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んで、なんだかんだ、騎士団は暗殺者ギルドを襲撃することになったらしい。


キャッツさんとバガンさんは、やる気満々だ。当然ヤる気の方。

バガンさん曰く、子供を痛めつける奴は全員殺すらしい。こ、殺される、私も。

だ、だって、子供殺してきたし。


っていうか、私が概念的に子供なのかは疑問が残るし。

普通に成人してたよ? うん、そんで、縮んで子供になった。名探偵ばりに。


実は子供じゃありませんでしたー、ぴっぴろぴー。

とか言ったら、バガンさん、いくら私の見た目が子供でも、殺さない? 殺すかな?


とても試す気にはなれない。


子供じゃないってバレないように、びくびくしながら生きていかなきゃいけなくなったじゃないか。

それもメロの魔眼で追及されたら終わりだし!


暗殺者ギルドの襲撃には、私もついていくことになった。正確には連れて行かれることになった、だけど。


暗殺者ギルドの襲撃に当たって、騎士団はほぼ全員駆り出される。

そのため、私を屯所では保護できないのだそうだ。


ん、保護? 捕獲かな? まあ、どっちでもいい。


暗殺者ギルド行きたくなさすぎて、一回全力で逃げようとしてみたら、ジャンに速攻捕まった。


「逃げようとしたら同じことになるって、俺言ったよね?」


有言実行のできる有能な人材だな、ジャン!

褒めようとしてみたけど、その前にぐるんぐるんに縄で巻かれた。


それも特殊な捕縛方法で、普通の縄抜けじゃ抜けられなかった。


関節を数カ所外してみたりしたけど、それもだめ。うーん、すごい。

いったいどこでこの技術を学んだんだろう。

私にも教えて欲しい。


ネール高原までは徒歩で行くらしい。

そこまで遠くないから、大人の歩幅なら4時間くらいで着くだろう。

暗殺者ギルド本部を建てる時に、ギルドマスターが街から近い方がいい、とかごねたらしい。


「ついたっスね、あれか」

「どう攻めるゥ?」

「……殺す……」


え、この段階で作戦会議すんの? 事前にしておくもんじゃないの?

私の不安は、予想していなかった方に的中した。


騎士団長が剣を抜く。


「正面突破だ」

「うぅー!?」


無計画かーい!?

脳筋集団なのー!? 


私をその場にほっぽって、騎士団はギルド本部へと突っ込んでいった。

突っ込んでいったのは、騎士団全員じゃない。


私のそばには、騎士が2人いる。私の見張りというところだろう。

多分下っ端だな、こんな女児のお守りを頼まれるなんて。


かわいそう。

行かなくていいの? 君らも脳筋、血気盛んな若者じゃないの?


と、アイコンタクトを取ろうとしてみたら、下っ端騎士は私の頭を撫でた。


「心配しなくても、団長たちなら大丈夫さ」

「そうそう、あの人たち無敵だぜ」


い、いい人かよ。


「だから、心配しなくていいんだ。のんびり待とうな」

「おー。のんびり待ってるだけで給料発生するの、すげえ楽だな」


なんだそれ、超絶羨ましい。


一瞬浮かんだ感動が、すぐ嫉妬に変わった。

そうじゃなくて。


あーあ、私を一人にしてくれたら逃げれるんだけどな。


まあ縄は解けないんだけど、その辺で刃物なりなんなりを見つけてなんとかできるでしょ。




もう暗殺者ギルドとも騎士団とも縁を切ってどっか遠い場所に行きたいよ。






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