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長谷川真央はTS娘!~妹の理不尽な理由から女子として転生した俺の物語~  作者: ねこた まこと
6章真央とミズキ。

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長谷川家のリビング。風呂上がり、髪を乾かさないまま、真央は、渉と携帯電話で、通話していた。



「マジで〜本当?」

『マジマジ!シバケン、メジャーリーグ行くの決まったって、お前ニュース観てないの?』

「観てないよ。夕飯の支度と宿題に追われて、それどころじゃなねーや」

『忙しかったんだな』

「そうだよ」

『じゃーな。切るぞ』


ツーツーという音を残して切れた携帯電話のボタンを押して、こたつの上に置いた。


「はああ、シバケンがアメリカに行く〜俺、何を楽しみにすりゃいいの?」


真央は、シバケンが、カーブからいなくなる。そのショックから、暫く、動けないでいた。



翌朝。真央は、当然の如く風邪をひいて、熱を出した。



「ミズキの手が、冷たくて、気持ちいい」

真央は、ミズキの手を持って、頬ですりすりしていた。

「すりすり、するなよ。気持ち悪い。それより、さっさと、体温計よこせ」


真央は、脇に挟んでた体温計を取り出して、ミズキに渡す。


「38℃……昨日、風呂から出て髪を乾かさないまま、しかも、この寒いなかパジャマの上に何も着ずに携帯電話で、長話してるからだ!」

「ごめんなさい」


ミズキに怒鳴られて謝る真央。


「ったく。野球選手が、アメリカ行くぐらいなんだ。別に、どうってことないだろ。むしろ、嬉しい事じゃないか。」

「だってぇぇ、本当にシバケン命だったんだよ。そりゃ、カーブは、大好きだけど。でも、シバケンのいないカーブなんて、お好み焼きにマヨネーズかけないのと一緒だあ」


真央は、真っ赤な顔して、布団の中でバダバタ暴れた。 まるで、幼子のようである。


「ああ、わかったわかった。ほら、暴れてないで、大人しく寝ろ。」


布団をかけ直して、真央の額に、熱とるとるシートを貼り付ける。


「うぎーミズキのバカ〜意地悪〜」


熱が、出てるくせに妙に、ハイテンションな真央の罵詈雑言を聞き流しながら、ミズキは真央の部屋から出て行く。

ドアを閉める前ミズキは、真央に声をかける。


「今日は、桃子さん、夕方までいないから、何かあったら、携帯電話にメールか電話してってさ。午前中で学校が終るから僕が、帰るまで大人しくしてろよ!」


「大人しくしてるから、プリン買ってきて〜プリン」

「了解」


――全く、手のかかる妹が出来た気分だよ

ミズキは、嘆息して、鞄を持つと、1人家を出た。


―――



お昼12時半をまわった頃、家に帰るとミズキは、一度鞄を置いて、近くのコンビニに行って、プリンを購入した。


購入したプリンを持って、真央の部屋に向かう。

ドアをノックするが、返事はない。

そっとドアを開けると、真央が、大人しく寝ていた。


「おーい。真央プリンを買ってきたぞ」

「やったー」


プリンと聞いたとたんに、真央は、布団をはね除けて起きた。


「ねっねっ、プリン食べさせて、お願いします」

「なんで、僕が、そんな事しなくちゃいけないんだ」

「いーじゃん。今日くらい」

「はいはい」


ミズキは、プリンの蓋を取って、スプーンで、真央の口に運んでやる。




「おいひぃ」

「ハイハイ。これ食べたら薬飲んで、寝ろ」


プリンを食べ終わって、薬を飲むと真央は、再び横になる。


眠りに完全に落ちる前、真央は、


「ありがとー。お姉ちゃん」

そう言った。

「どういたしまして」

寝ぼけてるだけかもしれないけど、お姉ちゃんと呼ばれて、少し嬉しかった、ミズキだった。






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