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Lucky & Unlucky  ~アドベクシュ冒険譚~  作者: 暇犬
アドベクシュ冒険譚03章 ~騒乱の都市編~
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23 ザックス、彷徨う!

 薄く雲った空に仄かに明るい日差しが透けている。冬にしては良い天気だった。

 吹きつける風はまだ冷たいものの、道行く人々の顔には、希望の明るい色が浮かんでいる。

 解放の翌日から、自由都市連盟の荷馬車が大量の物資と共にこの街に乗り付け、広場の端々で新たな街づくりの為に住人たちの協力を呼び掛けていた。

 王宮が解放される事によって、街の至るところで頻発していた小競り合いは一時的にではあるが収束に向かい、人々は新たな未来への一歩を踏み出そうとしていた。新しい街のシステムが模索され、その場所で生きる人々の生活が大きく変わっていく中、いずれはその波に乗り切れずに過ぎ去った過去を懐かしみ、己の不平不満を荒事で解決しようとする者達も現れるだろう。

 だが、今はとりあえずの平和である。多くの人々が願い続けてようやく訪れた安寧の日々の中で、平凡な日常を享受すべく誰もがそんな夢を実現する為のスタートラインに就こうとしていた。


 そのような街の大通りを、ザックスは王宮へと向かうマリナの護衛の為にアルティナと3人で歩いていた。昨夜、新たな街の支配層によって催された凱旋の宴で存分に振舞われた酒が未だにうっすらと残っており、時折頭痛を覚える。

 《アテレスタ》解放の日――そう名付けられたあの日からすでに5日が経過していた。


 あの日、ザックス達に拘束されたホビットの少年は、人目につかないように神殿へと連行された。神殿の地下牢に入れられた彼は目覚めた後、冒険者協会本部の取り調べにも応ぜず、黙秘し続けていた。彼と話すべくこの街にしばらく残る事にしたザックスとアルティナは、つい先ほどマリナと共に、《ペネロペイヤ》に帰郷する為に《アテレスタ》から《ファンレイヤ》へと向かう自由都市連盟の隊商に同行するイリアとブルポンズを見送った。

「ごめんなさい。迷惑をかけてしまって……」

 そう言って頭を下げるイリアに、ザックスも又、多くの心配をかけた事を詫びた。わずか数日で神殿にやってくる人々の人気者となりつつあった彼女の見送りの列に押されて、二人の別れの時間は、ほんのわずかだった。

「《ペネロペイヤ》でまた会おう」

 ザックスの言葉に馬車の中のイリアは明るい笑みで答えた。あちらに戻れば、一連の軽率な行動に対する咎めを受ける事になるのだろうが、そんな重苦しい問題は、きっと彼女の護衛を兼ねて《ペネロペイヤ》に共に帰郷するブルポンズ達が吹き飛ばしてくれるはずである。願わくば、悪影響を受けないでほしいものだが……。


 大通りを歩く3人の周囲は行き交う人々の活気で満ち溢れている。この街に来た時とは全く異なる空気が支配する事にザックスは驚いていた。それまでの殺伐とした空気がさっぱりと消えてしまった街の様子を確かめながら、先を行くマリナの後を二人は追う。

「私もこうしてのびのびとした気分でこの街を歩くのは、初めての事です」

 まだ冷たい冬の空気に僅かに赤く頬をそめて、マリナは気持ちよさそうに周囲を見回す。神殿巫女である彼女に対して行き交う信者たちが神殿礼をする。会釈で略礼を返すマリナの後ろに立っているエルフ娘にぎょっとする姿は、もはやすっかり見慣れた光景だった。冷たくも清々しい空気に満ちた通りをしっかりとした足取りで歩くマリナは、行き交う人々の様子に目をやりながらぽつりと呟いた。

「確かにジル達のように一部では酷い現実がある一方で、もともと何世代にも渡って伝統ある街に暮らす人々の横のつながりは、人の出入りの激しい自由都市よりも強いのです。苦しい中でも助け合う、そんな民度の高さがこの街を決定的な破滅の未来から救ったともいえるのです」

「そんな人達もいたなんて、気付かなかったな」

「当たり前にあるものほど気付かぬもの。ふふっ、確かいつかのザックスさんの言葉でしたね」

「そうだったかな……。けど、自由都市になったらそういうのはなくなるんじゃないのか?」

「いつかはそうなるのかもしれません。ただ自由都市連盟の方々がこの街に目を付けたのは、決してお金や数字で測れぬ人々のつながりから生まれる民度の高さが、大きな理由の一つである事は間違いありません。この街を中心にして周辺の村々や貴族の自治領と新たな関係を築く事で、新しい人と物の流れを作り、その中で人々は次の暮らしを模索していくのでしょう」

 マリナの言葉がザックスの胸に響く。

『人の世にはどんなに時代が変わっても決して変えてはならぬ物がある、それを疎かにしてしまえば、こうなってしまう』

 神殿の施術院でそのような言葉をザックスに向けた老婆の顔が思い浮かぶ。変わりゆく街で年老いていくだけの己のみを頑なに頼みとする彼らは、どうやって生きてゆくのだろうか?


 解放された街の空気を満喫しているのは大人たちだけではない。路地裏には数人の子供たちが集まって、戦ごっこに興じている。

「じゃあ、ボクがカイホーグンのえいゆうやくだ」

「ズルイよ、きのうもそうだったじゃないか。きょうはボクのばんだぞ、オマエはわるいヨーヘーやくだ」

「ヤダよ、そんなの、カッコわるい」

 冷たい空気の中で子供達が元気に集う姿も又、この街では初めて見る光景だった。ふと、はるか遠くの故郷の景色を思い出す。どんな場所であれ、子供たちが生き生きと遊ぶ姿には、ほほえましさと同時に未来への希望が感じられる。大人たちの都合に縛られて人形のような目で日々をすごす子供がいる都市には、それらは存在しえない。

「それにしても解放軍だとか傭兵だとか、ずいぶんと物騒な言葉を知ってるんだな……」

「あら、知らなかったのですか? ザックスさん。あなたは今や、この街の子供達を病の災厄から救い、街を解放に導いた英雄なのですよ」

「そ、そうなのか」

 マリナの言葉にザックスの顔が思わず赤くなる。

「すごいじゃない、ザックス。そんな人が相棒だなんて私も鼻が高いわ!」

 アルティナの冷やかしに照れたザックスは、咳払いをしてごまかした。

 ようやく話がついたのだろう。そんな3人の目の前で、役割分担を終えた子供たちが周囲に散らばっていく。

 英雄役に決まった一人の少年が塀の上に立って、剣を模した棒きれを振りあげていた。

「このまちでアクギャクヒドウのかぎりをつくすヨーヘーダンめ! いまここでセーギのテッツイをくだしてやる! われこそはカイホーグンのえいゆう……」

 わずかにタメを作る。子供ながら実に憎い演出である。

 周囲の子供たちだけでなく道を行く人々までもが、塀の上に立つ少年の次の言葉を待っている。そんな彼らの期待の視線を一身に受け、少年は胸を張って高らかに『名乗り』を上げた。

「センコーのぼうけんしゃ、ソックスだ!」

 瞬間、ザックスの目が点になる。背後に立つ二人が小さく噴き出した。

 ギギギ、と首だけを向けて振り返ったザックスの背後には、二人の美女が笑いをこらえる姿がある。

(あれって、オレの事か……?)

 人差し指で自身を指さすザックスに、苦しそうにマリナが頷いた。

「ま、まあ、よくあることですわ……。ソックスさん」

 さらにアルティナが被せた。

「そ、そうよ、たかが子供の言う事なんだから、お、怒っちゃダメよ、ソックス」

「お前ら、本気で面白がってるだろ……」

 ジト目のザックスの眼前で、二人の美女は涙を浮かべて笑いをこらえている。

 と、一人の女の子が急に泣き出した。

「どうしたんだよ」

 心配げに駆け寄った子供達の間で、女の子は泣きながら切実に訴える。

「あたし、ゴールド・サンはやだ! シルバー・ムーンがいい」

「ダメだよ、もうきまったんだから、かってなこといったら……」

「だって、ママがいったんだもん。あんなかっこうしてると、おムコがこなくなりますよって」

 その言葉に今度は、ザックスが噴き出した。時として子供の言葉は、無邪気で残酷なものだ。

「ちょ、ちょっと。それってどういう……」

 子供達のもとに押しかけようとするアルティナを羽交い絞めにしながら、ザックスは彼女に言う。

「まあまあ、押さえて、押さえて。たかが子供の言う事なんだから、怒っちゃ駄目だぜ、ゴールド・サン」

 攻守の入れ替わった二人の姿に、マリナはとうとう腹を抱えて道端に座り込んでいる。

『常に優雅たれ』を信条とする神殿巫女が小さく肩を震わせるその姿に呆れつつ、ザックスは憤慨するエルフ娘を引きずりながらその場を離れた。

「カッコ良く決まってたじゃない。どうして、いけないのよ?」

 首をかしげるエルフ娘の言葉に頭痛を覚えながら、再び歩き出す。先々の事を考えると、やはりパーティ編成の見直しは急務であろう。

 先を歩く二人の後を、目じりに僅かな涙を浮かべつつ神殿巫女の顔をどうにか取り戻したマリナが追う。各々のもつ特殊な要素によって人目を引く3人は、少しだけ暖かさをふりまく陽光に輝く王宮へと向かう道を軽やかに歩むのだった。



 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆



 国王暗殺事件によって国の混乱が始まって以来、長きにわたって固く閉ざされていた王宮の正門は、大きく開放され、壮麗な建築様式の王宮の姿が高い塀の向こうにそびえ立っている。

 主を永遠に失う事で、かつての栄光ある姿を再び堂々と街の人々の前にあらわすこととなったのは皮肉だった。

 衛兵たちが敬礼と共に3人を出迎えた正門を抜けようとしたその時、大げさな身振りで彼女達に近づく一人の壮年の男の姿が現れた。

「おお、マリナ殿、よくいらっしゃいました」

 でっぷりと肥えた身体を瀟洒な衣服で包み、血色のよい顔に満面の笑みを浮かべるその男は、僅か数日前までこの王宮の官吏だった。時代の流れを読み切り、いち早く自由都市連盟の者達と手を組んで同僚たちを追い落とし、王宮無血解放の立役者となったその功績により、彼は自由都市となる新たな《アテレスタ》の執政官席の一つを確約されている。

 彼が《鉄機人》に襲われた際に負ったさほど大きくもない怪我にマリナが治癒を施した事に対して恩義を感じたらしく、この度のマリナのとある頼み事を快く引き受けてくれたらしい。

「悪い人ではないのですがね……」

 ザックスの耳元で小さく囁いてクスリと笑うと、彼女は男と話し始めた。

 マリナの残した仄かな甘い香りに僅かに顔を赤らめたザックスの足を、アルティナが軽く踏みつける。

「何すんだよ!」

「別に!」

 小声のやり取りの後でプクリと膨れるエルフ娘の姿にため息が一つ……。

 そんな二人の姿を尻目にマリナと話し終えた男は、抜け目ない様子で、解放軍として活躍したザックスとエルフのアルティナにも丁寧な挨拶をして、3人を先導する。自身に向けられた全く隙のない笑顔に思わず身震いしながら、ザックスは二人と共に男の後に続いた。

「こちらがそうです」

 案内されたのは重厚な建築様式の建物だった。壁一面を覆うツタすらもがその建物を飾る装飾の一部となって長い年月の重みを感じさせる。

「こちらをお持ちになってください」

 言葉と共にマリナに手渡されたのは、まだ造られて間もない事が分かる色合いの合い鍵だった。何らかの魔法の品であるらしく、見慣れぬ模様が彫り込まれている。

「これは?」

「私もマリナ殿も何かと忙しい身。いつもこうしてお迎え出来る訳ではありません。衛兵たちには話を通しておきますので、いつでも自由にこちらをご利用ください」

 その言葉にマリナは小さく驚いた。微笑を浮かべながら男は続けた。

「大したことではありません。知識とは時に己の剣や盾となり、そしてその身を滅ぼす毒薬ともなります。それを得る者に相応しい器がなければ、星の数にも等しい知識を得たところで、その者の人生と周囲に不幸と混乱を生み出すだけの事。マリナ殿にはそれを御するだけの器がある、だからこそこれをお渡しするのです」

 どこかねっとりとした空気をふりまく男の言葉は続く。

「そうそう、後一点だけ……。願わくば、この中でお気づきになられるであろう事柄について、見て見ぬふりをしていただければそれで結構です」

 血色の好い顔に満面の笑みを張り付けて男は傍らに立つザックスに握手を求めた。汗ばんだ手のひらのじっとりと滑るような感触に嫌悪感を覚えながらも、ザックスはしっかりとその手を握り返す。なんとなく汚物を握らされたような感覚をそっと切り離して、ぎこちない笑みを浮かべて男と視線を合わせる。自身とは全く違う世界に暮らす者のその表情に、あまり関わりたくはないな、というのが本音である。

 立ち去ってゆく男の背が小さくなってゆくのを確認して、ザックスは握手した手を己の服にこすりつけてその感触をぬぐい去る。

「気色の悪いおっさんだな。そっちの趣味があるんじゃないのか」

 背筋をぞくりと震わせるザックスに、意外な答えが返る。

「違うわよ。あの人は貴方の器を見定めてたのよ」

「へっ? なんでだよ?」

 背後に立つアルティナの言葉に、振り返ったザックスは疑問を述べる。

「さっき、神殿巫女さんが言ったでしょう。貴方はこの街を解放した英雄だって。事実はどうあれこの街でそう認識されてる貴方の人となりは、この街の主導権を握ろうとする人たちの興味の対象でしょう。いくさ馬鹿の御しやすい人間なら手なずけて利用しよう、そんなところね」

 表情を変えずに言うアルティナの顔をマジマジとザックスは見つめる。そんな彼の視線にアルティナは赤面する。

「な、何よ……!」

「いや、いつになく真面目な顔で、説得力のある事を言うから驚いた……」

「う、うるさいわね……。ああいう人たちの考えることなんて、どこでも大抵似たようなものだから……。分かるのよ……なんとなくね」

 御転婆エルフと名を馳せ始めた彼女も、故郷の里では『姫君』と呼ばれる立場にある。幼い時からそんな者達の視線にさらされて育った彼女であるからこその意見であろう。

「いつもそんな風だったらいいのに……」

「どういう意味よ!」

「ふふっ、お二人とも、じゃれ合うのはそれぐらいにして、そろそろ参りましょう」

 睨み合う二人をたしなめるように声をかけたマリナが先を行く。ふと、足を止めた彼女は振り返ると悪戯っぽい笑みを口元に浮かべた。

「ああ、そうそう、ザックスさん。あの方は男女どちらでもいける口らしいですわ。ご自宅の御屋敷には幾人もの稚児や男衆を侍らせて身の周りの世話を競わせているんだとか……。ああいった方々の倒錯した御趣味の世界は、なかなか深いものらしいですから……」

「えっ……」

 その言葉に呆然と立ち尽くす。

「ご愁傷様……」

『イーッ』と顔を歪めたアルティナがマリナの後を追う。

 これも悪運度の賜物なのだろうか。速やかに先ほどの出会いの記憶を脳裏から消し去る事を固く誓い、ザックスは慌てて二人の後を追ったのだった。



 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆



 錆かけた重い鉄扉を開く。一度動き出すとあっさりと開いてしまうその扉の向こうには、長い歴史の中で積み上げられた叡智の結晶の詰まった書棚が無数に存在する。《王国大書庫》とよばれるその場所には、ザックス達の他には一切の人影は見当たらない。

「意外と不用心なんだな……」

 おそるおそる中に入ったザックスは、物珍しそうに周囲の様子を探る。受付カウンターにうっすらと積もった埃を指で撫でたアルティナがぽつりと呟いた。

「人の出入りは少なかったみたいね……」

 魔法調金が施された鍵によって施錠されていたものの、それ以外には特別な仕掛けは見当たらない。

「ここは王宮内ですから、おそらく周囲の警備兵だけで十分だったのでしょう……」

 懐から取り出した眼鏡をかけて書棚の書物を物色しながら、マリナが言った。調べ物の際には度のないそれをつけると集中できるのだ、というのが彼女の言である。

 見覚えのあるその眼鏡姿に、二度に渡って受けた彼女の特別講義を思い出したザックスの頬が僅かに引きつった。二人にそっと背を向けると、何気なく棚の書物に手を伸ばす。質の悪い紙片を大雑把に綴じたその内容はザックスには到底理解しがたいものであり、ぱらぱらとめくるとそっと閉じて元の場所に戻す。

 ふと眼をやれば、マリナはその手に幾冊もの書物を手にしたまま、さらに何やら熱心に物色している。アルティナまでもがその整った眉を僅かに寄せて、手に取った書物を物珍し気に目を通している。

 ――どうやらここは己に縁のない場所であるらしい。

 そう理解したザックスは昼寝の場所を探すべく周囲を見回した。書棚の影にあった長椅子に横になろうとした彼の姿をマリナが見咎める。

「あらあら、ザックスさん、まさかこんな場所に来て、御昼寝をなさろう……、などと考えていらっしゃるのではないでしょうね」

「いや、まったくそのつもりなんだが……」

 ザックスの返事に、二人の美女の冷たい視線が投げかけられた。

「別にいいだろ。この場所には俺に必要な物はない。だったらいざという時に備えて身体を休めるというのが賢い選択ってものだ!」

 二日酔い気味の頭に独特のカビ臭さが充満するこの場所は、少々辛いというのが本音である。そんなザックスの返事にアルティナが呆れた様子で溜息混じりに呟いた。

「ザックス……、剣の腕ばかりじゃなくて、たまには頭の中も鍛えないと、後で悔やむわよ」

「そうですわね。大切な妹分の将来の伴侶として、多少なりとも知性の光を持っていただかないと、いずれあの娘が苦労いたしますわ……」

 容赦のない美女たちの言葉がザックスの頭上に降り注ぐ。

「うるせえな……。俺は身体を動かしてる方が性に合ってるんだよ」

 二人に抗議するかの如く、その場で素振りをしようと腰の《ミスリルセイバー》に手を掛けたザックスだったが、あっさり背後からマリナに歩み寄られ、気付けば彼女が抱えていた書物の山を預かっていた。

「その有り余る体力、少々御役立て下さいな」

有無を言わさずに書物の山を押し付けられたザックスは、かくして彼女の荷物持ちと化し、広大な書庫の中を彷徨うこととなったのである。




2012/10/20 初稿




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