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坂道をこえるまで  作者: づしこ
空き地
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美沙の場合

人は子供のままではいられない。

そういう言葉を聞いたことがある。

だけど私はその言葉が嫌いだ。

子供のままでいたいと思うのはみんな同じだし、わざわざ大人になって何があるというのだ。

大人になんかなりたくない。

みんなずっとこのままでいられたらいいのに。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

安っぽい携帯のアラームで目が覚める。

この音に設定してからなぜかすんなりと目が覚めてしまうのは私が安っぽい女だからだろうか。

そんなことを考えながら布団から手を出し、やっとの思いでアラームを止める。

「んーっ....」

大きく伸びをすると、背中の骨がぱきぱきと不安になるくらい軽い音を鳴らす。

よし、起きよう。

布団から身を乗り出しカーテンを開けると、間明るい日差しが差し込む。

それを確認してから部屋から出て、階段をゆっくりゆっくりと降りる。

それから軽く身支度をして、台所に無造作においてある菓子パンをむんずと掴むと、顔も洗わずに靴を履き学校へ行く。

これがいつもの朝の流れだった。

外を出てしばらく行くと、生徒たちが皆眠そうな顔をして登校している。

その顔を見ていると自分まで眠くなってしまう。

「ふぁぁ....」とあくびの声を漏らす。と、

「あぇっ!!?」後ろからものすごい力で叩かれる。痛い。誰だ。

「みーさ!おっはよん」

「佳奈....」

彼女は濱野佳奈。高校で一番初めにできた友達だ。彼女はサバサバとした性格で女らしい面は見たことないが、一応髪は長く、綺麗にまとめて結んである。顔もあまり可愛いとは言えない類だが、そのへんもまとめて美沙と似ているので、二人の関係は昔から一緒に居るような仲だ。

「痛いじゃんもー」

美沙は少し膨れて叩かれた箇所をさすりながら上目遣いで佳奈を見る。

「がはっ、すっげーブス!」

....こんな奴なのだ。


そんな事をしていると、美沙たちの学校へと着く。

二人は同じクラスなので、靴箱も一緒だ。


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