俺が開けた扉。
(クソっ問題はそれだけじゃねーってのに)
色々考えたが、これ以上悩んでも仕方がない。
俺は半ば諦め気分で扉をあけた。
そこで待っていた光景は…ガチャガチャとしたクラスメイト達だ。
ガチャガチャしすぎていて扉の開いた音に気づき好奇心のまま顔を向ける者など一人もいやしない。
ま、それは俺にとってもいい事ではあるがな。
俺は真っ直ぐに自分の席がある窓側二列目の一番後ろへ行った。いや行きたかったが、それは叶わない。
だが、そんなものは予想の範囲内だ。
ここはC組、なせだか騒がしい者が多いC組である。
そこには当然の如く、クラスの中心人物なるものがいる。奴の名は…
「サイチューっまた、同クラだな」
「だな。また、よろ〜!」
サイチューである。………まぁ、お気付きの通りこれは奴の愛称である。
実際は最中 達央である。
最中だからサイチュー、なんて安直なんだろうか。
まぁ、今はその事は置いておこう。
問題は奴の名字だ。
ま行の最後である"も"から始まる最中に対して、俺の名字はや行の頭である"や"から始まる谷田部。
もう、わかっただろうか…俺の席が最中の後ろであることを。
全く持ってふざけた制度だ、名簿順というものは。
そういえば、中心人物の定義については触れなかったな。この定義にこそ俺が自席にいけない訳があるのだった。