美少女の名前知っちゃった
五話目投稿~
予定通りの説明回です。退屈かもしれませんがお付き合いください。そしてサブタイトルのようにヒロインの名前登場です。では、お楽しみに~
「あ、ありがとうごいます‼」
そう言いながらお姫様は抱きついてきた。
「うおっ⁉」
体に重みがかかる。だが、決してそれは重いというわけではない。どこか心地良い重みだ。そして、同い年ぐらいの女の子が抱きついてるということはあれが当たってるわけで……。胸ってこんなに柔らかいんだなぁ。姫様って着痩せするタイプなのか?これはきっと脱いだらすご………ハッ!いけない!女の子とのステキイベントで脳内が桃色状態に!こんなことは確かに嬉しいが、周りには人がたくさんいる。それにこれ以上は俺がどうにかなってしまいそうだ。
「ひ、姫様?あ、あの……」
動揺しすぎて声が上擦ってしまった。
「あ、すいません。私ったらなんて無礼な事を」
恥ずかしいのか頬を赤く染めながら姫様は俺から離れた。
「いえ!無礼なんてそんな」
「そうですか?よかったです」
「はい!出来れば後でもう一回……ハッ!」
ハッ!つい本音を言ってしまった!まずい、完全に引かれるだろこれ!
「姫様、今のはなんていうかその」
「で、ではまた後ほど……」
「ほ、本当ですか⁉」
俺は興奮のあまり姫様の手を握ってしまった。しかしこれは仕方ない。あんなステキイベントが再来だぞ?嬉しくないヤツがいるか?いや、いない。(反語)
「ゆ、勇者様⁉」
「へ?あ」
そして手を握っているのを今気づいた俺。
「す、すいません!」
「い、いえ」
なんだコレ?どうしてさっきと立場が逆になってんだ?。すごい空気が気まずいんですけど!
「あ、そ、そういえばまだ名前を名乗っていませんでしたね。私はセシア・カルミラと申します。ここ、カルミラ王国の王女です」
「俺はあお……ヤマト・アオキです。よろしく!」
俺たちはお互いに自己紹介をした。そっかーセシアちゃんっていうのか。可愛い彼女にピッタリの名前だ。そして苗字は王女だからかここの国の名前だ。
「ヤマト様ですね。よろしくお願いします。
あの、これからの事をお話ししたいので別の部屋に来て頂いてもよろしいでしょうか?」
おぉ!彼女の方からお誘いが!これを行かずして誰が男か!俺は内心お祭り騒ぎを表情に出さないようにしつつ、
「もちろんです。俺も今の状態とかあまり理解していないのでぜひお願いします」
姫様のお願いを了承した。
***
俺は今かなり落ち込んでいる。何でだと思う?理由は二つ。一つは部屋にはすで人がいたこと。まぁこれはまだ許せるよ。姫様と二人っきりなんて、そんなおいしい話があるわけないもの……。べ、別に期待なんてしてなかったんだからね!……はぁ。そして俺の落ち込んでいる一番の理由、それはーー
「どうしました?勇者様?」
俺に話しかけてきたヤツ。名前はバウル・クルーラー。なんでも王国騎士団の騎士団長してるらしい。それは別にいいよ?うん。俺が許せないのはコイツがイケメンなんだよ!しかもかなりの!イケメン死すべし‼
「あぁ、いえ、別に」
「そうですか、ならよかった」
コイツ、イケメンの上いつもニコニコしていて肩ぐらいまでのばされた金髪に気持ち悪いほど似合ってやがる。歳は俺よりも上だと思うがさぞおモテになるでしょうね!……ぐすっ、泣いてなんかいねぇよ。それ以上俺にそのイケメンスマイルを見せるな‼惨めになるから‼イケメン死すべし。大事なことなので二回言いましが何か?
「今まで話したことの確認なんですがーー」
そう、さっきから俺はセシア姫から召喚の経由を教えてもらっていた。ちゃんと聞いてたからな?落ち込んでても人の話は聞くからな?そこ!その疑いの眼差しやめろ!どうやらセシア姫があの場にいなかったのは、別の部屋で俺を召喚する儀式を行っていたかららしい。儀式が終わりすぐに駆けつけたのがあのタイミングだったらしい。このカルミラ王国で召喚魔法を使えるのは姫様だけだそうだ。え?召喚魔法って?と思っているそこの君!そんな君に俺が教えて差し上げよう!題して、『第一回!勇者ヤマトの魔法講座!(次回があるかは不明)』ドンドンドンパフパフー……まぁ俺も聞いた話なんだけどね?
召喚魔法
その名のとおり目的のものを呼び出す魔法だ。しかし、呼び出せるものには自分の魔力と才能に比例するらしい。魔力があるだけじゃ上手く使えないし、才能だけでも同じ。召喚魔法を使う者を召喚士といい、下級の召喚士なら妖精などが限度らしが、上級の召喚士は精霊(妖精の上位種)などを召喚できるらしい。上級者の中でも異空間から人(この場合は俺)を召喚できるのはかなりの魔力と才能がいる様で、極僅からしい。セシア姫スゲェ……。以上!第一回!ヤマトの魔法講座!完
説明が長くなったがそういうことだ。そして俺たちは今これからのことを話している。
「これからヤマト様には私の父、カルミラ王に会っていただきます」
「え⁉王様にですか⁉」
「そ、そんなに驚かなくても……。お父様にも召喚が成功したことを知らせなくてはいけないので……。ダメですか?」
ぐはっ!だからその上目遣いは卑怯だって!そんなふうにお願いされたら断れないでしょう!もう、まったく(ニヤニヤ)
「も、もちろん、いいですよ」
「あ、ありがとうございます」
俺が了承するとセシア姫はぱぁ!と花咲いた様に笑顔になった。いやぁ、やっぱり笑顔が似合うなぁ、この人。お近づきになれなたらなぁ……。いやいや、何を夢みてる俺。勇者だからって王女様とお近づきになれるとでも?しかも、超絶美少女の。そう考えると目から汗が……。
「では、王座に参りましょう(ニコッ)」
「は、はい……。」
俺の心境を知ってか知らずか、セシア姫は天使の様な笑顔で歩き出した。俺も歩き出そうした時不意に爺さんの最後の言葉を思い出した。
『勇者の力は強大じゃ。利用しようという輩がいるかもしれん。最悪国自体が勇者を奴隷の様に縛りつけるかもしれん。ま、その辺気を付けるんじゃよー』
あの言葉に不安を抱き、俺はあることを行いセシア姫の後に続いた。
どうだったでしょうか?そして安定の進まなさ!……(泣)
次回は王様との面会です。まだあまり考えられていないのでどうなるか分かりませんが、お楽しみ頂けたら幸いです。
感想などお待ちしておりまーす。
では( ´ ▽ ` )ノ