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✿ 桜の華 ― *艶やかに舞う* ―   作者: 設楽理沙


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91 ◇ 淡井恵子の番外編1



 友達の旦那に手を出し当時刺されたのは友人の夫だったが、もしかすると

刺されたのは自分だったかもしれないというのに、そのあとも余り反省の見

られない恵子だった。



 流石に寝取った相手、水野俊が目の前で妻の桃から刺された日には、自分も危害

を加えられるかもとビビったけれど、喉元過ぎればなんとやらで、平気でいられる

その神経は根が腐っているとしか言いようがない。


 そして根が腐ってはいるものの、恵子は流石にこれまで友人相手にしてきたよう

なことを職場でするというような馬鹿なことはしなかったので、それからしばらく

の間は、1年半大人しく家と会社の往復のみの、平凡な日々を過ごした。



 職場にはくたびれた38才から定年間際の50代が十数人いるがとても誘惑したくなるような男子社員がいなかったことも、馬鹿な真似をせずに済んだ一因だったかもしれない。



 それからしばらくして、異動の時期がきて恵子のつまらなく過ごしていた

日常が動くことになる。



 春先、新井賢一27才と他数名が転勤で恵子の勤める支店へやって来た。

 全員独身だったこともあり、久しぶりに女子社員たちは盛り上がり色めきだった。


 新井は恵子と同じ財務部への異動で、すぐさま恵子は彼をターゲットに……

ロックオンした。


 相手は独身で、いつものように彼氏と幸せそうにしている友達の旦那を

寝取って楽しむのとは訳が違う。



 所謂、今までのようなお遊びではなく、人生の伴侶として彼を何としても

手に入れたいと思う恵子だった。



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