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日付越えてしまいました。すみません。
8月の終わり 。未希と波奈 真央の3人は、電車で隣町のショッピングモールへ来ていた。
「真央は、何買うの?」
「んー 秋物 いくつかな」
真央の私服は、実のところ そらのお下がりが多い。大半は、セールなんかで買ってきて、タンスの肥やしになってた物だ。中には、値札が付いたままの物のもあった。
真央がその事に追及すると、当の本猫は、『 その場のノリで買ってみたけど、これ私の趣味じゃないなって気づくのよ』だそうだ。
とはいえ、真央が着ようと思ったら、流行遅れだったり、サイズが合わなかったりする。その時は、必要に応じて 買い足してる。
「 だったら スカートも買えば?真央ってキュロットとかしか穿かないよね」
「 うーん、スカートかあ。確かに、 学校以外じゃ穿かないな ほとんど 」
真央は、2人の服をみて言う。
未希は、白いロゴTに黒と白のギンガムチェックのフレアスカート 波奈は、ピンクのセーラー襟のワンピースを着ている。
真央は、ノースリーブのピンクのブラウスに、 ミニのフレアスカートにみえるイエローのキュロットである。
真央が、キュロットばっかり穿くのは、スカートより動きやすいからだ。
デニムのパンツは、ほとんど穿かない。
「スカートだけじゃなくて、ワンピもいいよね」
「うーん どっちか迷うけどな」
「迷うなら両方 買っちゃえ」
「 そうしなよ」
「 そうしよかな よし、買う」
未希と波奈にのせられて、スカートとワンピースを買う事にした真央は、善は急げとばかりに、2人を連れて、モール内のティーン向けの服を扱うショップへ入った。
3人並んで、秋物をチェックしてると、波奈が、1着の服を見せてきた。
「 このチェックのシャツワンピ、可愛くない?」
「可愛いけど、買うのか?」
「ううん。真央に似合うかなって、 思ったの」
波奈に言われて、真央は手にとってみる。
確かに可愛い。いつか着たワンピースとは違い動きやすそうだ。色も自分が好きな赤だし、いいかもしれない。
「 試着してみるかな? 」
「してきたら?」
「してくる」
真央は、赤いチェックのシャツワンピを持って試着室に行く。 店員さんに、試着していいかきいてから、試着室に入る。
真央は、着ている服を脱いで着てみた。
鏡に写る己の姿を見ながら、感想を述べてみた。
「思ったより いいけど、やっぱり 、足 すーすー するかも」
そこは、我慢する敷かないだろう。
だけど、最終的には、気に入ったので、買う事にする。
「 他も、欲しいよな。」
「真央 開けてもいい?」
「 いいぜ 」
未希と波奈が カーテンを開け、真央を見て、満足そうな顔で、首肯く。
「可愛い 似合う」
「 言った通りでしょ。ねっ真央 これも 着てみてよ 」
波奈が持つ服を見て、真央は渋い顔になる。
――いくらなんでも、可愛い過ぎじゃね?
「 それ 着るのかよ さすがに、俺には 似合わないと思うけどな」
「 いーから! 文句は、着てから 言いなさい。」
「そうよ。真央 着てみるの」
「うー わかったよ。」
「 これ、やっぱり可愛すぎだろ」
真央は、しぶしぶ受け取った服をみる。 トップスは、ブラウスにリボンタイ 。暖かみのあるオレンジのニット。それと、青と黒のチェックのミニスカート。
「とりあえず 着てみるか 」
真央は、シャツワンピを脱いで、カーテンごしに、未希に手渡してから、渡された 服を着てみる 。
「 なんか 変だよな。渉が見たら どういうか 絶対に 変とか 言うと思うけどな」
「真央は 開けるよ。」
「 ああ」
シャっとカーテンを波奈が 開けると、2人は、一瞬ボケッとした顔になった。
――やっぱり変なんじゃねーか。
真央が項垂れる。だけど、その真央に、聞こえてきたのは、誉め言葉だ。
「 うん。やっぱり、可愛い ね」
「 うん 私の見立てに間違いは、なかったわ」
「 これと、さっきの シャツワンピね 決まり」
「 えっちょっとまてよ。さっきのは、ともかく、こっちも 買うのかよ!」
「 当然。文句ある?」
――未希に逆らうまい。そう感じた真央は、観念した。
「わかったよ。買います。 買えばいーんだろ」
カーテンを閉めて、元の服に着替える。
試着した 服丁寧にたたんで、シャツワンピと一緒に レジで、会計を済ませた。
そのあとは、雑貨屋さんで、アクセやバックを買ったり 世界的に有名なネズミのキャラクターのグッズを扱うショップへ入ったり、ゲーセンで プリクラを撮ったりして過ごした。
夕方、ショッピングモール近くの駅から電車に乗って 帰る時 未希は、真央に声をかける。
「 真央 帰り うちに、よってって 」
「 なんで?」
「 さっきの服を 写真に撮って 橋田に、送るのよ メールで、喜ぶよ。絶対 」
「わかったよ 」
電車から降りたあと、 ソッコー未希の家に行き、モデルの真似事をするはめになった。
「ところで、未希さん、この服も着ろというのですか?」
「そうよん! 絶対に似合うって」
「はあ」
夕方6時 。今日も 地獄の吹奏楽部の練習を終えた、渉は、家に着くとリビングで くつろいでいた兄が「 渉 ケータイ鳴ってたぞ」と携帯電話を放ってくる。
上手く キャッチした渉は、携帯電話を開くと、一件のメールが入っていた。
「 なんだ、南じゃねーか 」
南というのは、未希の名字だ。メールには、写真が添付されていた。
「あー 真央 めちゃくちゃ可愛い」
叫んで、弘にうるさいと頭を叩かれるが、気にしない。というか、それどころかじゃない。
2階の自室へ入り、改めて、未希からのメールを読む。
『 真央のメイドさん。可愛いでしょー』
そんな文面のあと、黒いワンピースに、白いエプロン。頭にヘッドドレス。という。メイドさん姿の真央の写真。
可愛い過ぎだ。渉は、兄が夕食に呼びに行くまで、その写真を眺めていたそうな。




