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神様のおせっかい  作者: 星月 貴音
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序章 とある神のおせっかい

ひっそりと連載始めよう。

「あーひまだぁー!!このままでは退屈過たいくつすぎて死んでしまうぞー!」


「大丈夫ですよ。貴方あなたは神なので死にませんし。」


 る神社の本殿ほんでんで、最早日課もはやにっかとなりつつある会話がわされていた。


「そうだった。私は不死身ふじみだった・・・・・・って、そういう事ではないっ!私が言いたいのは、何か娯楽ごらくが欲しいということだ!!!藤乃ふじのー何かないのか?」


 彼らは、神とその眷属けんぞくである。


「貴方それ、何回目ですか?!そろそろ面倒めんどうになってきました。・・・・・毎日毎日鬱陶まいにちまいにちうっとうしいですよ。」


 彼らの付き合いは長い。もう何百年も二人で暮らしている。

 そのため、神と眷属けんぞくである段階だんかいで決定されている上下関係をことごとく無視し、眷属である藤乃ふじのあるじである神をぞんざいにあつかうのも、ここでは当たり前の光景となっていた。


「藤乃、其方そなたは一体何なのだ?!近頃ちかごろは私に対する敬意けいいが全くと言って良い程感じられぬぞ?!仮にも私の眷属なのだから、もう少しうやまってくれても良いではないか。」


「何をおっしゃるのですか。これは貴方に払える最大限の敬意です。大体いつも暇暇言っているヒトのどこに敬意を払えと?」


「藤乃が辛辣しんらつ?!」


「まぁ、良いです。で?今日も人の子たちの暮らしについて話せば良いのでしょう?」


「その通りだ!そうだなぁ・・・・では今日は “こーこー” とやらについて教えてくれ。健太郎の話を聞いてから気になっておったのだ。」


 ここ200年ほど変わっていなかった彼らの日課に、ここ数年で新しいことが増えた。

 それは、人間の話を聞くということである。


「けんたろう・・・・あー、あの子供のことですか。彼、基本毎日来ますよね。しかも人任せに願いだけを放って行くのではなく、感謝してくれるんですもんね。近頃には珍しい、良くできた子ですよ。本当に。」


 その人間の名は、健太郎。私立高校に通う、17歳の青年だ。彼は生まれつき病弱で、幼い頃から病室に住んでいると言っても過言かごんではない。

 そんな彼の日課が、この神社に参拝さんぱいすることであった。その日あったことを話し、何事もなく暮らせたことに感謝をする彼は、神々のウケが良かった。


「そうなのだ。私はそんな健太郎が気に入った。だから、いつか健太郎の願いを叶えてやろうと思っているのだ。」


「貴方が人の子を気に入るなんて、珍しいこともあるものですね。何ですか。彼が死んだら眷属にでもするつもりですか?」


成程なるほど、その手があったか。流石藤乃さすがふじの、頼りになるなぁ。」


 ――――――本来、眷属というものはそう簡単に増やすものではない。


「ふふっ。もっとめて下さっても良いのですよ?・・・・・・・ところで、彼、今日は遅いですね。いつもはもうとっくに着いている時間でしょう?」


「確かに。少し様子を見てみ――――――――おいっ、藤乃!大変だ!け、健太郎が死にそうだ!このままでは一週間くらいしか持たないぞ?!・・・・・・・・・・・・どうすれば・・・・いっそ健太郎の寿命じゅみょうばすか?」


 この神は、本殿から出られない代わりに外の様子を見ることができる。その為、健太郎の容態ようだい急変きゅうへんしていたことを知ったのだ。


駄目だめですよ!命への干渉かんしょうは、神々のおきてで禁止されているのでしょう?・・・・・・・・あっそうだ!眷属、眷属にすれば良いではありませんか!」


「それだ!そうと決まれば、さっさとやってしまおう。・・・・・・・・・・いやぁー楽しみだ。自分が神の眷属になったって知ったら、健太郎はきっと驚くなー。うん。きっと喜んでくれる!!!」


 この神は、暇を嫌いサプライズを心から愛していた。だからこそ、眷属を増やすということにおいてもサプライズ性を追求していた。

 ―――――――その結果、苦しむ者がいることには気づいていなかった。







 それから約一週間後、一人の眷属が誕生した。

せっかく出てきてくれたけど、君たちただの脇役だよ?


神 「え?!私達が主役じゃないのか?!」


藤乃「何仰ってるんですか。毎日朝から晩まで暇暇言ってるような神の生活を見たい者などいませんよ。」


神 「ん??私は暇だなんて言ったことはないぞ!藤乃はとうとうけてきたのか?


藤乃「嘘つけ!!呆けてんのはあんただ!!!!」


夫婦漫才かい?仲良いね!(笑)

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