プロローグ
《魔王城エルバ》
王の間にて
魔王の娘 ウリス・エルバ
「ねー、パパ!何度言ったらわかるの、 パパの洗濯物と私の下着一緒にあらわないでって言ってるでしょう。加齢臭が移っちゃう!
魔王エルバス・エルバ
「なっ、まだパパは204だぞ!加齢臭なんてあるわけないだろ」
ウリス
「臭いったら臭いの!いいから別々に洗って!」
魔王
「そんなことしたら水道代や電気代がもったいないだろ」
家臣1
「ウリス様はここ20年、魔王様に対してあたりが強くなっていってま
すねー」
家臣2
「仕方ないよ。ウリス様は今年で100歳、成人の儀なのですから。思春期なのだろう。」
ウリス
「もういい! パパなんて大っ嫌い!! こんなところ出てってやる!!!」
魔王
「ふん、すきにしろ!」
ウリス
「っうう パパのバーーーーーーーーーーーーカ!!!!」
家臣1
「あっ、お待ちくださいウリス様ーー!」
家臣が追いかけて行く
家臣2
「よろしかったのですか?魔王様」
魔王
「何がだ。」
家臣2
「あの様子でしたら今回は本気で家出されるかもしれませんよ。」
魔王
「お前も知っていよう。この魔界には人間の進行を防ぐために我が張った結界がある」
「我の娘だろうと破ることはできん」「たぶん」
家臣2
「あ、自信はないのですね!」
魔王
「……だって我の娘だよ! 万が一があるかもじゃん」
「…………結界強めとこ…」
家臣2
「そうですね、一様結界周りの警備も強化しときます」
(魔王様ウリス様のことになる弱気なんだよなー)
家臣1
「ウリス様~ 魔王様に謝りましょうよ~」
「私も一緒に謝りに行きますから~」
ウリス
「ふん!」 「パパが悪いもん!! 何度言っても洗濯物別々にしてくれないし、人間の町に行きたいって言っても連れてってくれないし!」
半泣きの顔で家出の準備をしている
家臣1
「気持ちはわかりますよ、同じ女ですし」
「でも魔王様だって嫌がらせでやってるわけじゃないと思いますよ。
それに、人間の町に行くのも大変なんですよ!変装したり、魔王様でしたら結界を厚くしたり、兎に角めんどくさいんです」
ウリス
「確かにアイビーの言うとおりだけど、そんなの人間と仲良くなればいいだけじゃん!」
「ここ100年ぐらい戦争していないんだしー」
アイビー
「してないんじゃなくて、冷戦状態なんです」
「…それより,,,本当に家出するきですか?」
「どうせまた結界壊せなくて戻ってくるんですから、今から謝りに行きましょう~」
ウリス
「もう! 同じこと何度も言わないで!!」
「それに今回はいつもと違うんだから」
アイビー
「?」(確かに以前と比べて荷物が多い)
「どうやって結界を壊す気ですか? まー、壊そうとしたら止めますけど」
ウリスが自慢するかのような顔で懐から何かを取り出す。
ウリス
「じゃじゃーん!!」
子供のように懐から出したもの見せびらかす。
アイビー
「な、、、それは・・・・・長距離移動魔法具‟ユーフォルビオ”」
「ダメですよ、それは魔王様の宝物庫に保管されていたもの! 今から戻しにいきましょう、今ならばれませんから~」
ウリス
「ふん! 今さら遅い!!」 “ 起動 ”
ウリスがそう言うと長距離移動魔法具‟ユーフォルビオ”から機械のような声がした。
『 ー 只今より長距離瞬間移動を行います。残り魔力残量が少ないため最低1人までしか移動できません。 移動したい場所の名称を指定してください。 ー 』
ウリス
「え~、1人だけ~ アイビーも連れて行こうと思ってたのに!」
「ま、いっか。とりあえず人間がいる町で!」
『人間がいる町,,,テルエマ王国のディワンセルに移動します。30秒後に移動開始』
そう言うとカウントダウンが始まり、黒い次元の狭間が出現した。
アイビー
「ダメですウリス様!本当に行かれる気なんですか!?それにテルエマ王国っていったらさっき言った冷戦中の国ですよ!危険です!!!!」
アイビーの忠告を無視してグットポーズをした。
ウリス
「じゃ、行ってきます。パパには謝ってくるまで帰らないからって伝えてね」
『 3 2 1 0 』っと同時に体が次元の狭間に吸い込まれた。
アイビーの今にも泣きそうな顔がどんどん小さくなっていき消えた。
ウリス
「さ、窮屈な魔界におさらばして,人間の町でショッピングしたり、遊んだり、彼氏とかできちゃうかも!楽しみだな~」
“これからは私の家出生活だーーーーーー!”