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⑤《リビング・デッド》  作者: いちごみるく
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⑤《リビング・デッド》

実はフリーの小説家。

ツイッターやってます。

「@Ichigo_Milk___」

キャラクター紹介


ナカノ・メア/殲滅王

焼野原高校一年の男子生徒で中家鬱が驚かせるための実験体の一人、昔からの幼馴染。

霊銃(レィスガン)を使い生還する。


ブラッデッド・サッカー(タイプD)


次元桐崎(じげん きりさき)

霊鎧者(リアクティブ・アーマー)の副作用で髪の毛は白髪になり左手全身は銀色の義手になり両足も義足となり人間よりも感情は荒くなっている。


霊武者(レイム)

霊鎧者(リアクティブ・アーマー)の副作用で髪の毛は全て抜け落ちる。左手の半分が銀色の義手になり右腕は全部の指だけが義手となり下半身は全身麻痺で車椅子生活を強いられている。人間の時は感情は落ち着いている。


美景世果翅(みかげ よのはて)

霊鎧者(リアクティブ・アーマー)の副作用で以前の様な力を発揮する事が出来ず前屈みになり背中からは触手が何本も生えている。髪の毛も常に長く前髪で殆ど素顔は見えない。人間の時よりも落ち着いている。

霊鎧者(リアクティブ・アーマー)を強化しようとして失敗した神であり紙の適合者である。


王牙白狼(おうが びゃくろう)

霊鎧者(リアクティブ・アーマー)こそ使用は出来ないが王牙は次元桐崎のために戦うと決意した。


プロローグ ー 決/結 ー


ナカノが居なくなった日の一週間はかなりの確率で他の人達が地獄(エリア)を見たらしい。

それを助けるべくして動いたのが次元桐崎、レイム、美景世果翅の三人だと聞いた。しかし美景世果翅に関しては珍しく人助けをしていたので正直驚いた。

しかしその一週間の間に事件は起こる。

霊鎧者(リアクティブ・アーマー)の効果の恐ろしさと言う死神との契約を……またの名をタイプD。

以上が、中家博士によるレポート調査結果である。


第一章 ー 暴/忘 ー


まずナカノが見た外の景色は夜、マンションから出たすぐ後にレイムの方からRINEで呼び出されたのでナカノは次元斬りに空間を作って貰いレイムの屋敷があるアメリカまでテレポートした。


「ようこそお待ちしておりましたナカノ様。お嬢様が王室でお待ちです。御案内します」


メイドはそう言ってナカノを案内していると何故だかそのメイドの女性は肩を震わせて泣いていた。何かあったとは中家から聞いていたが……。


「お嬢様、ナカノ様がお見えになられました。入りますよ」


メイドは扉をノックするとゆっくりと扉を開けたのでナカノは王室に入った。

すると、車椅子に誰か座っているようだった。

後ろを向いていて顔は良く見えないが町の景色をずっと眺めているような……俺を待っているかのような……とりあえず俺は少しだけ車椅子の人の後ろで待機する事にした。

こちらを振り向くまでは。


「久しぶりナカノクン。貴方は元気にしていたかしら?」


こちらを振り返ると共に聞き覚えのある声……。


「レイムか?それは一体……」


表情を一切崩さず真剣な眼差しのままレイムが話す。


「霊を殺して霊になる。と言うのを聞いた事があるわ。霊鎧者(リアクティブ・アーマー)がどう言う経緯で成り立っているのか、何故存在しているのか……中家博士のレポートは読んで?こうして自我を保っているのも数日が限度。いつかわからない内に私も皮肉だけど地獄(エリア)の連中と変わりない怪物に成り果てる。だから……」


レイムは最後、言葉に詰まり沢山の涙が頬をなぞる。

そう、別に容姿が変貌したから悲しいのではなく武士としてナカノと一緒に戦えなくなる、会えなくなる気持ちが溢れたのだ。

だからナカノは決意をして、覚悟を決めた。


「レイムは……レイムのまま俺が殺してやる。名前のない怪物になってしまうのなら。恨むのも恨まれるのも俺だけで良い。安心しろとは言わない……次に会うときは地獄、俺は敵だ」


レイムは安心したのか泣いてはいるが少し明るくなった返事をした。


「昔から変わってないのね。後の事はよろしくね……中家さんにもよろしくってお願いね」


俺は振り返る事無く屋敷を出て次元斬りに再度日本にテレポートを頼み帰って来たが俺の予想も出来ない深刻な状況になっているのは間違いないだろう。次は次元桐崎先生の場所だが……学校にはいるのだが次元斬りが言うには完全に地獄(エリア)の対象になっていて学校に入る事は困難だと言う。


「もう、手遅れかもしれないな……すまないが次元斬りはここで待っていてくれ、行ってくる」


ナカノは勿論王牙白狼が言う事を聞く奴じゃないと思っている。

それにしてもあの時浜辺で美景世果翅と会話した時の事を思い出す。

きっとここ俺の居ない一週間に地獄で何かあったに違いない、しかし何故そこで美景世果翅が出てくるのだ。


「わかった。俺はここで見張りをしていよう。気をつけろよ」


案外呆気なく命令を聞いてくれたのは逆に不安になるナカノだった。


第二章 ー 力/却 ー


焼野原高校は真っ黒な廃校と化しており、割れた窓からは沢山の血が流れている。

空は赤く、風は吹いて居らず。

ナカノは前にもこの景色を見た事がある。


「確か……ここでポニーテールの女の子が俺を助けてくれたんだよな」


ゾンビ達は廊下で倒れていて動いていない。

まだあんまり腐食した臭いはしない、と言う事は先客がこの地獄に来ている事になる。

保健室にはいないので、ここより目立つ体育館を目指して扉を開けて入るとそこには一人の白衣を着たバニーガール姿の人が背中を向けて立っていた。


「アンタが全ての元凶で、この焼野原高校をめちゃくちゃにしてしまった程に自分じゃ制御が効かなかったからせめてここに閉じ込めたんだろうが……迎えに着たぜタイプD。いや保健室のバニーガール先生」


ナカノが言い終わるとゆっくりとこちらを振り返る保健室のバニーガール先生は特に普通の表情をしていて殺意に目覚めている訳ではなかった。


「今の私は制御が効いてる。何せ生徒達を貪り尽くしたんだからな。今なら私はやれる。殺せ」


ナカノは言われずともすぐさま保健室のバニーガール先生に霊銃(レィスガン)の銃口を向けトリガーを引いたその瞬間に次元斬りが保健室のバニーガール先生を庇いその場で倒れた。


「こいつ……一寸先の未来予測をして!死にたいのか!あの人はもう……お前の知っている先生じゃないんだぞ?」


次元斬りはそれでもニヤリと微笑み保健室のバニーガール先生に手を伸ばした。


「俺は確かに馬鹿かも知れないが……俺はこの人の助けが、報いがしたかったんだ……。どんな形でも構わない……俺は元顧問の生徒だからな……」


それを聞いた保健室のバニーガール先生はすぐに駆け付け次元斬りの手を両手で握り心配している。今は確かにあの時の人間の様な仕草を見せている。


「私はあなたに何も与えていない……なのにどうしてこんな化け物にこんな……グッ……アタマガ……」


保健室のバニーガール先生の様子は急変し立ち上がったと思えばフラフラしながらも頭を抱え何かを必死に制御しているようにも見えるが、どうやら時間のようだ。

保健室のバニーガール先生は闇の球体の中から具現化された霊鎧者(リアクティブ・アーマー)を装備して束ねられていた髪の毛は三本の角のような触角になり。肩、下半身と胴の鎧に武器は右手に魔棍グラム。鬼の金棒にいくつもの穴が空いており、そこから発光されるビーム棘が何本も突き出る仕組みになっている。


「もう手遅れだ、アンタも次元斬りのところに今すぐ送ってやる」


ナカノは霊銃を構えるがこちらが撃つより早く間合いに詰めてくる、流石は戦闘経験が違うだけあるが……。


「アンタは毎回魔棍グラムを振り続けた時に一瞬の好きが出来る。そこを狙えば……!」


胸部は白い布で覆われているスク水の様なもので一番弱点になるのが霊鎧者の唯一の弱点。

右から襲って来る魔棍グラムを左手から放つ黒球のオーラで跳ね返し霊銃で保健室のバニーガール先生の胸元を撃った。

すると保健室のバニーガール先生であった者はそのまま大の字に倒れて一歩も動かなくなった。


「今までありがとうございました」


一言そう言ってナカノは二階へと上がった。

するとそこの教室には霊鎧者(リアクティブ・アーマー)を装備したレイムが居た。

前回とは比べ物にならない大きさで両脚は竜の様な鱗に二本の爪、相変わらず胸部は白いスク水に両手は銅色のゴツゴツした鎧に籠手。

右手には霊刀村正と左手には小太刀を装備していてあれが合体すると取り返しがつかないためさっさと倒さなければならない。

それにしてもあの頭部、兜と能面に包まれていて表情はわからないがこれだけは伝わって来る。

これは死合、お互いの全力勝負だ。


「ナンデ、ナンデヨォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」


レイムは悲痛の叫びを上げながらナカノに突進して来たが、ナカノはそれを躱して背後に回り込み弱点である胸部に三発銃弾を撃ち込んだ。


「グァハ……ッ!サヨナラ、ナカノクンッ!!」


レイムの巨大な霊刀村正と小太刀が合体して神々しく光る刀はナカノを半分に斬った!と思ったレイムはその場で武器を地面に落とした。

が、背後から三発の弾丸が自分に直撃したのがわかる。何故ならそれは斬り殺したはずのナカノだからである。やっぱりそう簡単に上手く行かなかったか……と、どこか寂しく悔いの無いまま地面へと倒れたレイム。


「じゃあなレイム。また次どこかで会えたらまたお花見しような……。さて、次は屋上か……こいつも嫌な予感がする」



屋上に上がり。空は赤く、血の雨は止んでいる。

そしてそこには黒色の着物を着た一人の女性がいる。


「こんばんは。貴方も夢を見せられに来たのですね……もう、手遅れですが……」


美景世果翅の背中からは六本の触手がブチブチと音を立てて生えてナカノを突然襲いかかった。


「タイプD。お前は人に手を差し伸べたら神にでもなれると思っていたのか?いや、違う。人は人だ……この世に神はいない。それをお前は……」


美景世果翅の表情は前髪で見えないが、どこか悲しんでいるような……そんな雰囲気が漂っている。


「いいえ。私は人類の巨悪……つまりは支配を行う神になったのよ。貴方にはわからないと思うから……今から私の子宮の中で眠りなさい……」


ナカノは霊銃で応戦し八本中七本の触手は破壊出来たが一本だけ残ってしまいその触手はナカノを襲いかかる、マズイ!!。

と思ったその時。


「てーりゃりゃりゃりゃりゃ!!スペースドリルアターック!!」


赤い空から突然惑星探索機が出現し美景世果翅の背中をドリルが貫通しそのまま糸が切れるようにその場で美景世果翅は倒れた。


「サリィか!?しかし何故ここに……お前どうやって……。まぁ良いか、礼を言わせてくれ」


サリィが搭乗した惑星探索機のコックピットからは間違いなくあの時のサリィだ。

しかし一つ気になるのは……。


「礼なんて良いよそんな……で、どうして私がここにいるのか。それはー……うーん。ナカノに会いたかった……からかな?なんて、あはは……」


最後の方は良く聞き取れないナカノは次に質問した。


「お前には霊鎧者(リアクティブ・アーマー)が無くてもタイプD達とマトモにやりあえる力があるんだな。お前がいなかったら今頃俺は……」


微かに手が震える。

今改めてこの目で確かめたのだ、仲間を殺していると錯覚では無く現実。

彼らはもう帰って来ない、何故なら……。


「もう良いんだよナカノ。今は戦う事を考えずにゆっくり休もう?多分……もうここから外へは出られないし学校のグラウンドや校舎内はゾンビで群がってる。ここ屋上は私達しかいないしその……膝枕くらいなら……」


最初は説得力のあるサリィだったが後半に連れてモジモジしだすしやっぱりお前女としての自覚あるんじゃ……と思うナカノだった。


「今だけ、少しだけだ……俺は……殲滅王だからな……」


そう言ってナカノはすぐにサリィの膝の上で眠ってしまった。

そんなナカノの頭を優しく撫でるサリィの姿がそこにはあった。


エピローグ ー 彼/仮 ー


天空楽園、そこは名前の通り空に浮かぶインビジブルユートピア。

そこには全ての元凶、デストロイ・ロータスの姿がありました。

人々を嗤い、笑い、破顔う。

彼女の右手に持つ黒くて大きな鎌は一切り、また一切りすると虚空に傷を開けては地獄(エリア)を再現させ人間を殺めてきました。そして自分も最後には二階の教室で首吊りをして死んだハズでしたが……。


「良くもワタシを復活させてくれましたねナカノくん……次はアナタも殺してワタシもすぐに追いますわ……」


ナカノくん。


早く。


来て。


助けに!!。

あとがき


こんばんは、いちごみるくです。

さて今作は秋がメインの作品になりますが秋要素何処?と言った感じですね。わかりません。

そろそろラストスパートに近付いて来てます。

とか言いつついつ終わるねんなんて事あるかも知れませんね。

それでは次は冬パートで会いましょう。

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