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長谷川真央はTS娘!~妹の理不尽な理由から女子として転生した俺の物語~  作者: ねこた まこと
4章 二学期から冬休みまでの出来事。

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元日の朝、4時10分。スピョスピョと、寝息をたてて眠る真央の側に、ゆらりと現れる、白い物体。


「やっぱり、目覚まし止めて、また寝てる」


白い物体の正体は、真央の目覚まし時計のアラームにたたき起こされた、そらである。


4時に起きて準備するつもりで、目覚まし時計をセットしておいたのに、アラームを止めてまた、寝てしまった真央をそらは、起こさなければいけない。



「真央、真央起きて 早く。初日の出見に行くんでしょ」

そらが、前足で真央を揺り起こす。

「漬物石に襲われる~。重い」

「寝ぼけて、意味不明な事言ってないで起きなさーい。とりゃあ!」


ブアサ、そらは、容赦なく前足で、掛け布団をふっ飛ばした。


「寒い。そらのバカー」

「やかましい。それより、さっさと準備しなさい。もう、4時10分よ。」

「ええ!やっべ、やっちまった。早くしないと」


真央は、ベッドを整えることなくバタバタと準備をはじめる。


「間に合った」


真央は、黒いニットの帽子に、グレーのプルパーカーと赤いチェックのミニスカートに黒いタイツとブーツ。上から黒のダッフルコートを着る。

部屋を出ると、ダウンジャケットにデニムパンツを着た光がいた。


「こりゃまた、気合いが入った格好してるな。真央が自分で、選んだのか?」

「いつもは、そうするけどこれは、そらのお古っていうか、去年の正月にセールで、ゲットした物そのまま放置されてたの、もったいないから俺が着てるんだ」


足元のそらは、 ホホホと笑い、話す。


「だって、その場のノリで買ったけどさ、よく考えたら、私の趣味じゃないなと思ったのよ。ミニスカートがね」

「そうですか」

「 5時になるぞ。外で、渉くん待ってたらいけないから、真央行くぞ。」

「うん」


光に促されて、真央はダッフルコートを着て、手袋とマフラーをつける。

外へ出ると、光と同じような服装の渉がいた。


「お早う、渉」

「お早う、真央」

「お早うございます」

「お早う、渉くん」


それぞれ、挨拶すると、既に暖気運転中の車に乗る。

「 準備出来たか?」

「OK」「大丈夫です。」


二人が、返事すると光は車を発進させた。


「やっぱり、竜王山(りゅうおうやま)に行くの?」

「あそこ、一番綺麗に見れるというか、竜王山(りゅうおうやま)しか見るとこないだろ。初日の出」

「中島市は、高いビルとか無縁だもんな」


光と真央の会話を聞きながら渉は、ボソッとつぶやいた。


長谷川家から車に乗る事20分竜王山に着く。

麓の駐車場に、車を止めてから5分くらい歩くと展望台に着く。

5時半前だが既に沢山の人が来ていた。


「わあ!人がいっぱいいるな。」


真央は、あたりをキョロキョロしながらそう言う。


「近くに、神社とお寺があるからそこで、初詣して待ってたんだろ」

「そういや、カウントダウンイベントあるって、部活仲間が言ってたな」

と渉が言う。


「それで、やたらカップルが多いんだ」

「さて、初日の出まで、時間があるからそこのレストハウスでまってよう。」

光に言われて、二人もレストハウスに入


る。


それから、予定時刻の7時すぎまで、レストハウスで暖かい飲み物を飲んだりして過ごした。


「そろそろ、出てくるな」

展望台で、明るくオレンジの光に包まれはじめた空を眺めながら、渉は、言った。

「おお、ご来光だ!渉、見た?」

「うん、見たよ。 すごい綺麗だな。」

「あっそうだ。渉ハッピーバースデー!」

ダッフルコートのポケットからピンクの可愛らしい包装紙の袋を取り出す真央。

「もしかせずとも、プレゼント?」

「うん、プレゼント なあ、開けてみてくれよ。」

「ああ。」

渉は、受けとると丁寧に袋を開ける。出てきたのは、紺色の刺繍糸で作ったミサンガ。

「俺が、作ったんだよ。」

「あーサンキュー。」

歯切れの悪い渉の返事に真央が、ショボンとして、

「 嫌だった?」

「嫌じゃないよ。こんな偶然あるんだなって思ってさ。」

と渉がダウンジャケットのポケットから出した透明な袋に、入ってたのは赤いミサンガ。

「俺も、真央にミサンガ作ったんだ。従姉の姉ちゃんに教わってね。」

「ありがとな。大切にする。」

へへっと笑い真央は、ミサンガを手首につける。

「似合う?」

「よく、お似合いです。」

渉は、そう言って自分も真央からもらったミサンガをつける。

「渉も、似合ってる。」

「サンキュー」


二人が、プレゼントを交換して楽しそうにしているのを、光は、眺めながら

「いいなー若いって誰かこの独身のおじさんにも優しくしてくれないかなー」

と呟いていた。




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