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夏休みが終わり2学期が始まった。
始業式のあとの2時間目と3時間目を利用して、真央達のクラスではロングホームルームが行われていた。
「さーて、まずは 委員会決めね。まず、一番決まらないクラス委員。 やりたい人ないかな?もしくは推薦でもいいけど」
鈴木先生は教室を見渡す 。誰も手を上げない中、すっと波奈が手を挙げる。
「田中さん立候補するの?」
「 いいえ 私は、長谷川さんと橋田君を推薦します。」
「 ちょっと 待て なんで 俺らなんだ」
「 そうだ 」
真央と渉が抗議の声をあげるが、先生はさらっと無視する。
――先生、生徒の意見無視しちゃだめです。と教室中の誰もが心の中で、つっこんだが、長谷川と橋田のバカップルに付き合うと、多分この話し合いは、滞り終わらない。
だから先生も無視したんだろうと、真央と渉を覗くクラスメイトは思った。
「 橋田君と長谷川さん以外に、立候補いない? 2人をクラス委員にするの反対な人は手を挙げて 」
教室中の誰も手を挙げない。というか推薦された2人でいいじゃん。委員決め早く終わらせようよ。教室中の生徒から空気が流れてる。先生は、その空気を読み取ったのか、それとも面倒臭いのかわからないがサクッと進行する。
「はい居ない。じゃ 決定。2人供よろしくね」
本人達の 意思とは、無関係に あっさりクラス委員が決まった。
真央はぷぅと頬を膨らませ、ブチブチ文句を言い始める。
「なんで、俺らなんだよ」
「まあ、決まったもんは、しゃーない 頑張るしかないな」
「 うー渉がそう言うなら頑張るよ」
「 一緒に 頑張ろうな」
「うん」
渉は、真央の頭をポンポンする。 真央は、うっとしいげに渉の手をはらう。
―― あー、あのバカップル。イチャイチャするんじゃねぇわよ。
彼氏いない歴=年齢の鈴木先生は、内心嫉妬しながらも教師らしく注意する。
「はい、そこじゃれるのあと。とっと、別な委員を決めて体育祭の話もするんだから」
「すんません」「 ごめんなさい」
2人が謝ったところで話し合いは進み、他の委員も決まった。鈴木先生は、体育祭の話を始める。
「 体育祭は、今月末の 日曜日に行われます。で、出場種目は、個人が クラス対抗リレー 。400メートル走 。障害物競争 団体が、一年男子が、台風の目。女子が 棒奪いです。あっ知ってるかも知れないけど、運動部は、クラブ対抗リレーがあります。」
鈴木先生は、黒板に種目を書きながら説明する。
「まず、各自出たい種目に、手を挙げてください。まずは、クラス対抗リレー」
鈴木先生が、種目を言って 手を挙げた 生徒の名前を、黒板に書いていく。
希望者多数の場合は、ジャンケンで 決まった。
真央は、400メートル走 未希と波奈は、障害物競争 渉は、クラス対抗リレーに出場する事になった。
「 あっそうだ 夏休みに クラス旗のデザイン考える宿題あったよね? あれも決めちゃう?今 時間あるし 」
鈴木先生は、生徒から特に異論が出なかったので、クラス旗のデザインを描いた紙を提出させた。
クラス全員34名のデザインが、黒板に貼られ、投票する為、番号をデザインの下に書かれた。
生徒が 、自分が良いと思った デザインの番号を紙に書いて、先生が用意した箱に入れた。
「 はい、14 番が、一番多かったです。
ちなみに、長谷川さんだね」
クラス旗のデザインは、真央の考えた物に決定した。
―――
放課後、部活のない 真央と渉は、一緒に帰りながら、話してた。
「 そういや、 選手入場の時 クラス旗 先頭で、持つんだろ?」
「そうなんだよ あーやだな」
クラス委員は、毎年体育祭の入場時、クラス旗を持って入場する事になっている。渉は、吹奏楽部で行進曲を演奏する事になっており、自動的に真央がクラス旗を持つ事になる。
「 俺は、お前が心配で、演奏に集中できないかもな」
「 俺の心配より、演奏の心配しろって」
「 真央って 案外 ドジだからな 心配なんだよ。クラスマッチの時みたいに、転んだりしないか」
渉の一言に、真央は ぷくうと、頬をふくらませた。
「 俺 そんな ドジっ娘 じゃねーもん」
「 はい はい まあ、転んでも ちゃんと 救護テント連れてってやるよ。 姫抱っこで」
「ぜえーったい転ばない もん 俺 」
真央は、顔を真っ赤にして怒る 。
渉は、そんな、真央を見て 笑いながら
真央の怒った顔 可愛いと 思った。
口に出して言うなら きっとへそを曲げるから言わないけど そんな風に考えながら 怒る真央を宥めた。




