第四話 スキルレベル
ゆあの名前も、漢字出てこないので、ひらがなで行きます。
「お姉ちゃん、どう? 木の上、乗れた?」
ログアウト後、やよいが聞いてくる。
あの後も魔力を使い切ってはデスポーンを繰り返していた。
魔力は……たぶん、結構増えたんじゃないかな?
「乗れたけども……魔物にまた食べられた。」
だってさ。
ウィンドカッターだよ?
しかも「魔物を切り刻む」イメージまでしっかりして放ったんだよ?
なのに、かすり傷ひとつつかないって、難易度おかしくない?
「また? 懲りないねえ。魔法使えるんだから、倒しちゃえばいいのに。」
「私、もうレベル10よ。」
……こいつら、私の状況をまったく理解していない。
「まず、魔法を使ってもかすり傷がつかない。
何もできないから経験値が増えない。
つまり、レベルも上がらない。」
私はほほ笑みながら、
丁寧に説明してあげた。
なのに。
お母さんもやよいも、かわいそうなものを見るような目でこっちを見る。
なんで? ひどくない?
「頑張ってね。応援してるよ、お姉ちゃん。」
それだけ言い残して、やよいは学校に行ってしまった。
◈◈◈◈◈◈◈
「真昼! おはよう。」
「ゆあ、おはよう。」
教室には、もうゆあが来ていた。
「真昼、どう? シルオン。」
「まあ……ぼちぼちかな。」
いや、
「実はバナナです」なんて言えるわけないじゃん。
こんな感じで、いつも適当にぼかしている。
「う~。早く真昼と遊びたいよお。」
「だからまだダメだって。強くなってから。」
「そんなあ。」
毎回断ってるんだけど、
この残念そうで、ちょっと悲しそうな顔を見ると、
私の心にも地味にダメージが入る。
……運営!
ノリでこんなネタキャラ設定、するんじゃない!
◈◈◈◈◈◈◈
そんなこんなで、今日もログインしました。
そして、いつも通り――バナナのまま。
どうやら、普通に魔法を撃ってもどうにもならないらしい。
だから方針変更。
魔力操作と風魔法でひたすら浮かび続けて、スキルレベルと魔力量を上げることにする。
魔物に食べられる?
もうあきらめた。
私ひとりでどうにかできる問題じゃないし、この周辺だけ難易度おかしい。絶対おかしい。
ピロリン♪
【《風魔法Lv.4》がレベルアップしたよ。頑張ってるねえ。】
……あ。
そういえば、風魔法と魔力操作のレベル、結構上がってたんだっけ。
地味にうれしい。ほんとに地味だけど。
それにしても、このメッセージのノリは相変わらずだ。
……運営、ほんとに大丈夫?
暇人ばっかりなの?
まあ、いいや。
よし。《風魔法Lv.5》の威力、試すぞ!
おー!
……結果。
かすり傷すら、与えられない。
いや、おかしくない?
せめて、かすり傷でいいから!
スキルレベル、どこまで上げればダメージ通るの!?
そんな愚痴をこぼしつつ、魔力操作の練習も続けている。
だいぶ慣れてきたので、今は魔力の具現化を試しているところだ。
なんか本に、これが難しいって書いてあったし。
……あ、ラノベだよ?もちろん。
私が、物語以外の本を読むわけないでしょーが。
あとは、魔力を抑える練習も。
まあ、食べ物扱いだから意味ないけどな!
ピロリン♪
【スキル《気配遮断Lv.1》を獲得したよ!
先に伝えとくね!食べ物には適用されないよ!】
……意味ないじゃん。
いや、わかってたけどさ。
多分今、私、完全にあきらめの表情してると思う。
《気配遮断Lv.1》
任意で気配を薄くすることができる。
カンストすると、完全に気配を消せる。
(※食べ物扱いの場合、本効果は適用されません)
おお。
これは、後で役に立ちそう。
――食べ物じゃなくなれたら、だけど。
今のところ、その可能性はかなり低い。
まあ、一応ね。
意味ないけど(※三回目)、スキルは常時発動にしておこう。
放っておけば、そのうちスキルレベルも上がるでしょ。
ピロリン♪
【《魔力操作Lv.3》のスキルレベルが上がったよ!おめでとう!
風魔法か、魔力操作のスキルレベルが最低でも30に行かないと、ここの魔物は倒せないよ!頑張ってね☆】
最後!
あおるな!
ふざけんな!
はい、毎回恒例になってきました、私のツッコミです。
いや、私、体力無限じゃないからね?疲れるの。
バナナだけど、中の人は人間なの。おもちゃじゃないの。
というか、やっぱりこの周辺、おかしかったんだ。
じゃあ、もう無駄に魔法を放つのはやめよう。
風魔法と魔力操作、両方のスキルレベルを30にする。
それが、今のところの目標だ!
――
プレイヤー名:なのは
レベル:1
経験値:0 / 100
所持金:0
HP:100 / 100
MP:1500 / 1500
攻撃力:30
防御力:30
敏捷性:30
ステータスポイント:0
スキル:
《風魔法 Lv.5》
《植物魔法 Lv.1》
《MP自然回復・小》
《HP自然回復・小》
《片手剣 Lv.1》
《瞑想》
《気配遮断 Lv.1》
《魔力操作 Lv.4》
称号:
《チュートリアル未満》
《デスループの住人》
《魔物断ち》
――
これが、私の今のステータス。
風魔法と魔力操作を、重点的に頑張る!
六倍以上だよ?先、長すぎない?
あ、あとで植物魔法も試さないと。
やることいっぱいだあ。
早く、食べ物から抜け出したい……。
まあ、コツコツやっていけば、大丈夫でしょ。
……フラグじゃないよね?
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ずっとバナナのままではない…ので!




