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この団地、女子高生に自治会長を任せるって正気なの!?  作者: shizupia


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第84話『無断バイト』

5月の連休前。

いのりが初めて自治会活動費を受け取ったあとの回です。

高校生として「お金をもらう」ことの責任や戸惑いを描いています。

真面目な子ほど、こうした場面で悩むものですよね。

いのりの無垢さが光るお話です。

5月のはじめ、連休直前の日。

団地の集会所で、いのりは会計担当から茶封筒を手渡された。

中身は四月分の自治会活動費。


「……これが、活動費」


封筒の中に並ぶ紙幣を見た瞬間、いのりは息を呑んだ。

そこまでの大金ではない。

けれど女子高生のお小遣いとして考えれば、十分すぎる額だった。

思わず頬が緩む。


(すごい……本当にお金もらっちゃった……!)


家に帰ってからも、何度も机の引き出しを開けては封筒をのぞき込む。

お札に描かれた偉人の顔をちらりと確認しては、にやけて閉じる。

また気になってすぐに開け、手に取り、ふふっと笑ってしまう。

まるで宝物を抱え込んでいるみたいだった。


母のきよのは「自分のお小遣いとして使っていいのよ」と優しく言ってくれた。

父も


「好きなことに使いなさい。いのりが頑張った証だから」


と背中を押してくれた。

だから、いのりは封筒を大切に机の奥へしまった。

自分のために使っていい、そう言われたことで、心から浮き立つ気持ちになっていた。


けれど、その嬉しさの影には、小さなひっかかりもあった。

私は学校に何も報告していない。


そもそも、いのりが自治会長に選ばれたのは四月一日の誕生日。

団地の大人たちに


「若い力が必要だ」


と押し上げられ、断る間もなく推薦されてしまった。

拍手と笑顔の中で気づけば自治会長になっていたのは、ほとんど不可抗力だった。

そのことを学校で打ち明けたことは一度もない。

知っているのは、親友のあずさと楓だけ。

二人とも


「わざわざ言う必要ないよね」


と黙っていてくれる。

だから、言論部で机を並べる星詩帆ですら何も知らない。


そんな矢先、担任がホームルームで告げた。


「最近、無断でアルバイトをしていた生徒がいます。学校に申請を出さずに働いていたので、きちんと指導をしました」


教室に走るざわめき。

雛川シーサイド學院では、バイト自体は禁止ではない。

ただし申請が必要で、勤務先の選定や学業への支障がないことなど、いくつかの条件がある。

いのりは赤点もなく、学業もそれなりにこなしている。

けれど自治会から活動費をもらったことで、心の中に


「お金を無断でもらっている」


という負い目が芽生えていた。


「……私も、学校に言わなきゃいけないのかな」


最初は嬉しくて、ニヤニヤが止まらなかった。

けれど「無断バイト」の話が出た今、そのお金が妙に重たく感じられる。

不安を胸に抱えたまま、いのりの放課後は静かに始まった。


---


放課後の言論部。

窓から差し込む夕陽が机の上を赤く染め、部室にはのんびりとした空気が流れていた。

詩帆は雑誌を読み、あずさと楓はお菓子を分け合って笑い合っている。

和服姿の福地は団子を頬張りながら、顎の肉をタプタプ揺らして汗で眼鏡を曇らせていた。

そんな光景の中、いのりは胸に溜め込んできた思いをようやく口にした。


「福地先生……実は私、学校にまだ言ってないことがあるんです」


「え、なに?」


あずさが首を傾げ、楓も不思議そうに顔をのぞき込む。


いのりは小さく息を吸い込み、言葉を続けた。


「私……団地で自治会長をやっていて。この前、初めて活動費をいただいたんです」


「え!?」


詩帆が雑誌を机に叩きつけ、瞳を輝かせる。


「いのり先輩……これは新たな事件に発展する予感……!」


「そんなこと言わないの!」


あずさが即座にツッコミを入れる。

楓も


「詩帆、落ち着いて」


と肩をすくめた。

いのりは赤くなりながら言葉を重ねる。


「親からはお小遣いとして使っていいって言われたんですけど……。無断バイトの話を聞いたら、なんだか心配になってきて…」


あずさは机を叩いて声を張る。


「ちょっと!それは無断バイトなんかと全然違うから!」


楓もうなずき、優しい声で続ける。


「そうだよ。団地のみんなのために頑張ってるんだから。活動費だって正当なものだよ」


二人の言葉に、いのりの胸はじんわりと温かくなった。

そこへ、団子を飲み込んだ福地が顎をタプタプ揺らしてニヤリと笑う。


「ふむふむ。青春友情劇場を僕ちゃんに見せてくれるのねん?おっけー!素敵な友情で僕ちゃんも幸せ気分だよん」


そして、汗をぬぐいながら扇子をパタパタ振って続けた。


「正直ね、無断バイトなんて僕ちゃん的にはどうでもいいんだよん。もちろん危ない仕事はダメだけど、何事も人生経験よん」


そう言うと、指を折りながら得意げに語り出した。


「僕ちゃんも学生のころは結構危ないバイトしたの。ピンサロのボーイやってた時なんか、警察が突然ガサ入れしてきてさ。店長も女の子もお客さんもみーんな捕まっちゃったことがあってねん。僕ちゃん?たまたま非番だったから助かったけど。でも、そのままお店が廃業しちゃってさ。なんだかんだ一番楽しいバイトだったから残念無念!」


部室の空気が止まる。


「それからパン工場!ひたすらアンパンにごまを振るだけのライン作業で、夢にまでごまが降ってきて精神崩壊寸前!連勤と単純作業で寝ぼけたパートのおばちゃんが生地をこねる機械に挟まれて腕を切断したときは大問題になって焦ったよん。」


福地が思い出しながらハンカチで汗をぬぐう。


「極めつけはカラオケのバイト! 酔っぱらいのお客さんがゲロぶちまけてね、それを掃除してたらノロウイルスもらっちゃってさ。三日三晩トイレ地獄よん」


「うわぁ……」


詩帆が顔をしかめ、楓も引き気味にため息をつく。

あずさは


「汚い話やめて!」


と半分笑いながら突っ込んだ。

福地は団子の串を机に置き、扇子で汗をあおぎながら顎をタプタプ揺らした。


「でねん……僕ちゃん、まだまだヤバいバイトやったことあるのよん」


いのりが不安そうに首をかしげる。


「ま、まだ何かあるんですか……?」


福地は胸を張り、妙に得意げな顔になった。


「例えば文亰ビッグエッグでコンサートの警備員!しかもアリーナ最前列担当だったのよん」


「わぁ、いいじゃないですか!目の前でアーティストが見えるし」


といのりが目を輝かせる。

だが福地は扇子でピシャリと机を叩いた。


「ノンノン!いのりん甘いよん!警備員はステージを見ちゃいけないルールなのよん!僕ちゃんはステージに背を向けて、ひたすら盛り上がる観客を押し返す係!」


「えぇぇぇ……!」


いのりの顔が絶望に染まる。


「背中で爆音の音楽を感じながら、真正面では汗だくのファンが波のように押し寄せる!あれは地獄よん!」


「あの……それって、修行みたいですね……」


いのりは苦笑した。


「修行どころか拷問!」


とあずさが突っ込み、楓は呆れ顔で


「先生、なんでそんなのばっか選ぶんですか」


と肩をすくめた。

福地は今度は指を一本立てて、ぐいっと眼鏡を押し上げる。


「そんで銀行の金庫番もヤバかったよん!なんか響きはカッコいいでしょ?でも実際は……ただ誰も来ない金庫の前で立ってるだけ!」


「え、それなら楽そうじゃないですか」


いのりは小首をかしげる。


「あんなの楽どころか精神崩壊よん!時間の流れが遅すぎるの。防犯カメラが常に僕ちゃんを見てるから、居眠りもできないし本も読めない。時計の秒針だけがカチカチ鳴る中、誰も通らない廊下の奥で何時間も金庫とにらめっこ。たまに金庫内へ運び込まれる現金の山を見るだけが気分転換なの」


「……」


一同、沈黙。


「交代の人が遅刻した時なんて、さらに数時間延長!帰る頃にはね、人間が全部札束に見えてきたのよん」


「怖っ!!」


あずさが思わず声を上げ、楓は


「先生って……ほんと忍耐強いですね」


とため息をついた。

詩帆だけが目を輝かせ、


「金庫番で狂っていく先生……これは小説にできます!」


と手帳にメモを取っていた。

福地は少し声を落とし、妙に真面目な顔になる。


「あと新薬の治験バイトもヤバかったねん。僕ちゃん、開発中の薬を飲んで寝てるだけでお金もらえるって聞いて“わーい楽ちん”って思ったのよん」


「ち、治験……?」


いのりがごくりと息を飲む。


「僕ちゃんは何ともなかったけど。同じ病棟にいた入院治験バイトのおじさんが、全身真っ青になって薬疹まみれ!さらには痙攣して泡吹いちゃったのよん。医者たちがすぐ駆け込んできてさ……もう修羅場!その後、どうなったのか僕ちゃんも知らないんだよね〜」


「……っ!」


いのりは思わず口を押さえた。


「治験バイトって、命と引き換えの対価って考えると、全然割に合わないのよん。だから僕ちゃん、即やめた」


部室に重い空気が流れる。


「……それ、もう笑えないじゃん」


とあずさが眉をひそめ、楓も神妙な顔で


「先生、ほんとによく無事でしたね」


とつぶやく。

だが詩帆だけは震える手でペンを走らせていた。


「治験バイト殺人事件……!いけます、これは大ヒットの予感!」


「やめなさいよん!」


と福地が突っ込むと、部室にはようやく笑いが戻った。

福地は顎をタプタプ揺らしながら扇子を閉じ、満足げにうなずいた。


「ま、いのりんがやってる自治会活動は、僕ちゃんの手を出したどのバイトよりも健全で立派なことよん。心配する必要なし!」


いのりは赤くなった頬を押さえながらも、心の奥にじんわり安心が広がっていった。


そんな中、いのりが首をかしげる。


「……ところで先生、ピンサロって何ですか?」


いのりが小首をかしげた瞬間、部室の空気が凍りついた。

団子の串を持っていた詩帆の目が、妙にきらりと光る。


「ふふふ……いのり先輩に教えて差し上げましょう。ピンサロとはピンクサロンの略で、女性が――」


「ストーーップ!!!」


ガタッと机を鳴らしながら、あずさと楓が同時に声を張り上げた。

慌てふためくその様子に、いのりは目を丸くする。


「え、え!?な、なんですか!?どうして止めるんですか!?」


「そ、それは……」


「とにかくダメなものはダメ!いのりは聞いちゃいけないの!」


二人は必死に手を振って詩帆を止める。

だが当の詩帆は、きょとんとした顔で首をかしげていた。


「え?でも事実を明らかにするのが探偵の使命では……」


「探偵の使命じゃないの!これは封印案件!」


「詩帆、今すぐその口閉じなさい!」


部室は一瞬で修羅場と化した。

そんな中、福地が顎をタプタプ揺らしながら、にこりと笑って口を開く。


「ごめんごめん!いのりんは今の話、ぜーんぶ忘れてくださいな!良い子は知らなくていい世界よん!」


不思議そうに首をかしげるいのり。

守られていることさえ気づかない純粋さが、部室の空気を一層和ませていった。

福地は、扇子をばたばた振り回した。


「いのりんは、そのままでいいのよん」


部室に笑いが広がり、いのりの緊張も少しずつほどけていった。


---


その後、言論部の部室を出た福地は、和服の裾をひるがえして廊下を進んでいた。

いつものように顎をタプタプ揺らしながら歩く姿はどこか滑稽。

だが、その表情は珍しく引き締まっている。


「いのりんが心配している以上、すぐに解決してあげなきゃダメよねん」


汗で曇った眼鏡を拭き直しながら、福地は職員室の扉を開けた。

ちょうど放課後の職員会議が始まるところ。

教員たちが次々に座り、議題がホワイトボードに書き出されていく。

議事が一段落した瞬間、福地は静かに手を挙げた。

普段はふざけてばかりの彼が真顔で立ち上がる姿に、室内の空気が少し変わる。


「二年生の副担任として、ご報告とお願いがあります」


ざわめく視線が集まる。

福地は眼鏡を押し上げ、深く頭を下げてから言葉を紡いだ。


「普通コースの風張いのりさん。四月に突然、住まいの団地で自治会長に就任したそうです。本人に断る余地はなく、不可抗力でした。そんな中で先日、自治会長の活動費を受け取ったそうで、本人はそれを“無断バイト”と同じに見なされないかと心配していました」


「高校生が自治会長……?」


教員の何人かが小声でつぶやく。

担任がうなずき、口を開いた。


「風張さんは真面目な子です。提出物の遅れもなく、授業態度も良い。赤点もなく、自治会活動で学業に支障が出ているとは思えません」


教科担当の一人が頷く。


「英語でも、きちんとノートを取っていますよ。人前に立つと緊張しているようですけど、真剣に学ぼうとしている姿勢は伝わります」


「彼女、家庭科でも手を抜かないですよ。裁縫の課題なんて、丁寧に縫ってました」


別の教師が加える。


次々に出てくる声に、会議室の空気はすぐに落ち着いた。

誰も自治会長の活動に反論する者はいない。

風張いのりという生徒が、普段から真面目で健気に過ごしていることは、教員たちの共通認識だったのだ。

理事長が腕を組み、ゆっくりと口を開いた。


「彼女は地域とつながり、自治会活動を担っているようですね。活動費を受け取ることも妥当な範囲であれば問題ないでしょう。むしろ立派なことです。學院の生徒として誇るべきかと思います」


学長も頷きながら言葉を添える。


「その通りですな。当學院も地域と連携し、自治会活動に参加しているわけですから。風張君の件は学校として認めてあげましょう。彼女のような生徒がいることは、我が校の名誉です」


教務主任が議事をまとめる。


「では、この件は正式に承認とします。福地先生、ご報告ありがとうございます」


福地は大きく息を吐き、顎をタプタプ揺らしながら頭を下げた。


「ありがとうございます。これでいのりんも安心できるはずよん」


その日のうちに全てが決着。

職員室を出る頃には外はもう薄暗くなっていたが、福地はどこか満足げに扇子で汗をあおいだ。


「ちょっと残業になっちゃったけど……たまにはいいよねん」


こうして、いのりの健気な心配は解きほぐされ、学校側からも「真面目な生徒」として改めて評価を受けることとなった。


---


翌朝のホームルーム。

普通コースの教室で、担任が教壇に立ち、生徒たちを見渡した。


「今日はみんなに紹介したいことがあります。風張さんが、住んでいる団地で自治会長を務めているそうです」


「……えっ?」


「風張さんが自治会長!?」


ざわめきが一気に広がる。

担任は静かに頷き、さらに言葉を続けた。


「學院としても、こうした地域活動は積極的に評価しています。立派なことです。みんなも見習いましょう」


パンッと手を叩く音に合わせて、教室全体に拍手が広がった。

いのりの頬はみるみる赤く染まり、胸の奥に熱いものが込み上げてくる。


(……よかった。本当に、よかったんだ)


同じ頃。

特進コースの教室でも、担任が生徒たちに告げていた。


「普通コースの風張さんが、地域で自治会長を務めているそうだ。リーダーとして責任ある役割を果たしている。みんなも勉強や部活だけでなく、課外活動にも積極的に取り組みなさい」


「へぇ、普通コースの子なのにすごいな」


「自治会長って高校生でもできるんだ」


特進クラスもざわめきに包まれる。

その中で楓は小さく微笑み、胸の奥に誇らしさを感じていた。


(いのり……すごいよ。私の友達がこうして紹介されるなんて)


その時間、当の福地はまだ新幹線の座席に揺られていた。

駅弁をつつきながらスマホを取り出し、言論部のグループLiNEに一文を投稿する。


《いのりん、よかったねん!僕ちゃんも誇らしいよん》


休み時間。

いのりは周囲を気にしながら、机の下でこっそりスマホを開いた。

画面に浮かぶ福地のメッセージを見て、自然と口元がほころぶ。


「福地先生、ありがとうございます!」


小さく打ち込んで送信すると、すぐに返信が届いた。


《おめでとー!》──あずさ


《やっぱりいのりらしいね》──楓


《よかったですね!いのり先輩!これは新たな伝説の幕開けですよ!》──詩帆


スタンプやコメントで画面がにぎわい、いのりの胸はさらに温かく満たされた。


---


その夜。


布団に潜り込んだいのりは、ふと昨日の福地の発言を思い出した。


(そういえば……福地先生が“ピンサロ”ってところで働いたことがあるって言ってたっけ。一番楽しかったバイトだって。私も将来働いてみようかな……)


どうしても気になり、スマホで検索してみる。


(あと詩帆がピンクサロンの略だって言ってたよね…)


そして、表示された説明文を目にした瞬間。


「……っ!?」


「風俗店ではなく、飲食店という名目の接客営業スタイル」


「え…ええ!?」


「警察が風俗営業法違反の疑いで強制捜査に入って摘発されることもある」


「……先生の言ってたガサ入れって…」


さらには、スマホの画面をスクロールしていたいのりの目が、ふと止まる。


「女の子が……して、男の人の……を……してあげる接客サービスが人気のお店」


そんな文字列が並び、いのりの顔は一気に真っ赤に染まった。


「……“花びら大回転”というサービスも……って、な、なにこれっ!?」


布団に顔を埋め、足をばたばたさせる。


「こんなバイトなんて、あたし絶対無理無理無理無理!!!!!」


「お姉、さっきからどうしたの?バタバタすると埃舞うよ」


悶える姉をみたともりが不思議そうに声を書ける。


「なんであずさと楓まで知ってるのよー!!」


いのりは、ともりの声が聞こえないくらいに心臓の音がばくばくと跳ね、全身が熱に包まれていった。


(もう二度と、この単語は検索しない……!)


こうして


「自治会長として認められた誇らしさ」



「知らなくてもよかった世界を知ってしまった赤面」


が同時に訪れる夜となった。

今回は、いのりの素直さと、彼女を取り巻く大人たちの対比を意識しました。

ピンサロのくだりはあくまで“知らなくていい世界を知ってしまった純粋な少女”というギャグとして描いています。

決して下品な意図ではなく、いのりがどれほど無垢で、守られるべき存在なのかを浮き彫りにする狙いです。

終盤の「私」から「あたし」への一人称の変化も、感情の高ぶりを表しています。

作中では、「あたし」と発言したのは2度目です。

ぜひ探してみてください。

笑いの中に少しの可愛らしさと、現代的なリアリティを感じていただけたら嬉しいです。

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