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GO GO 

これはナニの合図なのだろうか。

ちらりとそんなことを頭に過らせつつ俺は寝室に急いだ。


「いっちばーん」



 俺は予想が当たっていることを願いながらベッドへと横向き加減で

ダイブした。


「にっばーん」



そこへ上から重なるように桃がダイブして最終的に俺の身体の上から

ずり落ちて横に横たわる格好になった。


俺たちの視線が絡まる。

そして桃が誘うように目を閉じた。


俺はそっと桃の唇に口づけを落とした。

そうして俺たちは甘いキスを堪能し終えた頃、互いの服を脱ぎ4年振りの

抱擁と愛撫を交わし、飢え乾いていた肌と心に潤いを注いだのだった。



もう叶うことなどないと思っていた行為に泣きそうになる。

そんな俺に桃が抱きついてきて甘く囁く。



「俊ちゃん、ありがとう。私を奥さんにしてくれて。

俊ちゃんってモテモテだったから、選んでもらえるか、ずっと心配だった。

プロポーズしてもらった時はすごくうれしかったな」


そんな可愛い桃の台詞に感極まり俊は泣いてしまう。



「どうしたの、泣いたりして」


「桃がそんな可愛いことを言うからさ……って言いたいけど、今、目に

ゴミが入ってチクってしたんだ。桃、こちらこそありがとうだよ。

俺って桃にそんなに愛されてたんだ」


「まさか、知らなかったとか?」


「知ってたけど、それほどとは……知らなかったカナ」



桃が自分を憎んでいた頃の記憶が戻るまでの、期間限定の儚い幸せだと

分かってはいるが、俊は桃に愛されていた時間、愛されている今この時を

想い、うれしくてうれしくて涙が止まらなかった。


ごまかす為に桃を抱き寄せて彼女の首筋に顔を埋め、泣き顔を隠した。



「俺は付き合ってた時から今までずっと桃一筋だから」


以前の桃が聞いたら絶対信じてくれなさそうな愛の言葉を伝える。



「きゃぁ~、あの頃の不安だった自分に教えてやりたいわぁ~。

俊にめちゃくちゃ愛されてるよって、私、俊ちゃんの一番なんだよって」



身体がきしんで痛くなるまで二人はひとつになりたいと、いつまでも

抱き合い、大切な愛溢れる時間を過ごした。




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