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すき
坂が近づいてくる。
まだ、まだ来ないで。
この坂が来たら…終わっちゃう
信号おねがい。赤にして。
止まって…
「あ、そうだ」
不意に綺麗な二重まぶたの目があたしを見つめる。眩しい…
「ななななにっ」
あたしの慌てように少しキョトンとしてから ふは、と小さく笑った。もー、なに。かわいすぎる
「近いうち三連休くるよね?」
「えあ、あ、うん!」
「それならさー…」
ドクドクッ、と心臓がはねる音がする。
「うち泊まらない?」
きた。きた、きたきたきたきた。
きてしまった。ついに。
これは、もしかしてちづ子ちゃんもあたしのこと好きなんじゃ。
期待してもいいってことなんじゃ。
「あたしのこと好」「友達とか呼ぶの夢だったんだよねー」
…え。友達
あ、そーか。
あたし、友達だった。
そりゃそーか。こんな感情持つわけないもんね。ふつうは…。