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王様の感情で動く星  作者: 佐和多 奏
6/10

第六話・合唱

「何がいいとお思いになりますか?」

 何故か敬語を使ったアメリアは、卵焼きを口にした。

「そもそも何があったけ・・・。」

「COSMOS、3月9日、時の旅人、カリブ海の夢、手紙、、、」

 私たちの地球と、同じなんだ。

「うーん・・・時の旅人とかいいんじゃない?」

 ミアらしい、文芸部っぽいチョイスだ。

「金賞を取れそうだよね」

「・・・もう一回確認してみよ!」

 朝、配られたプリントを見た。


 30曲書かれていた。さっき言ってた曲の他に、空駆ける天馬とか、HEIWAの鐘とかがあった。

「うー、決めがたいですねー」

 アメリア、なぜ今日敬語なんだ。

 ミアが口を開いた。

「これいいんじゃない?これ前中学の頃先輩歌ってたんだよねー。」

指の向こうをみた。


あなたへ~旅立ちに寄せるメッセージ~


夕暮れ時、先生の、いつもの小さな声が響く。

「よーし、帰りの会はじめるぞー」

「きりーつれー」

「連絡のあるやつー」

級長が口を開いた。

「じゃあ、自由曲の多数決をとりまーす、みんなかお伏せてねー、1回だけてーあげるんだよー、いっくよー!COSMOSがいい人〜・・・。」


「はーい、かおあげてね、自由曲わあああああっっっ」


 なぜ溜める、気になるううう!

「っっ!!」

 

「あなたへ〜旅立ちに寄せるメッセージ〜

 でーす!!」


「指揮者は・・あ、ミアちゃんね、よろしく!」

 おお!ミアが、指揮、やってくれるのか!

 意外とやるな、ミア。

「伴奏は・・・。」

「はい。」

 大きな、綺麗な瞳で。

 かっこいい声で。

 ルフくんが、手を上げた。

 ルフくん、ピアノも弾けるんだ。

 あ。

 ミアと、ルフくん・・


 帰りの会が終わった。私はミアの所に走っていた。

「ミア、一緒に文芸部・・・。」

「ルフくーん、一緒に頑張ろうねっ。」

「そうだな!あ、今からちょっと音楽室来て合わせてくれない?」

「いいよー、バイオリンもついでにやりたいしね!」

「文芸部は大丈夫?」

「うん、結構緩いから。」

「そっか。うちの部活も。」

 2人は顔を合わせ、その後同じタイミングで笑った。

 私の言葉は完全にかき消され、2人が出ていくのを見ることしか出来なかった。

 虚無感の中、部活はサボって歩いて帰った。

 雨が凄く強く降っている。天気予報では晴れって言ってたのに・・・。

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