第四話・日々
「ねえ。」
オムライスを食べるエクルが、私に話しかける。
「ルフって知ってる?」
ルフくんの名前を。言われた。
「あ、ああ、バイオリンが、上手だよね・・・。」
「イケメンじゃない?」
「そ!そんなことないって、」
私が必死で誤魔化すと、エクルはちょっとムッとした。
ムッとしてる。
ほっぺたおっきくして。
ムッとしてる。
「おれも、昔、バイオリン習ってて、弾けるし・・・。」
「ぜったいうそでしょ。」
「うそじゃないし!弾けるし!」
「じゃあ弾いてみてよ〜。」
「・・・今は、バイオリンないけど。」
「ははは、じゃあ無理じゃん。」
「・・・もうご飯作ってやんないから。」
「あ、ごめん、うそだよ、ごめんね。」
あー、かわいいいいいいい!!!!!!
でも、バイオリンの話をしてると、つい。
エクルと一緒に住んでるのに。
ルフくんの顔が、よぎってしまう・・・。
音読をしている時の、ルフくん。
バイオリンを弾いてる時の、ルフくん。
かっこよかった〜。
「なんか、目、トロンとしてるけど。」
「してないし。」
今日は早く目が覚めた。なんか、気分がいい。すぐに窓を開けると、光が差し込んできた。少しにやつき、制服をきて、リビングへ向かった。
「ああ、おはよー」
「おはよーよーよー」
「テンションいいねー」
「高いでしょー!料理作っといたから、おれの手料理だよ!美味しいかな?ちょっと自信あるんだよね」
机の上には、ごく普通のトーストされたパンが置かれていた。
・・・?
マーガリンをスラスラっと塗り、かじってみた
「どうかな?」
「うん、サクサクだね!マーガリンが少し溶けて甘味が染み込んで、噛めば噛むほど溢れ出す、朝からこんな至福な瞬間を体験できるなんて、やっぱエクル最高だわ!」
「わぁー、嬉しい!」
エクルは笑顔いっぱいに喜んでくれた。
普通のトーストだったけど。
エクルの笑顔が、みたいから〜〜!!
帰り道。
細い道があるんだよな〜・・・。
1人だと、ちょっと怖い・・・。
帰ると、エクルが、笑顔で待っててくれた。
「おかえりー!!」
私は、思わずエクルにバッと抱きついてしまった!
「エクルー、怖かったよ〜。」
そしたら、エクルがよしよししてくれた。
はっとして、エクルの顔を見た。
ほっぺたを真っ赤にしてる。
あ、ああ。
可愛いーーーーー!!!