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長谷川真央はTS娘!~妹の理不尽な理由から女子として転生した俺の物語~  作者: ねこた まこと
4章 二学期から冬休みまでの出来事。

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授業が終わり、 真央は未希と波奈と帰る為、玄関へむかう途中、 知らない男子生徒から声をかけられた。


「1組1組の長谷川さんだよね?」

「はあ、そうです。 俺に何か用ですか?」


真央は、声をかけてきた男子生徒の名札を見る。

名札には、名前の下に、各学年ごとに違う色のラインがひいてある。 1年は黄色、 2年生は緑、3年生は紺色である。

目の前の男子生徒は緑色、2年だ。生田(いくた)と書いてある。

男子生徒は、もじもじと落ち着かない様子だ。


「 あのさ、ちょっと話があるんだけど、今いいかな?」

「 はあ いいですよ」


――また告白かな。ちょっとうんざりした気分になりつつ、男子生徒について行く。テンプレ通りというか、予想通り体育館の裏だ。


「 話ってなんですか?」

「 その前に 自己紹介させてよ。僕生田 優真(いくたゆうま)

「 で、生田先輩は 俺に話って、なんです?」


正直、面倒だから、相手に嫌われるよう巣の態度で接してみる。男みたいな態度なら、相手がひいてくれるだろうと思っての、真央なりの作戦なのだけど、イマイチ効果はないみたいだ。

というか、恋は盲目とはよく言ったもので、男子生徒は、引くどころか、この態度すら、可愛いと思ってるようだ。



「 あー えーと 僕と付き合ってください。お願いします」


入学したての小学生のような、お辞儀のオマケ付のの告白だ。


「 すみません、俺 彼氏がいるんです。ごめんなさい」


真央は、0・1秒で即答する。振るのに、躊躇いはない。だって、渉がいるんだもん。それに一瞬でも、相手に期待をさせるというのは、酷な話だし失礼だ。

まあ告白に限らず、yesかNOか、さっさとはっきりさせるというのは、真央のポリシーでもあるからなのだけど。



「 そっか 」

「 本当にごめんなさい」

「いや いいんだ」


生田先輩は、肩を落として 去っていった。



―――


真央は、家に帰りながら 一体何人目だと思い 手で数える。



「今月に入って13人目だ。 なんでだよ。……男だった頃 、女子から告白なんかされた事ねーぞ もちろん、渉がいるから 駄目だけど」

「 何、1人で ブツブツ言ってるの ?」

「わぁ なんだ、圭かよ ビックリするだろ」


後ろから 話しかけてきた 信田 圭しのだけいに真央は つい そう言ってしまう。圭は、苦笑いしながら謝ってくる。


「 ごめん 脅かすつもりは、なかったんだ

それより、さっき ブツブツ言ってたのって 告白された人数?」

「 うん。なんで俺に告るかな?他に、女子いるだろ」

「 真央は 知らないの? 最近 男子に 真央人気なんだよ 部活の先輩が言ってたよ 小さくてかわいいのに俺っ子 そこが いいって」

「 はあ?なんだよ それ しかも、小さいって 、入学から半年たっても 、身長が横ばいの俺には悪口だ」

「真央、いつの間にかクラスで、一番小さい女子になったもんね」


クスクス笑う圭の側で、真央は、大げさに、嘆いてみせる。


「 俺は、どうせちびだよ」


真央が、そう言ったところで、クスクス笑うのをやめた圭は、急に、まわりをキョロキョロと見渡して、切羽つまった顔で、真央に進言する。



「 真央、暫く橋田と一緒に 行動しなさい いいわね」

「なんで?」

「 なんでも! いい? 橋田じゃなくても、いいから、とにかく誰かと一緒に行動しないさい! いいわね!」

「 ああ、わかった」


圭の勢いに、真央は、それ以上追及せず、返事した。

圭の言った意味は、翌日理解する事になる。


「お早う 渉」


いつものように登校すると玄関で、渉に会うと挨拶して 一緒に教室へ行く。

教室に入るなり 圭に呼ばれる。


「真央 私の言った通りにしてくれてるんだ!」

「うん まあ」

「 あのね 真央、 こんな奴に出会って 、話しかけてきても 無視していーからね」


1枚の写真を見せてくる。メガネをかけた少年が写ってる。


「誰 この人?」

「名前 知らなくていい 変態ナルシストの危険人物って事だけ知ってくれてたいいから」

「 とりあえず、無視したらいいんだな?」

「 うん もう危険人物だから。近寄らないでね」


圭は、念押して真央の側から離れていく。


――ああやって、丁寧に警告されちゃ、昨日言われた通りにしてた方がいいな。

その日は、移動教室の時は、渉と一緒に移動し、普段1人で行くトイレも、未希や波奈と一緒に行くようにした。


しかし、放課後は部活があるため、終わるまで、真央は渉と別行動である。


「じゃ 今日は、終わりよ 気をつけて帰ってね」


部長がそう言うと、それぞれ片付けて帰る支度をする。

真央は、美術室を出て、吹奏楽部の部室をめざそうとした時、いきなり手をつかまれる。


「 長谷川さん いやーやっと 二人きりになれるよ。いっつも 誰かと一緒だったね今日は 誰かの入れ知恵なんだろうけどね」


真央は、相手を見る目の前には、昼間圭から見せられた写真に写っていたメガネ少年がいた。


「離してください! 俺 今から 友達のとこ行くんです」

「知ってるよ。吹奏楽部の橋田渉だろ?

しかも友達じゃなくて 彼氏だろ?」

「知ってんなら 放せよ 俺は、渉のとこ行くんだ」

「いやだ、あんな奴より君には、僕がふさわしい そうに 決まってる だから一緒に帰ろう」


――なんなんだよ、こいつ!痩せてる癖に、むちゃくちゃ力強いじゃないか!


ガッチリと握られた手首は、真央が引放そうにも、離せない。



「意味わかんねーよ。つうか放せ」


真央は、大声を出し、つかまれた手首をブンブン振り回して暴れてると、冷え冷えとした渉の声がした。



「 あんた何 人の彼女に手をだしてんすか?それに いやがってんだ!放せよ!」

「駄目だ」

「 いやだってば、」


3人がすったもんだしてると、メガネ少年の頭をスパーンとノートで叩く少女が現れた。


「 なにやってんの 兄さん 」

「圭」「信田しのだ


真央と渉が叫ぶ。どうもこのメガネ少年は、圭のお兄さんらしい。



「 ごめんね 二人とも。この変態ナルシストは私が、説教しとから」


圭は、「なにふざけた事してくれてんのよ!馬鹿兄貴!」と言いながら、兄をズルズルと引きずっていく。



「 俺らも帰りますか 」

「うん あーもうどうなるかと思ったよ 助かったよ 。来てくれてありがとうな」


真央は、素直にお礼を言った。



「いや どういたしまして ね お返しに キスくらい してくれても いいんじゃない?」

「 調子に乗るなバカ」


ペンっと、真央は、渉の頭を叩いたのだった。

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