんと黒紅も、それぞれごはんの時には違うプラケに移動してもらっています。

 

 もともとそれは黒紅さんが単独飼育の頃からの習慣です。

 最初は黒紅にはケージ内で餌を与えていたのですが、黒紅のケージ内での落ち着きのなさが本当ヤバくて。

 

 常にケージの壁に頭突きを繰り返し、床材を穿り回すような行動が多かったのです。それで環境に何か問題があるのか、と調べていたところ、餌の匂いがケージ内に残ることで、


「まだごはんあるんじゃない!?」


 と反応して落ち着きをなくす子がいる、という情報を得たもので。

 それ以来、ケージ内では餌を与えないようにしています。

 おかげで黒紅の様子も落ち着いたので、良かった良かった。

 

 まるんちに来た当初はSSサイズのピンマですら半分にしないと食べられなかったおうどんですが、現在ではSサイズのピンマをぺろっと平らげるぐらいには成長しました。

 

 

 つい先日。

 あんまりにも仲が良いのでつい撮った一枚を最後に。

 

 

挿絵(By みてみん)

 


 カップルか!

 カップルか!!!

 

 

ここまでお読みいただきありがとうございます!

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