俺とイケメン。
何でこうなったんだ。
電気ポッドでお湯を沸かしながら思考を巡らせる。
結局あのあと、美人は家に入れてあげた。
あの時は暗がりで美人としか認識してなかったが、明かりをつけて見てみると色々困った。
まず、服装。
西洋の王宮で見られるような騎士の服のような物をきていて、なんと剣を二本も持っていた。
俺が銃刀法違反で捕まったらどーすんだよ!と心配になったので、丁重に取り上げて(?)押入れにしまったが…
残念すぎる事が起きた。
服装なんかどうでもよくなるくらいに。
そう、この美人。
ーーー男でした。
明るみの中で見ても
整いすぎた顔立ちも通った鼻筋も小さな顔も切れ長の目も長い色素の薄いまつげも形の良い唇も海のようなきれいすぎる髪も、さっきとなんら変わらない。
が、身体は違う。
痩身ながらもしまった筋肉は服装の上からも十分にわかる。
さらに長身。俺とかわんないから180はある。
何より。襟元の空いた服から除く喉仏や鎖骨が、彼が男だと象徴してた。
声も、さっきとなんか違うし。
俺が美人と思い込んでたから、ビジョンでもかけられてたのか?
とにかくアレだ。
総称してイケメン。
つまり今の状況は、
人間離れした美貌を持つ男と俺の二人キリの空間。
さらに、今日このイケメンはここに泊まる。
が、俺の部屋にはベットが一つ。
一緒に寝る。
ーーーいくらイケメンだからって、俺はそっちの趣味ねーぞ!
俺の心の叫びを表すように、ヤカンが汽笛をならした。