旅をすること決めちゃった
七話目~
今回もあまり進まず……。
もう少しお付き合いください。
ではお楽しみください。
俺が宣言すると
「おぉ!やっくれるのか!本当にありがたい!」
カルミラ王はそう俺に言ってきた。それと同時に周りから歓声が上がった。セシア姫が綺麗な笑顔が眩しい。まるで太陽のように輝いている。彼女に笑顔が戻ると俺も嬉しい。歓声が止むと俺はカルミラ王に、これからのことが気になり聞いてみることにした。
「ですが、王様。俺はこれからどうすればいいんでしょうか。俺、この世界に来たばかりでどこへ行けばいいのやら……」
「そのことなら心配無い。セシア」
「はい、お父様」
「お主にはヤマトのサポートとして一緒に魔王討伐の旅に出てもらう。よいな?」
「⁉は、はい!ヤマト様をサポートできるように頑張ります!」
な、何ですとー⁉俺がセシア姫と一緒に旅に⁉しかも二人っきり⁉遂に、遂に俺にも春が!いやいやこれはこの世界を救う旅であってそれ以外のことなんて……とにかく王様グッジョブ!
「お、王様、本当にいいのですか?セシア姫はこの国の……」
いくら嬉しいからってさすがにマズイのでは?そう思い聞いてみると
「よいよい、この2年間セシアにはあらゆることを勉強させた、この時のために。だからお主が心配することでは無い」
おぉ!カルミラ王公認とはもう俺たちの愛を縛るものはない!さぁ!二人で愛の旅へ!
「そして、王国騎士団団長バウル・クルーラー。お主にも同行してもらう。よいな?」
「ハッ!この命にかえても魔族を討ち取ってみせます!」
なん……だと⁉二人っきりじゃ……ないだと⁉またお前か!ニコニコイケメン野郎!お前は俺の邪魔ばっかりしやがって!フッ、まぁそんなおいしい話があるなんて思っていなかったさ。しかし、これはいくらなんでも酷いんじゃないか⁉これが運命なのか⁉神様の馬鹿野郎‼あ、アイツは馬鹿だった。
「そういえば、俺がいない間この国は危なく無いんですか?勇者のことが魔族に広まれば、この国は真っ先に狙われるんじゃ?」
俺が浮かんだ疑問をぶつけるとカルミラ王は笑って答えてくれた。
「ハハッその心配の必要はない。この国には王国騎士団があるのは知っているだろ?王国騎士団というのは、国を魔族の侵攻から守ることを目的とした団体じゃ。」
なるほど、魔族がどんなに強いのか知らないが、国を守れるということは王国騎士団の実力は本物だろう。
「実力はあるのじゃが、国を守るのに手一杯で魔族への反撃が出来なかったんじゃ。だから勇者を呼ぶことが必要になったのじゃ」
やっぱり実力はカルミラ王お墨付きのようだ。しかし、それに匹敵する魔族もまた強敵なのだろう。ていうか、騎士団長のバウルって滅茶苦茶強ぇんじゃねぇの?イケメンで腕が立つとかまるで男版セシア姫じゃねぇか‼世の中は不公平だあぁぁ‼(俺の心の叫び)
「この後ヤマトには勇者認証の儀を行ってもらう」
俺が(心で)叫んでいるとカルミラ王はそんなことを言った。
「勇者認証の儀?」
「うむ、勇者自身が心の底から自分を勇者と認めることで行える儀式じゃ。この儀式によって勇者に必要な力が備わるのじゃ」
だから、俺が宣言した時みんな大喜びだったのか。これで条件はそろったと。
「別の部屋で準備できておる。悪いが移動してもらえるか?」
「あ、はい、分かりました」
「セシアよ、ヤマトと一緒に部屋に行き、勇者認証の儀を行ってくるんじゃ」
「はい、お父様」
おぉ、セシア姫がやってくれるのか。なんかよく世話になってしまってるな……。
「あ、あの、ヤマト様、よろしくお願いします」
「あ、はい、なんか世話になってしまってすいません」
「い、いえ。それよりさっきはありがとうございました」
「え?何のことですか?」
あれ?俺なんかやっちゃったか?
「あの、世界を救うって言ってくれた時にこちらに笑ってくれましたよね?あれって安心させてくれるためにやってくれたことなんですよね?」
あ、やっぱりばれてたか。うわー、滅茶苦茶恥ずかしいんですけど。ここは平然を装って決めなければ!
「べ、別に勇者として当然のことをしただけですにょ?」
し、しまった!声が上擦って疑問形になった挙句また噛んでしまった⁉にょって何だよ!
「フフッ、なんで聞いてるんですか?」
「ハハッ、な、なんででしょうね……」
完全に笑われたよ。絶対変なヤツだと思われたよ。シクシク
「おぉ、二人とも仲が良いのう。打ち解けたようで何よりじゃ」
カルミラ王はどこを見て思ったのかそんなことを言った。どこが打ち解けてんだよ?俺笑われちゃってんだぞ?あぁ、愛の旅が手から離れていくー
「ハハッ……」
もう笑うしかなかった。
「ではお父様、失礼します」
そういいながらセシア姫は部屋から出て行こうとしたので、慌てて追いかけた。
「本当に……二人仲良く、な」
カルミラ王がいやらしい笑みを浮かべながら、そんなことを言ったのに俺は気づかなかった……
ピピッ
どうでしかた?これでとりあえずヒロインと行動するのは決定かな?
感想などお待ちしておりまーす。