さくらもち
さて。
前回登場したさくらもちさん。
まるのツイッターではわりと登場頻度の高い、作りもののようなピンクの鮮やかなナイスガイです。
ここで改めてさくらもちの紹介を。
「やあ。」
さくらもちはコーンスネークの「バブルガムスノー」の雄。
ちなみに黒紅は性別不明です。
蛇は生殖器が胎内にあるため、大きくなってからならともかく小さいうちの判別はちょっと難しいらしく。
まるんちには現在四匹の蛇がいますが、現在性別がはっきりしているのはそのうちの二匹だけです。
ここでちょっと、コーンスネークの説明を。
コーンスネークというのは和名はアカダイショウ。
日本でもよく見られるアオダイショウと同じナミヘビ科ナメラ属。
出身はアメリカの南のあたり、かな。
それなりに寒さに強く、餌食いが良いことから、これから蛇を飼ってみよう、という初心者によくおすすめされる蛇。
同じく初心者向けの蛇としてよくボールパイソンの名前もあげられていますが、ボールパイソンさんと違ってコーンスネークは拒食をしにくいので、まるとしては最初に蛇を飼うならコーンスネークが良いんじゃないかなあ、と思います。
いやね。
拒食するのがダメ、とか、ボールパイソンがよくない、というわけでなく。
蛇、というのはもともとあまり餌を頻繁に食べる生き物ではないのですよ。
子蛇のうちでも、2、3日に一回だし。
でも、普通哺乳類を飼ってたら一日に何回かは餌を用意することになると思うのですね。そうなるといろんな本やWEBで「子蛇でも餌の頻度は2~3日に一回/大きくなったら一週間に一回」といくら書いてあっても、自分の中の常識(ごはんは一日三食/最低でも一日一回はごはんあげなきゃ)がうまく適応してくれなくて、なんだか不安になるのです。
今日私蛇に餌あげてないけど大丈夫?
みたいな。
知識としてはわかっていても、生き物としてのギャップにうまく対応できない感じ、というか。
さらに、餌が三日に一回程度、というのなら糞をするのだってその程度。
ケージが汚れたら掃除を、と思っていても、そんなに頻度が高くないもので、生き物を飼っている実感が薄くてなんだかこう慣れるまではじわじわ不安になるのですよね。
ここでボールパイソンさんなのですが。
ボールパイソンさん、とくに雄は、生後1、2年して成熟してくると発情期になるとご飯を全く食べなくなることがある、というのです。
その期間、なんと5、6か月から一年。
一年間飯食わないってある???
まるはその間おとなしく見守っていられる自信がない……。
まるはうちの蛇が一週間ちょっとごはんを食べないだけでおろおろして心配になってしまうので、ボールパイソンさんに手を出すにはまだまだ未熟だな、と思っている感じです。
そして、初めて蛇を飼う方のほとんどが最初は蛇の生態や生活リズムに戸惑い、不安になりやすいと思うので、まずは餌食いが比較的安定している蛇さんから始めた方が良いんじゃないかなーという感じ。
一番最初の蛇がボールパイソンで、上手にお付き合いできている、という方は本当に尊敬しまする……。
と、話がそれましたが。
コーンスネークはそういった意味でとても初心者向けの蛇、ではあるのですが。
それと同時にものすごく奥の深い蛇さんでもあるのです!
それはずばり、そのモルフ(色/模様)の豊富さ。
びっくりするほどいろんな色、模様のコーンスネークさんがいるのです。
あ、そうそう。
蛇の模様や、色のことを「モルフ」と言います。
そのモルフを出す遺伝子の組み合わせに名前がついている、というかなんというか。
この辺、上手に説明するためには写真があった方がわかりやすので、イメージしづらい方はぜひ画像検索を活用しつつ調べてみてください!
基本的なところだけ、ちょっとご紹介してみたいと思います。
この辺、まるも完全に把握しているわけではないので、勘違いや間違いがあったらごめんなさい!
まず、コーンスネークのノーマル。
一番一般的なのは、アカダイショウ、との和名がしっくりくるような赤い奴。
ちょっとくすんだ赤の地色に黒の縁取り付きのオレンジが縞のように入る模様です。この黒で縁取られた模様のことを、ブロッチ、と言います。
次にアルビノ。
これ、ちょっと勘違いしやすいのですが。
コーンスネークのアルビノは白くないです。
アルビノ=アメラニスティック、なので、黒い色素がないだけなのです。
なので、コーンスネークのアルビノは「アルビノレッド」とも呼ばれ、落ち着いた赤地に白で縁取りのある中にオレンジの●があるような色合いをしています。
黒い色素がないので、お目目も赤い。
まるはこのアルビノレッドの子をみるたびに「鯉の色だ……」と思ってしまいます。結構好きです。
次にアネリ。
こちらは「アネリスリスティック」の略。
どういうことかというと、通常のコーンスネークから赤い色素がなくなった状態のコーンスネークのことをさします。
赤い色素がなくなったので、全体的に灰色がかった感じの、モノクロっぽい色合いになります。
ここで難しいのがこのアネリ、血統によって色合いが若干異なるのです。
同じ「赤色素欠乏」でも、「特に特徴なく赤色素がない一般的なアネリA」「茶色がかった灰色になるアネリB」「灰色みが強いアネリC」というような。
そしてここでスノー。
コーンスネークの中ではかなり人気のあるスノー。
みなさんがアルビノ、と聞いて想像する白蛇に限りなく近いのがスノーさんではないかと。
コーンスネークのアルビノと、アネリAを交配した子になります。
黒と赤の色素が両方なくなるので、白くなるわけですね!
子供のうちは鱗が薄いため、血肉の色合いが透けて淡いピンク色に見えます。
ただ、スノーの特徴としてコーンスネーク独特の模様は残ることが多いです。
子蛇のうちは模様ははっきりしていますが、大きくなって鱗の厚みが増すにつれだんだんと白くなり、模様も薄くなっていきます。が、うっすら、よくよく見ると模様残っているね? という感じになるのがスノーさん。
で、スノーとの違いがよくわからない、と言われがちなのがブリザード。
こちらはアルビノ×アネリB。
スノーさんとの違いとしては、このブリザードさんには小さいうちから模様がありません。なので、より白蛇らしい白蛇になります。
大体この五種が基本になって、いろいろかけ合わせてみたり、より特徴が強くなるようにかけあわされていった結果、さまざまな美しいモルフが生まれているのがコーンスネークなのです。
例えば黒色素欠乏のアメラニスティックですが。
同じアメラニでも、白い部分が少ないアメラニ同士をかけあわせ、ほとんど白がないような状態になったアメラニのことを「サングロー」と呼び、オレンジが強く出ているアメラニ同士を掛け合わせてゆき、よりオレンジが強く出るようになったアメラニのことを「エクストリームフロウレッセント」と言うそうです。
なので、「よし、コーンスネーク飼お」と思った場合。
まずはいろんなモルフについてを調べて、どのモルフの子が欲しいのか、というのを吟味するのも、とても楽しいんじゃないかなあ、と思います。
さて。
ここで我が家のさくらもちさん。
さくらもちは、スノーの流れをくむ「バブルガムスノー」というモルフです。
どういったものかというとスノーの中でもピンクが強く出る上に、ブロッチに淡い緑が出る、という子どもが派手に色塗りかましたという感の強いモルフなのです。
このバブルガムスノーの緑は、もともとはコーンスネークの持つ色素ではないっぽいので、おそらくエモリーラットスネークの遺伝子が混じってるのではないか、とも言われています。
エモリーラットスネークは、もともとコーンスネークの一種だと思われていたのですが、結構最近になって遺伝子的には違う蛇だぞ、ってことが発覚した蛇さんなのだそう。
なので、バブルガムスノーの他にも、意図的に「エモリーラットスネーク×コーンスネーク」で作られる品種、「クリームシクル」も、コーンスネークの品種として紹介されていることが多いようです。まるはこのクリームシクルのモトレーという模様がすごく好きです。かわいい。
スノー自体はコーンスネークの「アルビノ×アネリ」から生まれるので、バブルガムスノーのグリーンは隔世遺伝的な何かなんでしょうかね。
と言っても、緑が出るのは大きくなってから。
今のところさくらもちさんはただひたすらにピンクい。
将来的には緑とピンクの縞になると思ったので「さくらもち」と名前をつけてみましたが、これで緑が出てこなかったらどうしましょうね。
「さくらもちwithout葉っぱ」になるんでしょうか。
コーンスネークは脱皮を重ねて大きくなるまでの間に、モルフの色合いや模様が変わっていくのも楽しい蛇さんです。はたしてさくらもちはさくらもちになれるのか。
このさくらもちさん、性格はのったりまったり人慣れしつつも、たまに神経質。
手の上に乗せられても黒紅のようにびちびち暴れたりはしませんし、のったりのったりとハンドリングさせてくれる良い子ですし、ごはんは目の前に差し出せば食いつきも抜群。
ただたまに神経質、というのは。
さくらもち、いつでも食いつきは良いのですが、何かしら気に入らないことがあると、んべー、と食べた餌を吐いちゃうのです。
蛇は変温動物で、体温が外注です。
で、活発に活動するためには体温、というかエネルギーが必要になり、例えば餌を消化するためにも蛇は熱を必要とするのですね。
もし、体温が十分なだけ得られなかったらどうなるか。
丸呑みした餌は体内で消化されることなく、腐ってしまいます。
何それ怖い。
で、そんなことになると蛇としてもマズいので、そうなる前に「なんか消化する余裕なさそうだから吐いておこ」と判断して餌を吐いてしまうのです。
また、餌を消化するためにはじっとしている必要があるので、餌を食べた直後に外敵に襲われたりなんかしても、「飯消化してる場合じゃねえ!」と食べた餌を吐き出して身軽になって逃げていきます。
で、そうやって吐いた後環境が変わらないと、蛇は「飯食っても消化する余裕がなさそうだし」と判断して拒食に陥り、最悪そのまま死んでしまったりすることがあるのです。また、吐き戻しには体力を使うため、何度も吐き戻しをする蛇は弱っていってしまいます。
これまでさくらもちが吐き戻しをしたのは二回。
その後環境を改善した後、三~四日あけて餌をあげるとまた食べるようになったので、ほっとひと安心してはいるのですが。
他三匹は吐き戻しをしたことがないので、そういう意味ではさくらもちはちょっと繊細、なのかもしれません。そこも可愛いんですけど!
最後に木登りさくらもちのドヤ顔をどうぞ。
\ドヤァ/
ここまでお読みいただきありがとうございます!
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