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氷点下の世界で俺は。  作者: 砂月
5/11

授業1

「オッケーオッケー、みんな揃ったな。じゃあ今日は解剖レポートの交換評価をするから出しといてくれ〜」


相変わらず軽い感じで授業が始まる。


いつもの窓際の席の椅子を引き、座った瞬間に盛大なため息を吐くと、心なしか視線を感じた。


教師良し、ロケーション良し、朝一番、とこうも条件の揃った授業だ。


溜息なんて普通吐かないよな…うん。


岡部なんて眼鏡を食い込ませてまで目を見開いてこっちを見ている。


机の上のレポートを、皺を出来るだけ伸ばしてから宮本のところに持っていく。


こうなって見ると、確かに岡部の言う通り書くだけでも書いておいて良かった。


夢中で書いたから内容は支離滅裂かもしれないが、ここで何も渡すものがないよりはマシだろう。


残りの授業時間は、交換評価という名の雑談だ。


生物の授業にそもそもあまり興味のない俺にとってはありがたいことこの上ない。


ただぼーっと窓の外の湖を眺めて時間を潰す。


同じところを見過ぎて焦点が合わなくなってきた…と感じてきた頃、


俺はあり得ないものを見て勢いよく席を立った。


「水が…水面が!」


キャラでもないのに指差して声を荒げてしまう。


「おい新田どうした、恐竜でも出てきたか」


宮本の冗談にクラス半分が笑う。


「中二病ですかね」「中二病だな」


そんな声が飛び交うのを俺は複雑な気分で聞き流す。


そう、さっき見えた気がしたあの現象は、もう跡形もなかった。


屈辱に耐えながらそっと目を上げると、


数十人分のニヤニヤした顔に迎えられる。




けれど、





海谷の表情は少し違った。


投稿ペース上げます。

読んでくださってる皆様ありがとうございます!

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