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氷点下の世界で俺は。  作者: 砂月
3/11

冬の始まり3

9時の鐘が鳴って、ぞろぞろと外に出て俺たちはそれぞれの次の授業の教室に向かっていく。


あぁ眠い。


もうすぐ授業が始まるっていっても、頭が働き始めるにはもう一時間ぐらい必要な気がする。


当てられないといいけど…って、やべ。ぼーっと歩いてたらどこに向かってるのか忘れた。


「悪りぃ、次の授業どこだっけ」


「ぷっ、お前相変わらずだな。レイクサイドラボで生物だぜ。俺と一緒。」


適当に声をかけたのは海谷。


ちょっと先を歩いていたが、鳥の巣頭だからちょっと目立つ。


こいつに聞いたのは正解だったな…


去年までろくに話したこともなかったが、今年は俺とほとんど同じ時間割のようだ。


こっそり頼りにさせて貰っている。


「愛〜のあるうちは〜」


…まぁ、多少変わった奴、だけどな。


「ところでお前、宿題はやってきたのか?」


「は?」


思わず怪訝な顔をして立ち止まる。


宿題なんて出す教師じゃないだろ、宮本は。


せいぜい夏休みに課題図書を出すぐらいだ。


「は?って、お前やっぱり忘れてたのか。期待を裏切らない奴だな」


ニヤニヤしながら鳥の巣頭が小突いてくる。


え、いや、忘れてたってどういうこと?


「しょうがねえから見せてやるよ、俺の解剖レポート。」


あぁ。あ〜。解剖レポートか。


「すまん、ありがt「いけませんよ!」」


ん?


「宿題を見せるなんて、ルール違反です。きちんと責任を取るべきです。僕はそう思う」


うっ、こいつか。


「だよな、まあ裁きを受けるとするよ」


この場合は早々に諦めるのが賢い。


内申とか興味ない俺は別に一回叱られるくらいどうでもいいしな…


「うん、さすが新田くん。君ならそうすると思っていた」


眼鏡をくいっと上げる仕草といい、絵に描いたような優等生(クソ真面目)だ。


「ところでさ…」


小声で海谷に耳鎚する。


「あいつの名前、なんだっけ?」


「は?」


「いや、だから今注意してきたあいつの名前」


「お、お前マジかよ…」


「悪いとは思ってる」


「岡部な。お・か・べ。覚えてやれよw」


呆れを通り越したのか、はっはっはとお腹を抱えている。


ん、待てよ。


岡部って確か二人いたよな。


「岡部なんだっけ?下の名前」


「え?」


「え?」


「それは…忘れた」

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