ヒロイン ②
すみません。投稿ミスりました。
フリップ伯爵領へ移動した方がいいかな?って思ったけど、お金いるしね。ここで依頼受けることにした。お父さんと依頼が貼り出されている壁に行く。字が読めないと、ギルドの職員に割りの合わない依頼勧められたりして大変なんだ。人気の依頼は貼り出したら直ぐに片付くから仕方ないっていえばそうなんだけど…。
私達は大丈夫。私が字読めるからね。
ワイドウルフの討伐。ワイルドボアの討伐。ゴブリン討伐。ヒレホリ草の採取に…。うん?ヒレホリ草の依頼主、ミハイロビッチ?
ミハイロビッチって書いてある。2束で穴空き銅貨1枚。うわーケチ。そりゃぁ、紙ボロボロだよ。ヒレホリ草は安易に見つけることができるんだけど、木に生えてるんだよね。子供なら安易に取れるけど大人は身体が大きいから無理だね、木が折れちゃうんだ。その木は伐ったら駄目な木だから面倒なんだよね。
ミハイロビッチの依頼と、畑の芋を食い荒らすワイルドボアの討伐を受けることにする。ミハイロビッチに自分で届けられるかもしれないしね。
「お父さん、ワイルドボアの討伐と、ヒレホリ草の採取の依頼でいい?」
「ああ、ジュリェッタが言うんだ。間違いない」
貼ってある依頼の紙を取ってお父さんに渡す。お父さんはそれをギルドの受付のお姉さんに私と自分のギルドカードと一緒に渡した。
「ヒレホリ草の採取と、ワイルドボアの討伐ですね。ガイヤさんはCランクお嬢さんはDランクですので依頼を受けられます。」
「ありがとう。ワイルドボア討伐とヒレホリ草はどこに行けば良いだろう」
お父さんが受付のお姉さんに聞いているので、さっき買った地図を備え付けのカウンターテーブルの上にサッと出す。この方が間違いないからね。
受付のお姉さんは、地図で場所を指差しながら説明する。
「ワイルドボアは街外れの芋畑の横の林に居ます。そこには、ヒレホリ草の生える木もありますからついでに採取できますね。」
ギルドのお姉さんは私を見て言った。そうね、私なら木に登れるもんね。低い所ならお父さんに肩車して貰ってもいいし。
私はお礼を言ってニッコリと笑う。
「まあ、可愛い!」
お姉さんの声に気を良くして、この領地のことをきいてみる。
「この領地一帯を治めてらっしゃるのは、リマンド侯爵様なんですけど、実際に管理していらっしゃるのはフリップ伯爵様なんです。その理由は、フリップ伯爵様の三男さんとリマンド侯爵家の御嬢様が婚約なさっているからなんです。」
得意そうに教えてくれた。
「へー、フリップ伯爵様の三男様てなんておっしゃるの?」
「リフリード様だったような?可愛い顔してらっしゃるのよ。お嬢ちゃんと同い年くらいかな?毎週金曜日にこの前を馬車か馬で通って城へ向かわれるの」
リフリード…。ゲームと一緒。
金曜日、ここで時間を潰せば見られるんだ。
お父さんが珍しそうに聞いてきた。
「何だ、ジュリェッタ、そのリフリード様に興味でもあるのか?」
「ほら、同い歳の貴族なんて珍しいから!見てみたいなぁって思って!」
「じゃぁ、金曜日まで依頼でもこなしながら、この街に留まるか?丁度、この隣が宿になってるしな。」
「うん」
やったね、これで攻略対象のリフリードを確認できる。その前に、ミハイロビッチと対面しなきゃね!
依頼を難無くこなし、昼過ぎにはギルドへ戻れた。
この街をうろうろしてわかったことは、凄く豊かだってこと、道がちゃんと整備されていて、道の脇にボロを纏って薄汚れて死にそうな人がいないっていうこと。こういう街は治安がいい。
ヘェー、良い街じゃん。
フードを目深に被って移動しなくて済む。ジュリェッタは見目がいい。その分人攫いの格好のターゲットになる。それは、今までの旅で嫌という程思い知った。
取り敢えず、ワイルドボアを獲物換金カウンターへ運ぶ。
「おい、買い取ってくれ」
「おかえりなさい。ワイルドボア依頼達成ですね。肉、皮、骨、臓器全て買い取りでよろしいですか?」
先程の受付のお姉さんが出てきて対応してくれる。
「ああ、頼むよ」
「はい!ヒレホリ草はどうなりました?」
「はい、これ取ってきたわよ。」
私は、袋からヒレホリ草を出してカウンターに置く。
「ヒレホリ草は、専門の者が確認しますね。薬草は判別が難しいので!薬草の鑑定お願いします。」
受付のお姉さんがギルドカウンターの奥に声を掛けると、老婆が出てきた。
「ヒレホリ草の鑑定お願いしますね」
「はいよ。」
老婆はルーペを出し、ヒレホリ草を観察し始めた。
「全部、本物だよ。」
「では、ヒレホリ草採取、達成です。」
受付のお姉さんは、2枚の依頼書に赤い印を押す。
「ワイルドボア1頭とヒレホリ草10本で銀貨1枚と穴空き銅貨
5枚、そして、ワイルドボア1頭全て買い取りで銀貨2枚。合わせて、銀貨3枚と穴空き銅貨5枚です。」
お父さんがお金を受け取り、袋へ入れる。
「ねぇ、お姉さん、ヒレホリ草はギルドの職員が届けるの?」
ミハイロビッチの居場所、今聞くべきよね。その為にお金にならない依頼受けたんだから!
「お嬢ちゃん、届けてくれるの?」
「そのヒレホリ草の届け先、ミハイロビッチさん?だったっけ?遠いの?」
「そう、ミハイロビッチ魔道士ね。ここから馬で2時間位かな。馬車が入らない奥地に住んでるから〜。届けてくれるなら依頼出すよ?これ以外にいくつか頼まれてるモノが揃ったのよ!」
ギルドのお姉さんは、お父さんをチラチラ見ながらそう言った。なる程、割に合わない仕事なんで引き受けてほしいんですね。
「どれを運ぶんだ?」
お父さんの言葉にお姉さんは嬉々として、受付の隅に積まれた箱を指差した。
「その一番上のやつ、代金は銀貨1枚。後、行きは馬も2頭、使っていいから!」
銀貨1枚は言いにくそうだわ。で、馬も一緒に届けろって事ですね。
本当、ミハイロビッチってケチ!
お姉さんが今度は私の方をチラチラ見ながら、お父さんに目で訴えかけている。仕方ない。
「お父さん、お姉さん、困ってそうだし引き受けよう。それに、この領地もう少しみてまわりたいな。」
本来なら、こんな割に合わない仕事は引き受けない主義だけど、今回の目的はミハイロビッチに会う事だもんね。それに、ギルドの職員に恩を売っておいて損は無いはず!
「わかった、引き受けよう。」
「ありがとうございます」
ギルドのお姉さんはとっても喜んでくれた。いいことをした後は気分がいい!まあ、私、この世界の主人公なんだから皆んなに優しくしないとね。
「ジュリェッタ、ご飯食べてから魔道士の所へ行こう。」
「なら、お勧めの店がありますよ!」
次は18時頃投稿します。




