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⒄『茫洋足る、風景模写』
⒄『茫洋足る、風景模写』
㈠
ここまで来たら、俺も、⒇が見えて来たので、安堵して居る。この安堵は、先が見えるというやつで、未来が明るく広がり、どうにかして書いて来たことが、もう少しで報われる、という意味合いに於いての、安堵である。
㈡
書くこと、それ自体は、俺にとっては苦痛ではない。ただ、書けないものを書けと言われたら、それは苦痛ではあるだろう。しかし、書けないものを書く努力を惜しまなければ、書けないものも、書けるかもしれない、とは思う。
㈢
しかしこれは、一種の詭弁であって、実際、この茫洋足る世界を、描くというスタイルを書くということは、書けるから書いて居るのであって、書けないものは書けないのだ。であるから、上記した様な、書けないものも書けるかもしれない、とは言え、それは、書けるものだから、書けるという結論になる。




