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長谷川真央はTS娘!~妹の理不尽な理由から女子として転生した俺の物語~  作者: ねこた まこと
4章 二学期から冬休みまでの出来事。

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10月になっても、いつまで夏のように暑かった先週と違い、 今週は月曜日から寒くなってきた。

その温度差のせいか、 真央のまわりでも風邪をひく人が何人かいた。


「 お早う 真央 」

「 はよー」


いつも通り、未希と波奈と登校する真央

だが 、声がかすれて元気がないように見えた。心配した波奈が声をかける。


「 真央、声かすれてる 風邪?」

「 うん 一応薬飲んだし、 大丈夫だろ」

「大丈夫って言うけど 、この前 生理痛 酷いのに 、保健室 あたしと未希に強制的に連れていかれるまで、我慢してた人誰だっけ?」



――波奈のやつ痛いところつくなー、ポワンとしてるかと思えば、意外としっかりしてんだもんなー。さすがは、三人姉妹の長女だ。


真央は、そう考えながら答えた。


「 気をつけるよ」

「 ひどくなる前に 、いいなさいよ。」

「わかったよ 」


真央は、未希にも釘を刺され、ちょっと情けない気分になった。



学校に着くと 下駄箱で、同じ美術部の先輩に呼ばれる。


「 長谷川 さん 頼んでたやつは、出来てる?」

「 はい、出来てます。例のやつですよね?」


真央は、スクールバックから一枚の紙を取りだし、手渡す。


「 ありがとー これで 締め切りに間に合うわ助かった」


先輩は去っていくのと、入れ違いで、渉がやってきた。




「 渉 お早う 」


いつも通り、登校してきた渉に、真央は、挨拶するが、渉の顔はいつになく険しい。


「 さっきの 先輩か?」

「うん あの人 保健委員なんだけど保健室の先生に 、保健だよりのイラスト頼まれてたの 忘れてたんだって、3年生で 塾とか忙しくて、今日までなんだけど、間に合いそうにないからって 、昨日頼まれて描いたんだよ」

「……お前 確か昨日 桃子さんが 締め切り前で 家の事 全然出来てないって言ってなかったけ?」

「 うん 部活なかったけど、帰って掃除とか、洗濯とか夕食の準備したり、 宿題やら 復習までしてからイラスト描いてたら 寝るの11時過ぎたけど、朝5時に起きたからちょっと寝不足なんだよ」

「なんで 朝5時に起きるんだ?」

「 母さんの昼 作って置いとかねーと カップ麺ですませちゃうんだよ。 それだと体に 悪いかなって思って。風邪ひいたのも そのせいかな?」


渉は、真央の話を聞いてイラついて 真央を引っ張って歩く。


「 痛い なんすんだよ!」

「いーから 来い 」


ずんずん歩いて ある場所まで 真央を連れていく。


「保健室?平気だよ。」

「 うるせ !ゆでた タコみたいに赤い顔してるやつの言うセリフじゃないだろうが!」


保健室の扉を乱暴にあける。


「 先生 このバカの熱測って 」

「あらま まーた長谷川さん 調子悪いのに無理したの?」


保健室の先生に真央は、そう言われ 渉から睨まれる。

さすがの、真央も観念して 大人しく体温を測る。

「 38.9℃ よくこんな熱で 学校へ来たわね」

「 だるいの気のせいかと思って」

「お前な だるいを気のせいにするな」



渉は、思わず怒鳴る。真央は、しゅんとなった。


「 ごめん」

「まあまあ 橋田くんも怒らないで長谷川さん このまま帰りなさい。担任の先生には 私から言っとくからね」

「 はい」

「悪かったよ 怒鳴って でもな これだけは、言っとくぞ 無理な時は、人に頼まれても引き受けるな 体調悪い時は、すぐ休めよ」

「わかった」


素直に真央は頷き、鞄を持って保健室を出ていく


「大丈夫?帰れそう?」

「大丈夫です。」


先生に そう言って真央は、家に帰った。



―――



放課後。未希と波奈にお見舞いにいけと命令され 真央の家まできた渉は、 どうしようかと 家の前で 動物園の熊のごとくうろうろしていた。


「あれー 橋田くん?もしかして、真央ちゃんの お見舞いに来てくれたの?」


玄関のドアを開けて、桃子が、そう声をかけてくる。



「 えーと、はい 」



笑ってごまかす渉 桃子は、渉を家に招き入れる。


「 今、真央ちゃん寝てるけど 少し、顔みてく?」

「えっ?」

「 顔みたら 安心するでしょ?」


桃子に言われ 内心 心配だった渉は、素直に桃子の言葉に甘える事にした。


「 失礼します。」


そっと、真央の部屋に入ると、窓際のベッドに入って眠る真央がいた。

いつも、ツインテールに結んでる髪がおろされた姿に、思わずドキリとするが 渉は頭をふって一瞬わいた|邪な邪念を振り払う。


「よく寝てるな」

「 渉」



渉に呼びかけてきたが、 んにゃんにゃ言うだけで、何も言わない。


「寝言か 帰るか」


渉が 帰ろうとすると、タイミングよく、

真央の寝言を言ってきた。



「渉 大好きだぞ」


そう言って、真央は寝返りをうった。


「 俺もだよ」


渉は、そう言って頭を撫でやった。すると心なしか 真央は、嬉しそうな顔で、すやすやと寝息をたてていた。




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