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長谷川真央はTS娘!~妹の理不尽な理由から女子として転生した俺の物語~  作者: ねこた まこと
オマケ 真央達が、高校生になるまでのいくつかの出来事。

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凶悪なこ


それは、真央達が2年生に進級してから間もない頃だった。


「 ねぇ、橋田くん。アリサ、国語の教科書忘れちゃったんだ~。悪いけど、教科書見せてくれない?」

「 あっいいけど」


渉に、話しかけてるのは、野村アリサ。今回のクラス替えで、真央達のクラスメイトになった女子だ。

真央と同じくらいの体格。小さな顔。

艶やかな黒髪。大きく潤んだ瞳の美少女。真央は、その美少女を視線だけで、射殺出来るのではないかというくらい、殺気のこもった目で、見ていた。


――何が、アリサだー。よりによって、あの「 ぶりっこカップルクラッシャー」が同じクラスなんだよぉぉ! しかも、渉の隣の席だし!


そんな事を考えながら、ガウウと、犬のように唸り声をあげてしまう真央。その真央を尻目に、1人の女子が、アリサに近づいていく。


「 教科書、忘れたんじゃったら、よそのクラスの友達から、借りればええじゃろ? こうやって、口元にグーした手を添えながら、『アリサ、教科書忘れちゃった~』って 、ぶりっこすんのやめたら?

『ぶりっこカップルクラッシャー』の野村さん」

「 んな!」



そう言われて、絶句するアリサ。

アリサを侮蔑するような口調で、攻める彼女の名前は、服部ひな。ひなも、今回のクラス替えで、同じクラスになった女子だ。

ひなは、アリサが黙りこんでいるのを、いいことに、更に言い放つ。


「 次のターゲットは、橋田くんなんじゃね。本当に『ぶりっこカップルクラッシャー』は、いくつのカップル壊せば、気が済むんよ? そんなに、人の男盗って楽しい?」


とまあ、ひなは、凶悪な笑顔で、アリサに詰め寄る。

最初、ぶりっこしながら、渉に話しかけるアリサに、腹を立てていた真央も、アリサの事が、気の毒になってきた。

そこまで言わなくても、そう言おうかと思っていたら、渉が立ちあがり、ひなに抗議する。


「服部、そこまで言わなくても、言いじゃねぇか」

「 はん!橋田渉。あんたも、あんたよ。

彼女の真ん前で、ぶりっこ女に、『 教科書見してー』 言われたくらいで、鼻の下だらーんと、伸ばしてからに。そうやって、このぶりっこ女に、ごろニャーンって、すり寄るバカ男子を見て、何人の女子が、煮え湯飲まされたか、教えたげようか? ん?」

「 イエ、シリタクナイデス。つか勘弁シテクダサイ」



ひなは、クラスの女子の中で、一番背が高く、おまけに、目は、猫のようなつり目だ。

獲物を追い詰めるライオンのようで、迫力満点。

そのひなに、よもや、怒りの矛先を向けられると思ってなかった渉は、タジタジだ。


「 わかったんなら、ええわ、野村アリサも、これにこりて、二度と人の男に手出しんさんなよ。

でないと、私が何するかわからんけんね」

「……わかったわよ」


ひなは、言いたい事を言うと、自分の席へ戻っていく。

やり方は、めちゃくちゃだけど、真央的には、最悪な結果を免れた事になるので、一応、お礼を言う事にしておく。


「 えーと、ありがとう」

「 別にー。長谷川さんの為に、したわけじゃありゃせんのよ。私は、ああゆう女のメンタルを壊すのが、楽しいだけ。

お礼言われる事なんて、何一つしとらん」

「 あっそう」


真央は、ひなのめちゃくちゃな言い訳に、呆れつつ、つんと、そっぽ向いたひなを観察した。

肩まで伸ばした髪の間から覗く耳が、わずかに赤くなっていたところから、照れてるらしい。


真央は、心の中で、ひなにお礼を言った。


これから先、真央がひなに振り回されるようになるのは、別の話だ。



後 2話程で終わります。

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