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春休みに入るなり、真央は、自分の家に遊びにきた、未希と波奈からある相談を受けていた。
「二年生になっても、一緒に学校に行くかどうか?」
「「うん」」
「なんで?今まで通りでいいじゃん」
「よかった」
ホッと息を吐く二人に、真央は呆れて質問した。
「まさか、私が二人から離れてくと思った?」
「「うん」」
未希と波奈大きく首肯くというおまけ付で、同時に返事した。
二人の返事に、苦笑しつつ、真央は自分の気持ちを吐露した。
「そんなわけないでしょ。むしろ、私は二人が離れてくんじゃないか心配してたのに」
「はあ?何を根拠に?」
「そうよ。私らそんな薄情者に見える?」
今度は、未希と波奈それぞれから、言われる。
「見えません」
「でしょ。そんな真央には、お仕置きだあ」
未希は、言うやいなや真央の背後にまわると、脇をこちょこちょしはじめる。
「あはは。やめてーごめんなさい」
「もう、あんな事言わない?」
「いいませーん。だからやめてー」
未希は、こちょこちょするのを辞めると、真央のベッドに座る。
「なんか、お互い変な心配してたね。」
「うん」
「二人と出会ってなかったら、今普通に学校生活送れてなかった。ありがとう」
「別に、お礼言われる事じゃないよ。
言っとくけど、兄さんに頼まれたから友達になったんじゃないからね。なんでか、わからないけどね。自然と友達になりたいって思ったからなんだよ。」
「私もなんか、この子といたら毎日楽しいかなって思ったんだよ。だから友達になったんだ」
「そっか」
二人から、自分と友達になった理由を聞いてホッとする。
「話変わるけどさ〜、二年生になったら、色々あるよね。」
「何故か、2年に一度しか行かない遠足とかね」
「修学旅行とか、職場体験もね。」
「修学旅行は、楽しみだけど、職場体験は、面倒だよね」
「まあね。なんか色々やる事あるみたいだし」
三人は、二年生になったら色々ある行事について、部活の先輩から仕入れた情報を交換しあった。
こうして、今の友達と一緒に過ごすのは永久に続くものでは、ないかもしれない。
生前の自分なら考えなかった事だ。
妹の理不尽な理由で、女子に生まれ変わってしまったけど、今となってはよかったと思える。
後悔しないように、今を生きていく。
ありがちだけど、実は、一番難しいのかもしれない。真央は、そう思った。
本編は、終了です。次回からは、次作につながる話を3話くらいやって終了です。




