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⑾『茫洋足る、風景模写』

⑾『茫洋足る、風景模写』



俺は、俺の言語化能力というものを、実際信じるところまでは、到達してはいない。ただ、書こうと思えば、出来るだけその量産というものを、埴谷雄高の方法論に則り、書くことは出来る。これは、一種の無限である。



無限であることは、しかし、茫洋としているのであって、その広さから、点在する何か、というものを理解し、小説にしてしまうことが、言ってしまえば、俺の絶えずキーボードを打つ手にある、能力だと言えると思う。



俺自身は、自身の能力を過大評価はしていない。ただ、書くことは出来る、量産することも出来る、それを、茫洋足る、風景模写、と言って居るのだ。或る種のメタファであるが、俺にとっては、好都合な訳であることが、有難いことだ。

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