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もうすぐ、バレンタインがやってくる。真央は、パソコンで、大手ネットショッピングサイトで、バレンタインの特集をチェックしていた。
「うーん。高いなあ。ゲッこれ、4000円するの? 有名なブランドのチョコは、やっぱり高いな」
気になった、ショップのページを開いては、ため息をつく。
――ネットでゲットしようって思ったけど、高いし。買いに行くの恥ずかしいしなー。
と思い、真央がパソコンをしまおうと、していたら、声をかけられた。
「真央。バレンタインのチョコをチェックしてるんだ」
「うわ、びっくりした。ミズキかあ。いきなり、背後から声かけるなよー」
「ごめん。私は、そんなつもりなかったけど」
ミズキは、苦笑しながら謝る。
「ミズキは、バレンタインチョコどうするの?」
「色々悩んだけど。手作りにしようかなって思ってね。手作りって言っても、チョコ溶かして、型に入れて固めるだけなんだけど。でも、型一つとっても、色々な種類あるみたいだし、今度、唯花っていう前の学校の友達と買いに行くんだ」
「そうなんだ。ミズキ、俺も一緒に行っちゃだめかな?」
真央の唐突なお願いに、ミズキは驚く。
「私は、いいけど。なんで? 未希や波奈と一緒に行くんじゃないの?」
「ちょっと、折り入って相談したい事あるんだ。未希や波奈には、相談しずらくてさ。図々しいお願いなのは、分かってるけど」
真央が、思い詰めた表情で、言う。
「わかった。唯花にメールで訊いてみるよ。多分だめとは、言わないと思う。」
ミズキは、自分の部屋に戻ると、携帯で、唯花にメールした。
「唯花もオッケーだって。次の日曜日。三城駅に10時に待ち合わせだって」
ミズキは、真央にメールの内容を伝えた。
「10時ね。本当に、ありがとー」
真央は、お礼を言うとミズキに抱きついた。
「真央。嬉しいのは、分かるけど人に抱きつくなよ。ほら」
ミズキは、真央を引きはなした。
「ごめん。本当に嬉しくてね」
「前から、唯花も真央に会いたがってたからね」
「そうなんだ。けど、見ず知らずの俺の相談にのってくれるって本当にいい人だね」
「面倒見のいい子だから、前の学校じゃ、随分私もお世話に、なったんだ。」
「そうなんだ」
真央は、唯花に会うのが楽しみだと思ったのだった。




