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『反省してるからって何? 

何勝手に反省してるつもりになってるわけ』



「私、実は別にもうひとつ仕事持ってるのよ。もちろんモデル。

そこはね、学生じゃなくて渋いおじさんたちばかりなんだ」



「あーっ、止めてくれよ。

俺を苦しめてそんなに楽しいのか」



『へぇ~、そんなに苦しいんだ。ちょっと意外。

世間体を考えて恥ずかしいっていうのはありかと思ってたけど』



夫が苦しいと言い出したせいで今のいまで考えたこともなかったことが

私の口から勝手に飛び出してきた。



「そこはね、おじさんたちばかりだからポーズもかなりハードなのよぉ。

一糸まとわぬ姿ですっぽんぽん。


もう少し先の授業であそこをね、椅子に座って……びろーんって

見せることになってるの。


なかなかそういうのOKしてくれるモデルがいないらしくて

講師の人に喜ばれたわ」




『流石にそんな要求しないと思うけど……自分で作り話しながら

あほらしくて笑っちゃった』



唖然として私の話を聞いていた夫は私の肩から徐々に腕まで移動させていた

両手を放し、床に座り込んで号泣し始めた。


          ◇ ◇ ◇ ◇



その様子に流石の桃も、呆然と身動きもせずしばらくの間その場に

佇ずむばかり。



この時桃の胸中を過ったもの……。(心中は……少しほだされたりしていた)



桃自身思いもかけなかった想い。

だから到底夫の俊には分かりようもない桃の想いであった。



少しやり過ぎたかなと思いつつも『そんなに泣かなくても……』と

桃は思った。



冷静に考えればそんなことあるはずがないというのに。

俊も後日冷静になればそのうち分かるだろう。





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