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長谷川真央はTS娘!~妹の理不尽な理由から女子として転生した俺の物語~  作者: ねこた まこと
8章 そらがいなくなった。

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そらが、天国へ行って数日。

真央は、やっとそらがいない事実を、受け入れはじめていた。


それと同時に、日常生活が、忙しくなりはじめた。


学校生活では、学年末試験が、近くなり勉強しなくてはいけないし、三年生を送る会の実行委員に、無理矢理させられるしで、てんやわんやだった。


気付けば、3月も半ば過ぎでもうすぐ、春休みだった。


久しぶりに、暇になったある日曜日。真央は、渉を誘ってある場所を訪れていた。


「ここって、もしかして」

「そう。私がって言うのもへんだけど、男子高校生だった、長谷川真央が死んだ場所だよ」


ずっと恐くて、来れなかったけど、今日、やっと来れた。


「ここから、始まったんだよ。今の私がね」

「うん」



真央は、じっと事故現場を見つめる。

確か、友人と遊んだ帰りだった。そらに、気をつけろとか言った気がする。

だけど、トラックにひかれて、気がついたらあの世へ行く寸前だった。


「もし、あの時、人生やり直しの権利を得てなくて、しかもそらが理不尽な事言ってなかったら、今の私は、ここにいない。渉とも会ってなかったね」

「そうだな。出会ったばかりの頃は、けんかばっかしてたよな。」

「馬鹿みたいな理由でね」


真央は、あの頃を思い出してクスクス笑った。

渉も笑いながら言う。


「猫のイラスト付きの絆創膏もらったときは、面食らったけどな」

「あの時は、あれしかなかったの」

「けど、あの絆創膏のお陰だよな。真央と話すきっかけ作った。あれが、普通のだったら俺の場合、サンキューでおしまいだもん」

「だろうね」


二人は、笑いあった。


「もうすぐ、二年生かあ」

「二年生になったらクラス替えあるよ。一緒のクラスになれたらいいけどね」

「そうだな、そしたら5月の修学旅行同じ班になれるかもしれないし。」

「修学旅行。今は、広島だっけ?」

「そう。前は、沖縄だったんだろ?兄貴言ってたぜ」

「沖縄だったよ。生前(まえ)の姿だった時ね」

「まさかとは、思うけど、修学旅行実行委員会とか押し付けられてないよな?」

「……あたり。なんでわかったの?」

「今とそういうお人好しなところ、変わってなさそうだし」

「そうだよ。今も生前(まえ)もお人好しだよ」


渉の指摘に真央は、悲しくなった。


「でも、今度は、押し付けられてやるんじゃなくて、自分から立候補しよかと」

「じゃ、その時は、俺も立候補しよっと」

「その前に、同じクラスにならないと駄目だけど」

「そうだな。」

「とりあえず、祈っとこう。同じクラスになれるように」

「うん」


二人の願いが叶って二年生も同じクラスだったのは、また、別の話。


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