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【2】日常と質問攻め

書きたいこと書いてたら1話より長くなってしまいました…しかも一気に3人でてきます☆

あと私運動部入ったことないので実際バドミントン部こうじゃない!!ってのはあるかもです。気にしたら負けです

 「木下さん、テスターなんだって!?」

 「いやー、すげーよ…そんでどんな感じ!?」

 「羽月さん、おめでとう!」

 今、何してるのかって?

 絶賛クラスメイトに優真みたいなこと(質問攻め)されてるんですよ。おめでとうって声もあるけど!

 てかなんでAI持ってる前提なわけ?まだなんですが??

 「いやいや!決まったけど…AIはまだ来てないよ!?昨日3日後って言われたから…水曜に来るかな?」

 「じゃあ水曜、楽しみにしてるぜ!」

 「私も気になるな〜」

 ふう、切り抜けられそうだ。

 …ところで、奈央の姿が見当たらないのだが…

 「みなさん、僕が来ましたよー!」

 「「あっ、果穂(かほ)先生!!」」

 ──果穂先生、と呼ばれるその人は、私のクラス…2-4の担任。家守 果穂(やもり かほ)

 中性的な見た目をした、年齢も性別も不詳の先生。ここ、桜ヶ丘(さくらがおか)中学校…丘中の生徒に、"好きな先生は誰?"と聞くと口を揃えて"果穂先生!"という…なんて噂まである。

 「あっ、羽月さん!テスター、おめでとうございますです!」

 よし、果穂先生は私の味方。さすかほ。…いいな、さすかほって。

 「よしっ…ありがとうございます!です!」

 「3日後にテスターにAI配布って、見ましたよ!どうやら1日説明と試運転が入るとか…水曜日ですよね?その時は休みで大丈夫です!」

 え1日潰れるの??マジで?

 てか学校休みって、バドミントンは?ねえバドミントンは??

 …あ、私、バドミントンガチ恋勢です。

 「あ、ありがとうございます…けど、バドミントン、どうなります…?」

 「あー!それは…もし、学校来れそうなら部活だけ来ちゃってー!清水(きよみず)先生も…た、多分来て欲しいと思ってるから!」

 ──清水先生…もとい清水 黄泉(きよみず よみ)先生は、私の部活、バドミントン部の顧問だ。

 …かなり独特で、あの人の言動を理解するのは家族でも難しいとか…

 私は独特すぎてむしろ好き。

 「ですね!まあ行けなかったら家でやるので…」

 「だねっ!じゃあそろそろ朝のホームルーム、始めまーす!号令よろしくです!」

 「きりーつ!れーい!」

 何とか、最初は乗り切った…

 「えっと、健康観察、隣の人がいない人は手を挙げて─」

 「はい!奈央さんがいません!」

 奈央の隣の人が手を挙げる。

 「奈央さんは…後で話しますが休みです!」

 「でも、休みは奈央さんだけかな?月曜日なのにみんな来てて偉いです!ノーベル賞とれますね!」

 ノーベル賞は取れないですよ先生。けど、欲しいなぁ…

 「──先生の話!」

 号令がスタスタと席に戻る。

 「えーと、まず奈央さんの休みの理由は…

 『羽月がテスターになったって聞いて家の中を全速力で走り回ったら全身鏡に激突して萎えたので1週間休みます』との事で…」

 「まあ、気長に待ちましょう!」

 いや軽いな。

 てかなかなかにクレイジーだけどこれ原因私?私ですか?悲しいよ?なんかごめんね?

 「あと、羽月さんが自動プログラムAIのテスターに選ばれたということで…僕、感無量です!」

 「水曜日にAIが来るらしいので、その日は羽月さんはお休みになります。」

 「そ!れ!と!朝の、見ましたよ?羽月さんが困るようなことはしないこと!」

 「では、以上!号令!」

 「きりーつ!れーい!」



 その後は、まあ普通に授業だった。毎回最初に先生が「羽月さん、テスターおめでとうございます!」的なこと言ってくる。聞き飽きたよもう…

 さて、なんだかんだでもう部活の時間(至福の時)か。

 やはりバドミントンは世界を救えると思うんだ。はー、たのしみ…

 ラケットよし!シャトルよし!タオルよし!水筒よし!シューズよし!予備のラケットもよし!

 走って体育館へと向かう。

 この時の私だけは誰よりも早いのだ。きっと。

 「あー、ちょっと遅かったかな…」


 「すみません!遅れました!」

 体育館に入った瞬間、口から出た言葉はこれである。

 「まったく羽月くん!遅れるも何も早すぎるだろう…今死ぬまでの予定を組み直しているんだ、少し待っておけ」

 この人が清水 黄泉。この人、今年最初の部活の時…

 『皆さん、俺は1年後に死ぬ予定だ。清水 黄泉と言う、よろしく頼む!』

 なーんていうから体育館がちょっとした騒ぎになったよ…バドミントンできたから許すけど。

 まあ、こんなこと言うものだから、バドミントン部のみんなは脳内に"?"が浮かんでたと思う。

 多分独特すぎて苦手な人が多いだろう。

 私は否だがな!

 「あ、予定組むの手伝います?w」

 冗談半分で言ってみた。まあ、こう言うと大抵…

 「本当か!それはありがたい。…しかし!羽月くんが俺の予定を組んでしまったら自殺教唆になってしまう!そんなことは俺の本望では無いのだ!」

 「だから、気持ちだけ受け取ろう。俺は1年後に死ぬ予定だが、そこには誰にも関与させないつもりだからな」

 「…ところで、おすすめの死に場所とかないかい?」

 はい、ノルマ達成。ありがとうございます。

 …毎回、こんなことになるのだ。自殺教唆が〜とか言いつつこれはブーメランにも程がある。まあ面白いから許せるけど。面白いから。

 そして…

 「「失礼します!」」

 「しつれーしまーすー」

 「…失礼します…」

 このくらいの時間になると、ちょうど部員のみんなが来るのだ。


 バドミントン部は、3年3人、2年6人、1年4人。計13人の部活だ。

 しかし、この辺りにはバドミントンの大会などがないため、ただ遊びとしてバドミントンをやるだけの部活。

 私はバドミントン自体は好きだが、大会などという堅苦しいのが嫌いだ。だからこそ、この部活に惹かれた。


 バドミントン部でやることは大きく2つ。

 まずはペアでラリーをする。しかし、前述の通り部員の人数は休みが出ない限り奇数だ。

 その場合は黄泉先生が余りの誰かと組むのだが…

 「羽月くん!なかなかいい打ち方だ!」

 今回は私!よし!神様ありがとう。

 …そう、黄泉先生はバドミントンが上手い。超がつくほど上手い。

 その割にはほぼ経験ないらしい。こわぁ…

 私以外はみんな黄泉先生とやりたがらない。なんでも「強すぎてラリーどころじゃないからやだ」との事だが…

 「黄泉先生こそ!私、ラリー続けれるような位の腕前の人が周りにいないので嬉しいです!」

 私からしたら丁度よすぎる相手だ。

 なんせ、優真と昔やったときなんて…やる前から私の勝ちが見えてしまうくらいだったから。優真もやりたくなさげだから、それからしてないし。

 奈央とやっても同じだった。楽しそうにやってはいたけど…ラリーが、ね。

 凛音とやった時は…ラリーは続いていたが、凛音がつまらなさそうにやっていたので勝手に凛音にバドミントンの話は禁句だと思うことにした。

 しかし、黄泉先生は違う。

 ちゃんとバドミントンを楽しんでいて、尚且つ腕前もある。

 私が1番欲してた相手なのだ。今年、願ったり叶ったりな年だなぁ。反動が怖い怖い…

 さて、準備運動はおしまいである。

 ちなみにラリーは134回続いた。うん、まあまあかな!


 そしてバドミントン部のやること2つ目。

 チームを組んで試合をする!

 人数が人数なので、学年混合のチームを組む。数は3つ。

 そして余る1人は審判だ。全チームが終わったら、チーム替えが入るのでずっと審判では無いのが幸いである。

 チームは適当にA、B、Cとつけられ、対戦順は固定。

 第1試合A vs B

 第2試合B vs C

 第3試合A vs Cだ。

 今回のチームは…

 …

 ……

 ………私、初っ端、審判、だと…

 そんな!毎朝バドミントン神(?)に祈りを捧げているというのに…

 ええい、考えてても仕方ない!審判も勉強!そう、勉強…

 …はあ。

 「…試合、開始〜」

 やる気出ない。審判とかつまんないし。いないと勝負にならないのは確かだけど…

 審判してるとことかつまらないので割愛。…本当はつまんなすぎて覚えてない。

 第1試合:Aの勝ち

 第2試合:Cの勝ち

 第3試合:Aの勝ち

 Aが1位である。

 しかしチーム替えが行われる。世の中は非情だが、私は今回ばかりは嬉しいよ…

 さて、次のチームは…

 Aチームで…メンバーは…あれ、舞衣(まい)先輩!?

 ──舞衣先輩、倉敷 舞衣(くらしき まい)は、バドミントン部の先輩。外見が可愛い。バドミントンは上手くないけど、心から楽しんでいる感じがして私が好きな先輩だ。舞衣先輩呼びは舞衣先輩に強制させられた。

 「木下ちゃん!同じチームだね…今日も頼んでいい、かな?」

 後ろから舞衣先輩が話しかけてくる。声かわいい。

 「全然大丈夫ですっ!むしろやらせてください!」

 「それならよかった!じゃあ、よろしくね!」


 3試合の得点は…

 Bチーム:23点

 Cチーム:11点

 Aチーム:49点

 ちなみに全部私が入れた点。やったー!!

 Bチーム手強かったなぁ。



 なんだかんだでもう家の前だ。

 家に入ったらまずやることは、手洗いでもうがいでもなく…

 「お母さん、今日のおやつ何ー!」

 そう、おやつを聞くことだ!

 「羽月ちゃん、おかえりなさ〜い!今日は無難にクッキーを焼いてみたの!」

 お母さんは、お菓子作りが好きで、とある製菓会社で働いている。しかし、午前のみの勤務なので、毎日おやつを作ってくれるのだ!

 「それ何味のクッキー!?」

 「普通のと、チョコと、チョコチップと〜、抹茶よ〜!」

 ちなみに私抹茶のクッキーが好き。

 「抹茶!あー最高…すぐ食べる!」

 「ちょっと羽月ちゃん!手洗いうがいはせめてやりなさ〜い?」

 「…はーい」


 「「いっただっきまーす!」」

 一口サイズのクッキーを手に取り、口に放り込む。

 程よい甘さに、抹茶の苦味が合わさって最高のハーモニーを奏でている…

 やっぱお母さんのお菓子より美味いものは無いわ。お菓子の中では。

 優真は抹茶クッキーに目もくれずチョコチップクッキーを貪っている。苦いもの苦手だもんね…(哀れみの目)

 まあ、私が抹茶クッキー食べ過ぎなんだけど。さすがに他の味にも手をつけなければ…

 「やっぱかーちゃんのお菓子って美味しいよな!もしお父さんもいたら…あっ」

 「優真。しっ」

 うちにお父さんはいないのだ。

 優真を産んだ後に亡くなったらしい。私は小さすぎて記憶にないから、仏壇の写真とお母さんの話でしか存在を知らない。

 「羽月ちゃんも優真ちゃんも、気にしなくていいのよ〜?…仕方なかったもの…」

 多分表情的に、もうお母さんは気にせず生きれているのだろうと毎回思う。安心。


 「じゃあ、羽月ちゃん、夜ご飯…作ってもらえる〜?」

 …お母さん、お菓子作りはできるけど料理は無理なのだ。

 「はーい、というか聞かなくても私作るのに」

 「一応…ね〜?」


 それでは、羽月's クッキングのお時間です!

 しかし尺が足りないので、完成したものがこちらになります!

 じゃーん!チーズIN肉巻きアスパラ!野菜スープ!

 お味はと言うと…

 「ねーちゃんの料理!…んー!うまい!」

 「羽月ちゃん、毎度料理上手いわね〜!すっごく美味しいわ!」

 と、こんな感じの大絶賛。

 まあ天才羽月さんですしおすし。

 自分でももちろん味見してるし、味覚音痴では無いと思うから、料理の腕はいい。絶対。



 この後?まあ色々あったよ。

 まーた2-4グルの通知が騒がしいし、ズッ友グルもすごいことになってるし。

 …奈央が異様に静かってのもあった。相当凹んでるなあれ。

 あとは優真にゲームの勝負ふっかけられたから乗った。負けた。

 そしてなんだかんだで寝る時間である。

 おやすみ世界。明日は平穏でありますように。




 何故だろう。何か、嫌な予感がするのは。

楽しんでいただけたでしょうか…!!

もし!少しでもいいなと思ったら!広告下の星を押したり感想書いてくれたりしたら私は嬉しいです

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