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「「「「……やはりとは」」」」



「ご主人の俊さんの本心までは私には計りかねますが、一般論でいうとですね、 

浮気で離婚なんて世間や会社に対して恥ずかしい行為なので、穏便に

納めたいと思ったはずです。


 できれば妻には離婚などと騒がず、大人しくしていてほしいという

ところでしょうか。


 妻の両親が妻を諫めてくれるのですからほんとに何の制裁も受けず、

何事もないように……そう妻と娘のために一生懸命働くという態で

平然と会社へ行く。



 水野さんたちは息子さんの意志表明を信じて桃さんを説得する。


 桃さんのご両親は離婚後の受け入れをシャットアウト。

 そして桃さんだけが煉獄の地獄の中で生活し続けていた、

ということのようですね。


 みなさん……すごいですねー。


 誰一人桃さんの気持ちに寄り添う人がいないんですよー、

気が付いてました? あははっ。


 もう少しで桃さんを殺人犯にしてしまうところでしたねー。


 皆さぁ~ん、他人事じゃないですよ。

 それってあ・な・た・たちですよ。


 あなたたちがみんなで寄ってたかって桃さんを殺人犯に

したてようとしたんですよ。


 はいっ、いいです。


 みなさんのお顔をみていると全員の方が不服そうなので

理解できないと承知いたしました。


 これで今回の面談は終了といたします。

 皆さまご苦労様でした。


 では面会の時間もこれにて終了としますので私と一緒に病室を出て

どうぞお帰りください」



 面会人をいとも簡単に蹴散らしたその人は最後に出て行く前に引き返し、

こそっと私に耳打ちしてくれた。



「絶対、あなたがご主人と別れて暮らせるようにしてあげるから、大丈夫よ」

と。



 何がなんだか分からないうちに面談とやらが終わった。

 私は女医によって助けられるようだ。


 ありがと、先生。

 もし、それで私が救われるのなら一生感謝します。


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