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私が若い男性たちの前で裸でポーズをとつていることは耐えがたく、

即刻モデルを止めてほしいと酷く懇願する夫の様子を見ているのは

考えていた以上に痛快で、自分の気持ちの在りように驚いた。



けど、すごく面白いのだ。

どんなところが面白いって、俊は苦しくて辛いのだそうだ。



『それってあなたのただの勘違いじゃないの?』 


あなたじゃない他の誰かと乳繰り合ってるわけでもないのに、

どうしてそんなに苦しいとか辛いなんて言うのだろう。


離婚してほしいという私の真っ当な願いは夫の無慈悲な拒絶で

叶えられることはなかったというのに、どうして自分の望みは叶うと

思うのだろう。



しかも、私は夫を裏切ってもいないし誰の心も傷つけたりなどしてないと

いうのにだ。



私のことなんてただ子供を産んで家事をしてくれる人という認識を

しているだけじゃないの。


女としても妻としてもどうでもよい存在なのではなかった? 俊! 

どうでもよい女が外で何をしようと気に病む必要なし。


悩む必要も苦しむ必要も全くなしで、いいのよ。



          ◇ ◇ ◇ ◇




翌日悩ましい気持ちを抱えて会社に出社したものの、俊は胸がざわつき

モヤモヤがちっともなくならない。


こんなドヨンとしたような、何とも言えない気持ちをもて余している自分。

酷く精神的に落ち込んでいるのを自覚する。


まず桃は大きな勘違いをしている……と思う。


昔も今も、俺がどんなに桃のことを恋しく思っているか……

彼女は分かっていない。



そんな俺が桃に興味がないわけないだろ? 

俺は昨夜の桃の攻撃的なもの言いに唖然とするしかなかった。


勿論自分の本心など今更感が半端なく、おこがましくて言えなかった。


『はぁ~、どうすりゃあいいんだ』



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