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終業式だった昨日の帰り、2人で冬休みの宿題を一緒しようと話になり 、今朝から、真央と渉は、真央の部屋で 、宿題をしてる最中であるが、渉は、別な事が気になり 、今一つ集中出来てない。
じーっと 、テーブルの向こう側をみつめる渉。 正確には、真央の膝の上で、お昼寝中のそらをみつめていた。
――羨ましい。 猫になって、俺もあそこで昼寝したい。
渉は、思春期の少年らしい思考に陥っている。渉よ。羨ましいのはわかるが、今は集中しなさい。でないと、真央さんから、お叱りの言葉が飛びます。
「 渉!渉ってば 手が止まってる。 もう 何 ?さっきから、人の膝ばっか見て。まさか 、変な事考えてないよな?」
――俺の考えてる事、わかっていらっしゃる? ヤベェ、何か言い訳しないと。
「 ごめん。 膝の上、 そらが乗ってて、暖
かそうだなって思ってさ」
言い訳しつつ チラリと 膝の上をみる。
「本当か? 一応 元10代男子だからな、渉の考えてる事 予想は出来るけど、まあ そうゆう事にしといてやる」
真央は、言いたい事を言って、宿題を再開した。
渉も宿題をしていたが、時々真央の膝をみつめては、羨ましい。と考えては、頭から煩悩を振り払うの繰り返しだ。
渉よ。いい加減にしなさい。そんな事を繰り返してると、真央さんにバレます。
――やっぱり変な事考えてるな。
真央はそう思い 、やりかけのワークブックで、テーブルをバシンと叩く。
はっとなった渉は、恐る恐る顔を上げると、鬼の形相で、真央が睨んでいた。
「 渉 マジで、やる気あんのお前?」
「 あります。今すぐ本気でやります」
――これ以上、真央を怒らせたらヤバい。
渉は、目の前の宿題にようやく没頭しはじめた。
真央は、ようやく渉の本気モードに スイッチが入ったのに 安心する。
渉は、本気になれば、後は順調に進むのだけど そこに いくまでに少々時間が かかる。
真央は、自分の宿題に 一区切りついたので、渉の邪魔をしないように、そっと席を離れる。そらも起きて、別な場所へ移動した。
――渉が宿題やってる間に、台所の大掃除でもやっとくか。
真央はそう思うと、台所に向かった。
―――
――渉が、本気モードになって 約2時間 そろそろ、さすがに集中力がきれてくるだろうな。
「あー 疲れたぁ 」
真央が、部屋に戻ると、渉がテーブルに伏せっていた。大分、お疲れらしい。
「 お疲れ! ちょっと休憩しようぜ 」
「マジで いいの?」
「 うん だってお前 2時間も やってたんだぜ。そろそろ、休憩した方が いいと思う」
「そんな に時間たってたんだ。知らなかった。って お前その格好なに?掃除でもしてたのか?」
渉は、いつの間にか エプロンをつけ頭には バンダナに、手にはゴム手袋というスタイルになってる真央に 質問する。
「 うん 台所の掃除あそこだけ 大掃除すんでなかったし 渉が集中してるのに邪魔しちゃ悪いかなって。 ずっと 掃除してたの」
「 そうなんだ 」
「 そうなんだよ それより 休憩しようぜ 」
リビングへ渉を連れていく。
リビングのこたつに渉を座らせると、真央は、台所から電気ポットを移動させ ココアやマグカップをこたつまで 運んだ。
「渉 宿題 早く終わりそうか?」
ココアを入れながら真央は質問する。
「 年内には 終わると思う」
「ふーん 俺もかな」
「そうなんだ 」
真央は、渉にココアを渡しながら、さらに質問する。
「そういや クリスマスどうすんの?予定あるのか?」
「 ん? 特にねーよ。うち 母親いねーから 親父と兄貴と3人で ケーキ 食いながら テレビ視るくらいだな」
「俺も似たようもんかな。 未希と波奈なぜか 2人とも予定があるってさ 。女子だけのクリスマスってのも、1度やってみたかったのに 」
真央にぷぅと、頬を膨らませて言う。
「 えー 俺と一緒じゃ 駄目なの?」
「 そりゃ 渉と一緒もいーけど 女子だけのクリスマス 楽しそうじゃん それに、渉とは 誕生日を一緒に祝たいの」
「誕生日 1月1日だから だいたい忘れさられてんだけど な 真央は、覚えてたんだ 」
「 だって 覚えやすいし それに、俺の誕生日も次の日だぜ」
「そういや そうだな」
「じゃ 一緒に誕生日 すごそうか」
「うん」
2人は、そう約束し 指切りをした。
次回から、番外編を前後編で入れていきます。時間軸は、真央が女の子になった直後の話になります。




