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勇者の行動

「おい!おま「あの、すいません!」

 ん、被った?

「なんだ若造!引っ込んでいろ!」 

「いいえ、引っ込みません。勇者様の処遇についての相談のはずが、自分たちの領地や権利のことの相談になっていますけど、大丈夫ですか?」

 ・・・沈黙と視線が痛い。おい、そこ!まだいたのかみたいな顔するな。


「これは申し訳ない、会議の内容が脱線しましたな。勇者一行様の処遇については出来るだけ希望に沿うようにしたいのですが・・・」

 随分と長い脱線だったな。

 希望ね・・・それじゃあ

「元の世界に帰らせてもらおう。もちろん出来るよな?そうじゃなかったら約束が違うぜ。」

 瞬間、世界が凍った。

 え?俺今、変なこと言った?

 さっきまでの喧騒が遠のきおそるおそるといった口振りでお偉いさんが口を開いた。

「元の世界・・・ですか?」

 最悪の予想が頭をよぎる。

「まさか帰れないとか・・・?」

 頷くお偉いさん。

 愕然・・・。開いた口が塞がらない。

「話が違う!この戦争が終わったら帰してくれるはずだろ!」

「帰したいのはやまやまなんですが、帰す方法が分からないのです。その・・・古代遺物ならできるかもしれませんが、私どもではどうすることもできないのです。」

 そっちがその気なら考えがある・・・!

「――――ればいいんだな」

「はい?」

「自分で探せばいいんだな!?」

 俺の突然の大きな声に驚くお偉いさん方

。いい気味だ。

「勇者としてでなく、ただのシノギとして帰還の方法を探す旅に出ることにする!異論は認めん!」

「また旅に出るの?!勇者様!」

「ゆっくり出来ると思ったんだけどな・・・」

 仕方なさそうに立つヴァイクとウィズ。ウィズは楽しそうだった・・・。

 コイツら、やっぱいいやつだ。だからこそ

「いや、俺のワガママに巻き込む訳にはいかねえ。お偉いさんからの褒美でゆっくり待ってろ。」

「でも・・・!」

「でもと言おうと俺は決めた。危ないことは出来るだけしないようにするから大丈夫だ。心配するな。」

 ウィズの横で眠そうなやつは放っといて大丈夫だろ。

「分かりました!」

 聖女の突然の大声にビックリした。さっきのお偉いさんに心のなかで謝罪しておこう。

「何が分かったんだ?」

「私は勇者様に付いていくことにします。」

はぁ、何も分かっていなかった・・・まぁ、いつものことだ。

「まず俺はもう勇者じゃない。そしてこの旅は強制じゃない、おれのワガママだ。だから付いてこなくていい。」

 ゆっくりかみ砕いて教えてやろう。

「お前は聖女だろ?人の役に立つのがお仕事だ。だからもう俺のことは気にせず仕事に励んでくれ。」

 頷く聖女。よし!これでわかったはずだ。

「分かりました!」

 そして、俺は会議場を後にした。

 さて、旅の準備しないとな・・・。

  

 

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