第26話『なにその化石医療……』
今回のエピソードは、いのりのお父さん・よしつぐさんの視点でお送りします。
何気ない朝から始まり、思わぬケガ、そして病院での出来事へと話が進んでいきます。
古びた診療所と大きな病院、それぞれの対応の違いがはっきりと出る回になっています。
団地の中でのやり取りや、ちょっとした会話から見えてくる人間模様も楽しんでいただけたらうれしいです。
不幸に見舞われてしまうよしつぐを、最後まで温かく見守ってもらえると嬉しいです。
団地の朝は、いつになく静かだった。
風張家の居間には、カーテン越しの朝日が柔らかく差し込んでいる。
父・風張よしつぐは、湯気の立つ味噌汁をすすりながらも、どこか落ち着かない様子でソワソワと椅子に座っていた。
その挙動に気づいた娘・いのりが、不思議そうに首を傾げる。
「お父さん、今朝からずっと様子ヘンだけど……なにかあった?」
よしつぐは、答えなかった。
いや――答えられなかった。
昨晩、ほんの偶然で目に入ってしまったのだ。
いのりのスマホ画面に映っていた、見知らぬ若い男とのツーショット。
いつの間にあんな写真を撮ったのだろう。
というか、それを待ち受けにするって、いったいどういう意味があるのだろうか。
ラフなTシャツに爽やかな笑顔をみせる若い男。
いのりから見せてきたわけではない。
通知の隙間から、ホーム画面に設定されたその画像が一瞬だけ見えた。
だが、何より衝撃だったのは、いのりの表情だった。
あんな顔、見たことがない。
くしゃっと目を細めて、照れくさそうに、でもとても幸せそうに――。
「確か、こうへいくんって言ってたよな……まさか、これが“男の影”ってやつか……?」
自分の娘が、他所の男に恋をしているかもしれない。
たったそれだけで、よしつぐの思考は完全に混線してしまっていた。
給食センターへと向かう道すがら、よしつぐの頭の中では、謎に包まれた男の顔と娘の笑顔が延々とループし続けていた。
(こうへい……くんって。どこの誰だ……? たしか、他号棟の自治会長って言ってたか……? 国立の大学生だっけ? なんであんなチャラそうな奴を……)
いつかはいのりにも幸せになってほしい――
そう思っていたはずなのに、いざ現実味を帯びると、父親の心はここまで不安定になるものなのか。
(きよのが、いのりはチョロいとか言うから…。確かに、あの笑顔見たら男なんて秒で落ちるかもしれん。……でも父親としては複雑だぞ)
厨房は、熱気と緊張が入り混じる戦場だ。
アツアツのカレースープは、気を抜けば飛び散るし、床にはヌルヌルとした油の層が残っている。
「くそっ……今日は、カレーうどんの日なのに……だめだ、全然仕事に集中できん……」
そんななか、感情の整理もつかぬまま、大鍋のうどんをかき混ぜようと力を入れた――その瞬間。
ズルッ。
足元が、濡れた床に滑った。
「うおっ……!? ぐああああああああ!!!!!」
次の瞬間、よしつぐの右脇腹が鍋のふちにゴツンと激突した。
肋骨のあたりに、ビリビリと電気のような激痛が走る。
「ひぎいいいい!!!……カハッ…カハッ...!…ハァハァ……」
その場にしゃがみこみ、しばらく呼吸すらままならなかった。
「このズシンとくる痛み……まさか……肋、いったか……?」
とはいえ、仕事を途中で放棄するわけにもいかず。
ただ激痛に耐えながら職務を全うした。
呼吸のたびに圧迫するような激痛が走り、昼飯もまともに喉を通らなかった。
昼食後の清掃業務を終えて、よしつぐは何とか仕事を乗り切った。
更衣室でシャツを脱いだとき、腫れは目立たないが、うっすらと青黒いアザが浮かんでいる。
午後4時過ぎ、痛む脇腹を押さえながら、団地近くの小さな診療所へと足を運んだ。
(これ、絶対肋骨だよな……マジでヤバいやつかもしれない)
くしゃみや咳をするたび、わき腹にズキズキとした脈打つ痛みが響く。
(昔やった、あれに似てる――)
ふと、学生時代の記憶が蘇った。
草野球の練習試合で、ホームベースへのクロスプレーに突っ込み、巨体の捕手に吹き飛ばされたときのことだ。
左腕にヒビが入ったあの痛み――
「ほらここ。ヒビ、入ってますね」
整形外科でレントゲンを見ながら言われた、あの医師の言葉と、今の感覚が完全に重なる。
(このまま放っておくのは、さすがにまずい…)
しかし、バスで島の外まで行くのも億劫だった。
開業医は閉まるのも早い。
今の時間、すぐに行ける場所を探すと――団地近くに“昔からやってる整形・内科クリニック”があるらしい。
電話で問い合わせると、受付の女性はこう答えた。
『レントゲン? ありますけど…』
(とりあえず診てもらって、痛み止めだけもらえれば……)
軽い気持ちで、クリニックの引き戸を開けた。
中に入った瞬間、昭和の空気がぶわっと押し寄せた。
壁紙はうっすら黄ばんでいて、木の床は歩くたびにミシミシと悲鳴を上げる。
受付には無表情な中年女性が座っていた。視線だけで「何の用ですか」とでも言いたげな威圧感。
「初診なんですけど、整形外科で診てもらえますか」
「あー、はい。……保険証あります?」
差し出すと、無言でコピー機にかけられ、カタカタと診察券が作られた。
「先生、整形の患者さんですー」
口調は穏やかでも、目がまったく笑っていない。
掲示板には
「感染症対応のため、発熱外来はお断り」
と書かれた紙が無造作に貼られていた。
他の案内もどれも日付が古く、色褪せていて、年季が入っていた。
待合室には、ほとんど患者がいなかった。空いているのか、それとも――。
数分後、名前を呼ばれ、診察室に通されると、そこにはまるで仙人のような高齢医師が座っていた。
真っ白でボサボサの髪。鼻の上でずり落ちかけた眼鏡。
目は左右が外を向いていて、見ている方向がよくわからない。
机にはパソコンなどなく、紙のカルテと朱色のペン。時が止まったような空間だった。
「今日は、どうされましたか?」
かすれた声で尋ねる医師。
「今朝、仕事中に肋のあたりをぶつけまして……呼吸するたび痛くて」
「ふむふむ……見せてもらおう」
「はい、このあたりです」
よしつぐが脇腹を押さえると、医師は軽く触っただけで言った。
「そんなに腫れてないから骨は問題ないよ。これは腰痛からくるやつだ。仕事はパソコン使うでしょ?」
「え?いや……学校給食の調理ですが……」
「うーん、じゃあ……働き過ぎだね。これは腰から来る痛みだ。たぶん姿勢のせい。腰痛だな」
「……え? いや、肋を強打したんですけど」
「腰だよ、腰。ほら、痛いでしょここ?」
背中をぐいぐいと押され、よしつぐはたまらず声を上げた。
「イッ……いたっ、でも、そこじゃなくて……」
「はい。じゃあ治療するから、電気治療と温熱、それからベッドで腰をぐーっと伸ばしてね。あとで腰痛体操の紙渡すから」
反論の余地もなく、そのまま看護師に手を引かれ処置室へと連れていかれる。
案内されたベッドに寝かされた次の瞬間、看護師がベルトでロックすると止まっていた機械が唸りを上げて動き出す。
ぐぃぃぃぃん!
「ちょ、これ、ちょっと待って、お、おお…お…おぎゃあ゛あああああああああっ!!!」
背中と腰が、まるでブリッジのように反らされた。
(東亰ゲートブリッジじゃねえんだから…ハアハア)
さらに追い打ちを掛けるかのように機械が反り返る。
「ぐはァァァ!!!!」
ぶりゅぶりゅっ!!ぶちぶち!!!っと、何かが千切れるような、不思議な音がしたような気がした。
こうして海老反り地獄の10分が過ぎ、電気パッドと温熱パックを当てられた頃には、肋の痛みはむしろ悪化していた。
「…ハァハァ……これはマジで痺れるわ……」
診察室に戻ると、医師はさらっと言った。
「痛み、良くなったでしょ。このまま様子見て、また痛むようなら来てね」
「……あの、レントゲンは……?」
「ん? ああ、今日はもう混んでるから。でも腰痛だから必要ないよ。心配なら大学病院に紹介状出すけど、とりあえず湿布出しとくから」
(紹介状だけで終わらせようとしてる……っていうか、混んでるって待合ガラガラじゃねえか?…診断すらまともにしてないぞ…)
手書きのカルテには「腰部痛」とだけ、雑に書かれていた。
(完全に……やっちまったな。これで診察料取られんのか……)
診察を終えたよしつぐは、痛む肋骨を押さえながら、団地内の集会所へとふらりとたどり着いた。
もう、家に帰る体力も気力も残っていない。ただ、ちょっと座って休みたかった。
よしつぐは、集会所の外に設置されている色褪せたベンチに腰を掛けた。
息をするたびに、わき腹にじんわりとした痛みが走った。
「……レントゲンも撮らないで腰痛って決めつけやがって……あのヤブ医者め……これ、絶対ヒビ入ってるだろ……」
そう吐き捨てたとき、入口の扉がギィィと音を立てて開いた。
中から現れたのは、サンダルにステテコ、肩にタオルをかけた団地名物ハクビシン――ビシ九郎だった。
「なんや、死にかけみたいな顔して座っとると思たら、よしつぐやないか」
実は、よしつぐとビシ九郎には以前から接点がある。
ビシ九郎が学校へ潜入した際には、学校給食を食べているのだ。
欠席者がいたら、ビシ九郎が子供たちに混ざって一緒に食事をしている。
また、腹をすかせて現れたら給食を分けてやれと区長からも直接お達しが出ていたほど。
給食センターでも、彼は“有名ハクビシン”として認知されていた。
実際、いのりよりもよしつぐのほうが、彼女との付き合いは長かったりする。
「……ちょっと病院行ってきたんだ」
「まさか団地の診療所か?あそこな、ワイも昔“出禁”くらってるねん」
「え……なんで?」
「花粉症がひどいから受診したんやけどな。ケツの穴の痛みで涙と鼻水出るんやろって、イボ痔用の座薬出されてな。そんなわけあるかい、このハゲええええ!って言ったんや。そしたら医者がワイに『何もわかってないくせに偉そうな口聞くな』って言いよるもんだから、“お前も医者のくせにわかってないやろ”って言い返したら、二度と来るな害獣!って追い出されたんや」
「……やっぱり、あそこおかしいよな。でもお前ハクビシンなんだから、獣医に診てもらったほうがよかったんじゃないか?」
よしつぐが苦笑すると、ビシ九郎はニヤリと笑って顎をしゃくった。
「ちょうどええわ。集会所の中でおもろい動画流しとるから、見てき」
そう言って引き戸をガラッと開けると、先に中へと入っていく。
よしつぐもその後を追い、よろよろと集会所の中へ入っていった。
中にはモニターとテレビ端末が設置されていて、ちゃっかりビシ九郎がそのモニター前に座っていた。
ニヤリと振り向くと、
「ほれほれ、立那波センセのGOTUBEチャンネルや。今日は“団地医療をぶっ潰す”回やで。たった今、タイムリーやろ?」
そう言って、スマホを操作してテレビに接続すると、ド派手な字幕とやかましいSEが鳴り響く。
【GOTUBEチャンネル「立那波和義」】
チャンネル登録者数:82万人
画面の中に、ソフトモヒカンで髪を整え、原色の奇抜なスーツを着た中年男が、ネクタイを揺らしながら絶叫していた。
「みんなでご一緒に!自治会をぶっつぶーす!」
立那波和義――現職の参院議員にして、元・雛川区議。
元は住宅提供公社(JTK東京)職員で“自治会をぶっ壊す活動”で話題を呼び、困っているマイホーム住人や若者層からの支持を集め、ついには国会で議席を獲得してしまった。
国政政党の立ち上げにまで至った、筋金入りの改革派といえよう。
國土交通省の天下り役員の温床となる公社をぶっ潰すために、様々な方面から利権をぶっ潰そうと活動している。
「本日のテーマは、団地の医療を――ぶっつぶーす!!」
彼の代名詞“ぶっつぶーす!”が連呼されるたび、画面はエフェクトで爆発する。
「調剤薬局と病院がズブズブ! 湿布と軟膏で儲けるな! 保険料でタダみたいな処方するなあああああ!!」
そのタイミングで、ガラッと集会所のドアが開いた。
「お父さん?帰ってきたの!?」
現れたのは、いのりとあずさ、そして一緒に帰宅中だった楓の三人だった。
楓は、いのりとあずさと距離を縮め、ついに今日は
「団地に寄り道していく」
レベルの仲にまでなっていた。
いのりが、集会所のガラス越しに父の姿を見つけ、慌てて中へ入ってきたのだ。
「ちょっと休んでただけだよ。大丈夫、大丈夫」
よしつぐは立ち上がろうとするが、痛みに顔を歪める。
いのりが心配そうに駆け寄る。
「え、ほんとに大丈夫? 顔色やばいよ……」
「いや、ちょっと今朝、厨房で足滑らせて鍋のフチで脇腹ぶつけちまってさ……。肋やっちまったかも…呼吸するだけで痛くて。で、団地の診療所行ったら……腰痛だって言われて」
「え? 肋骨打ったのに?」
「レントゲンも撮らずに、いきなり電気治療と温熱と腰伸ばし。で、湿布渡されて終わり」
あずさが絶句する。
「なにその化石医療……」
「むしろ痛み悪化した気がするし……はは……」
なんとも言えない空気が漂う。
その横で、楓がモニターに映る動画に気づいて吹き出した。
「なにこれ……めっちゃ勢いあるんだけど! こんな人いるの!?」
モニターには、原色スーツの男が絶叫していた。
「ヤブ医者をぶっつぶーす! 医師会をぶっつぶーす! 利権をぶっつぶーす!」
立那波は、政治家と病院、調剤薬局、製薬会社が組んで利権構造を作り上げていることを、テンポよく暴露していく。
いのりがぽつりと呟いた。
「……でも、言ってること、ちょっとわかる気がする」
楓は、少し真顔になって言葉を続けた。
「私、将来、獣医になりたいって、あずさといのりに話したよね?」
三人が視線を向ける。
「動物だって人間だって、命に関わる仕事だからこそ、“誰に診てもらうか”って、ほんとに大事だと思う」
「そうだよね。家から近いとか昔からやってるってだけで選んでたら……命の危険すらあるよね」
いのりが頷く。
「いのりのお父さんみたいに、診断もろくにされず、レントゲンも無しで処置されるとか……それって普通に怖い」
楓が言うと、あずさが吐き捨てるように言った。
「むしろ聞いてるこっちが痛々しくて労災申請したいわ……」
よしつぐは苦笑いしながらも、何か考え込むように黙った。
すると楓がふと口を開いた。
「私の父も、医療にすごく敏感でね……身体は、自分で守るものだって、ずっと言ってた」
「へえ……医療関係の人?」
よしつぐが何気なく問い返す。
「いえ。元プロ野球選手です。引退してからは、解説の仕事とかしています」
「えっ!? ちょ、ちょっと待って……元プロって……どこの球団?」
そのとき、いのりが笑いながら補足した。
「楓ちゃんのお父さんって、“皆本慎太”さんだよ」
「まじか!? 皆本慎太!? メザメルト・シャークスの!?!? 俺が子どもの頃、めっちゃ憧れてたぞ!! 内野の守備、あれ、ほんとに神だった……」
感激のあまり、よしつぐは一瞬痛みを忘れていた。
その流れで、楓が改めて姿勢を正した。
「いのりさんのお父様にご挨拶が遅れてすみません。はじめまして、皆本慎太の娘で、皆本楓といいます。いのりさんとあずささんには、学校で本当にお世話になっていて……今日は二人に団地を案内してもらっていました」
一呼吸おいて、楓は笑顔でこう付け加えた。
「いのりさんとあずささんは、私にとって――初めてできた友達なんです」
いのりとあずさが、照れくさそうに笑った。
よしつぐは、少しだけ目元を緩め、静かに頷いた。
その夜。
よしつぐは、痛む脇腹を抱えながら、ついに決断を下した。
――やっぱり、このままじゃマズい。
仕事も、家のことも、いのりの将来も。
ちゃんと守るためには、まず自分が健康でいなきゃ。
「よし……行くか」
いつもなら面倒くさがって先延ばしにしてしまう“島の外”への通院。
だけど、今日の娘たちとの会話、楓の言葉、そして立那波のあの異様なほどの勢いが、確かに背中を押してくれた。
夜間受付をしている大きな総合病院の救急外来。
CTとレントゲンの検査を受けた結果――
「あー…ここ見える?肋骨にヒビ入ってるね。3本……ほら、骨に隙間あるでしょ」
ベテランの担当医がレントゲン画像を見せながら告げた。
「ご自身のお仕事、給食調理員とのことだったね。これ、“労災”扱いでいけるから!」
よしつぐは思わず
「あぁ…やっぱり…」
と息をつき、目を伏せた。
悔しさ、安堵、情けなさ――いろんな感情が押し寄せる。
「……ちゃんと、診てもらってよかった」
今日、団地の古い開業医に頼っていたら、今ごろこの状態すらわからず放置していたかもしれない。
きっとまた、誤魔化しながら働いて、さらに症状を悪化させていただろう。
思い返せば、昔の野球部時代もそうだった。
「大丈夫っス!行けます!」
って無理して出て、あとから腕にヒビが入ってたのが分かった。
あのときと同じ。
いや、今はもう、無理がきく年齢じゃない。
帰りのバスの中。
窓の外には、夜の団地が静かに佇んでいた。
誰もが知っているはずのあの診療所。
でも、誰もが「しょうがない」で済ませているのかもしれない。
「次は……ちゃんと選ぼう」
よしつぐは、もう一度だけ小さく呟いた。
この団地には、確かに不便なところもある。
でも――だからこそ、言葉を交わせる仲間がいて、何かあったら集会所に人が集まる。
失敗も、体験も、こうして共有されて、次に活きる。
団地って、そういう“生きた場所”なんだ。
窓の外。
灯りのともった119号棟のベランダに、いのりの部屋の小さな明かりが見えた。
(さて……明日から、どうやって“安静にしながら働くか”考えるか)
そんな、やや無茶な決意を胸に――
バスは団地のバスロータリーに静かに滑り込んだ。
よしつぐの「なんかおかしい病院」体験を、リアルに描いてみました。
団地に住んでいると、地元の病院や診療所に対して色々な思いを持つこともありますよね。
今回はそんな日常の一コマを通して、健康の大切さや選択の重要さを感じてもらえたらと思います。
これからも登場人物たちを、やさしい気持ちで見守っていただけるとうれしいです。