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 私はその店の前に立っていた。

 目立ったのはその看板だけ。わりとこじんまりとしたカフェだった。



 三階建てのビルの一階、隣はお弁当屋だ。駅から徒歩二、三分。この場所を知っている人なら足を向ける客はいると想定する。けど、さっき降りた駅の南側は広く店も多いが、こちら側の北口はひっそりとしている。この立地条件でどれだけ流行るのかちょっと考えながら中へ入った。



 店内はわりと開放的だ。窓際すべてが外が見えるカウンター席。中央には長い大きなテーブルがあり、その中央に目隠しのためのおしゃれな曇りガラスで仕切られている。一人の客が座ってもいい。椅子を寄せれば、数人でもシェアできる空間になっていた。よく考えられていると感じた。天気がいい昼間には、外にテーブルも出されるようだ。



 私はその時正直言って、カフェだったということでちょっと拍子抜けした。名前の如く、ラベンダーの石鹸や小物を売る雑貨店を想像していたからだ。


 店内でぼうっと突っ立っていた私は我に返ると、すぐにカフェラテを注文した。反対側の受け取りカウンターの前に立った。その壁側に控えめな棚があり、ラベンダー色のこまごまとした雑貨が並べられているのを見つけた。


 私のテンションがあがる。そこに石鹸、つまりラベンダーのサボンを見つけたから。

 きっと手作りだろう。洒落た小袋に手のひらサイズの石鹸が入っていた。手に取ってみたいという衝動にかられる。手を伸ばしかけた時、その声に振り向いた。



「カフェラテ、お待ちどうさま」


 

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