第七話 運営
◈◈◈◈◈◈◈(運営の部屋)
「ねえねえ、バナナになったプレイヤーいるよ!」
「あの!キャラクリで、髪の色、目の色を黄色にして、なおかつチュートリアルでバナナの皮に滑って転ばないといけないやつ。」
「くっそ悪運強くないとなれないやつじゃん。」
「あれ、自分を動かせる魔法を取っていないと、何もできない種族…?ですよね。」
「しかも、バナナから進化しても、バナナの木が進化先だからね。」
「うっわ、何その鬼畜種族。誰が提案したの?」
「あ、おれ!だって、生き物はいるのに、植物とか物とかは、種族、ないじゃん!」
「それで実装したの…?」
「ちょうどバナナ食べたい気分だったから。」
「よくその案通ったね。」
「まあ、結構渋い顔されたけど。」
「すいません、あの、問い合わせで、バグでバナナになっているんですけど、って来たんですけど、バグですよね?」
「あ、それ、仕様。言っといて。」
「へ?」
「仕様」
「へ?」
「だから、仕様だって。」
「このバカ運営、やらかすと思ったらやらかしたか…。わかりました、伝えておきます。」
「ありがと~!」
「あ、魔力切れ起きてる。運営の権限つかっちゃお。」
これ以降、なのはは、運営に目をつけられて、おもちゃにされるのであった―――。
◈◈◈◈◈◈◈
「それで、お姉ちゃん、どうなったの?私の、お姉ちゃんやらかしメーターが反応している。」
「…何そのメーター?」
ログアウトしてリビングに行くと、やよいがいた。
まあ、当たり前のことではあるんだけれども。
「わかんない。けど、絶対にお姉ちゃん、面白いことやらかしている。」
「分かんないのか。まあ、やらかしたけども、不可抗力よ!私は何もしていない!」
「真昼がやらかすのはいつものことでしょう?」
そうだけど、そうじゃない!勝手に問題が、向こうから歩いてくるの!
…何言っているのかわかんないって?私もわかんない。
「違うの!毎回、問題が向こうから歩いてくるの!理解して!」
だから、そういう、残念な人を見るような目は、やめてえ!
「理解できない。」
「まあ、真昼だからね。」
納得いかない。
「で?お姉ちゃん、何したの?白状しなさい。」
「ヤダ」
「お姉ちゃん?じゃあ、お姉ちゃんの友達のゆあちゃんに、あなたの悪運のこと言いつけるからね?」
「あ、はい。言います。やめろください。」
ゆあには、悪運のこと、ばれたくないのに…。
え?だって、絶対に、やよいとか、お母さんみたいになっちゃう未来が思い浮かぶから。
「はい、じゃあ、言ってください。」
「あの、バナナから、進化ができたの。」
「おお!やったじゃん!」
やったじゃないのよ?バナナの木だからね?進化先。
「まあ、やよい、真昼のことだから、進化してもロクなことにならなかったのよ。」
「お姉ちゃん、なにに進化したの?」
言いたくない…。この人たち、絶対笑い転げるでしょ。
「お姉ちゃん?早く?」
「え~!」
渋ってたら、やよいが自分のスマホを取り出して…
「ゆあちゃんの連絡先は、っと♪」
「あ、わかりました。話します。だからやめて!今すぐに止めて!」
ほ。やっとしまってくれた。
「最初から言えばよかったんだよ?」
「はい。すみません。」
「で?進化先は?」
って、もうお母さん爆笑しているし。
よし、もうあきらめて、言うしかないか。
「バナナの木。それ以外、選択肢がなかったの。」
「バナナの木…?」
「うん。」
ちょっとやよいとお母さんが固まったけれど、理解した瞬間、爆笑した。
「ちょっと!笑わないでよ!こっちは真剣なの!」
「あははは!ちょっ…と….……おな....か痛い!」
「息…できなっ…!」
まったく、この二人はいつもこうなんだから。ひどい。
「……やっと二人とも落ち着いた。」
五分くらい笑い転げていたよ。疲れた。
「ほんっとうに失礼だよね? 二人とも。」
「だって、お姉ちゃんだよ?笑わずにいられるわけがない。」
…っく、言い返せない!というか、お母さん、うんうん、ってうなずかないで!
「でもさ、木ってことは、動けないの?」
「動けないよ!その代わりに、食べ物として襲われなくなったけど。」
だから、プラマイゼロだよ。まったく、二人はこっちの事情を少しも知らないんだから。
「え?ってことは、バナナの時は、襲われてたの?」
うそでしょ?逆に、襲われないって思ってたの?
「…襲われてたよ!《気配遮断》ってスキルもゲットしたけど、食べ物は適用外だって書いてあるんだもん。」
「あ、バナナって食べ物だったわ。」
「そうね。そう思うと、真昼ってほんと悪運強いわよね。」
ふん、っだ。私が一番わかってるわ。
…なんで残念そうな目で見るの!やめて!
「まあ、動けなくても、《バナナ・クリエイト》ってスキルで、バナナ生み出して、乗り移ることができるから。」
「スキル名、ダサくない?」
……仕方なくない?
運営に言ってください。
「やよい、真昼が、運営に言え、って考えているわよ?」
「「…なんでわかるの?」」
おお、やよいと声がそろった。結構珍しい。
「…だてにお母さんをやっていないからね。」
「「確かに。」」
…わたしとやよいって双子だっけ?姉妹だから似てるのかも。
「じゃ、私はゲームしてくるね。」
「あ、じゃあ私も。お姉ちゃん、待って!」
ということで、レッツ・スタート・プレイング!




