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⒃『茫洋足る、風景模写』

⒃『茫洋足る、風景模写』



俺が俺である為には、様々なことを、毎日捌かねばならない。俺の世界にとって、自明の理であることが、他者にとっての自明の理とは重ならないだろうから、俺は俺で、俺の始末をしなければならないし、他者に何かを強要することもない。



ただ、書くこと、その意味合いにおいて、述べ足りるところの、俺自身の影を踏まずに、影をも模写することが出来れば、風景模写は一つの帰着点を見出せることが出来るのであるから、確かに骨は折れるが、書くしかないのだ。



であって、茫洋足るこの世界に、どうしようもなく、俺が靡かざるを得ないものが、突出して広がってしまい、それが、茫洋足る風景になる一因になって居ることは否めないが、そうであるならば、描き切ることを、書き切ろうと思う。

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