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地球限定。  作者: 遊庵
2/5

俺と美人。


だりぃー。家帰るのめんどくせーなぁ…

そんな事を思いながら、俺「柳 源馬」はとぼとぼと駅から家の間を歩いてた。


一度も染めた事のない黒髪が夜闇に溶け込む。見よこのキューティクル…って見えないか。


駅から家までの道のりは、蛍光灯もないせいか異常に暗い。

多分、人がいても気づかないであろう。

そんな道を通れるのは、俺だからこそだ。

空手黒帯、全国大会優勝経験あり。剣道も同じく優勝したこともある。


…今やってねーけど。


昔の優越に浸りながら歩いてると、前方に人が見えた。


こう見えても視力はいい。

この暗い道を通れる理由だ。


「…え?」


思わず声が出てしまった。

向こうも驚いてるようだ。


無理もない。

その驚いた双眸から覗く瞳の色は、思わず見惚れてしまいそうな真紅。

人間離れした美貌に、海を思わせる髪色は毛先に向かってグラデーションがかっている。


ーーーこんなきれいな女(男?)を見て誰がおどろかずにいられるか。

そりゃ、声も出るだろ?


ーーーこっちみてるし。


ーーー話しかけてみようかな。

いやいや、誤解するなよ?決して声かけて仲良くなって美人とラブラ(以下略)フラグを立てようとか、そういうんじゃなくてね?


「ーーー貴殿」

「うぉおうっ?!」


いきなり話しかけられて変な声が出てしまった。


それもそうだ。話しかけてきてるのはあの美人。


ーーー変な喋り方する人だな。

でも間近でみても、やっぱ綺麗。


「おどろかせてしまったようだな。すまない。」

「あ、いえ…すいません。」


何で謝ってんだよ俺!

一人ツッコミをいれつつ、「俺に何の用ですか?」と聞いてみる。


美人は、バツが悪そうに「ぁー…それが、その…」としばらくしどろもどろしてたが、やがて


「…貴殿は…一人暮らしか?」

「え?」

「その、今夜は一人か?」


少し照れたように、美人は目線をあちこちに向けながら言った。


ーーーお。


「…今夜は…家に俺一人、です。」


ーーーまさか。


「…そうか。なら…今夜…」



「我を、貴殿の所に泊めてくれ」



ーーーフラグ立ったぁぁ?!!

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