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102 淡井恵子の番外編12


そのあと、面白そうな展開になりそうだからと市川さんが待っている

彼女さんを 呼び戻し、二人して私の話に聞き入った。


こんなふうにして始まった私と市川さんとの密談が終わった。 

私が知り得た淡井さんの情報は全て市川さんに伝えた。


淡井さんからデートに誘われた市川さんは

『その日は都合がつかないから、またの機会に』

とお茶を濁して昨日は話しを終わらせたそうな。


それでもって彼女とメールアドレス交換しているらしい。


何故そうしたのかというと、新井さんに彼女との遣り取りをした文面を

証拠として見せたいからなのだとか。


抜かりなく自分の言い分を信じてもらうためなんだそう。


市川さんって、ほんとデキる人だよね。


「米本さんがいてくれて良かったー。

俺たちは異動で来たばかりで今の支店の人間のことはほとんど知らないし、

淡井さんのせいで下手をすると俺、恋人も友達も失くすところだったかも

しれないんだよなー。



今回の件を何とか新井を傷付けずに片付けるのに少々時間が掛かるかも

しれないけど、新井を慰めてやりたいと思ってるんだ。


その時にさ、俺と彼女、新井と米本さんとで一緒に遊ばない? 

あっ、米本さん恋人いるならまずいよね?」



「きゃあ~、何ですかその友達思いの素敵な提案。

ぜんぜんっ……行かせてください。


あっ、ちなみに私、恋人もボーイフレンドもおりませんので無問題です。

市川さん、私一度でいいからダブルデートっていうのをしてみたいなぁ~

なんて思ったことあるので大興奮でございます」



「そんなに前向きになってもらえて俺も楽しみになってきたわ。

じゃあそういうことで。

また進展とかあれば連絡するね」



「OKです」



この時ほど自分の好奇心の強さを褒めてやりたいと思ったことはない。


調査していたからこその、ちゃんとした憶測の範疇ではない進言が

できたのだ。


まさか密かに想っていた人とデートができるなんて。


『人生一寸先は闇』っていう諺があるけど、私が塗り替えるわ。

『人生一寸先は幸運』が待っている……なんてね。



新井さんに恋人として選んでもらえなかったとしても、デートだけでも

いいの、良い思い出にする。


それと新井さんの不幸というか災難を未然に防ぐ手助けができることを

誇りに思うわ。GJ美晴。



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