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デート ①

ブックマーク、評価、誤字脱字報告ありがとうございます( ◠‿◠ )

誤字脱字多いですね、すみません(T ^ T)


マリアンヌ視点です。

 兄様と馬車で市井の洋服屋さんにお出かけです。初めての場所なのでワクワク致しますね。今回はユリも一緒です。洋服を着せて貰わなければなりませんからね。貴族の婦女子は一般的に侍女に服を着せてもらいます。ドレスは、全て後ろ釦で留めるものだったり、リボンで締め上げる作りですから自分では着られません。


 ある一軒の店の前で馬車が停まりました。可愛いワンピースや、エプロン、靴など鮮やかな色彩の物が目に留まります。若い女性向けの商品のみを置いた店でしょうか?


「わぁー、可愛い」


「気に入ってくれたみたいで良かった、前、同僚が奥さんの誕生日プレゼントを買う時に付き合わされた店なんだ。その時、いつかマリーと来たいと思ってたんだ。」


 夢が叶ったよ。と、照れ臭さそうに笑ってらっしゃいます。


 そうでしたのね、私、てっきり、アナスタシアさんと行かれたかと思ってました。


「ありがとうございます、私、この店気に入りましたわ。」


 兄様は凄く真剣に服を選んでらっしゃいます。服買うのお好きなんでしょうか?


「マリー、どんな服が好き?この水色のワンピースも似合うし、こっちの、小さな花柄のもいいな」


「実は、私、市井の流行がわからないんですの。」


 市井の流行、今まで興味も持ったことがありませんでしたわね。兄様が連れて行って下さると言って下さったのに…これでは、自分で服も選べませんわ…。


「じゃあ、俺が選んでもいいかな?」


「はい、宜しくお願いします。」


 兄様はああでもない、こうでもないと私に洋服を当てて悩んでらっしゃいます。


「よし、これにしよう。これを着てみてくれ。女将さん、これ試着していいかな?」


「いいよ、奥の部屋を使って。」


 私は、ユリを伴ってこの店の女将さんに案内された奥の部屋に入りました。


 兄様と女将さんは何やら話してますが、顔見知りなんでしょうか?


 兄様が選んでくれた服をユリに着せて貰います。水色のコットン生地に小さな赤い薔薇の刺繍がスカートの裾の所に一周ぐるりと施してあるワンピースです。首元は白い丸襟で前開きの包み鈕になっており、腰には後ろに結ぶワンピースと同じ生地のリボンがついています。このリボンで締めてウエストを調整するのね。


 平民の服では上等な部類のもの。


「あら、お嬢様。これはこれで可愛らしいですわ。この服なら髪は2つに分けて編み込みに致しましょう。髪留めは先程、入り口に有ったリボンがよろしゅうございますわね。ちょっと待ってて下さい。購入してきますね。」


 そう言うとユリは足音も軽やかに試着室から出て行った。


 これ、コルセットでウエストを絞る必要がないから楽ですわね。それにクリノリンパニエもペチコートもいらないですね。まあ、クリノリンパニエはここぞというときしか使いませんけど。


 当たり前なんでしょうけど、これ前開きなんですね。そうですわよね、市井の方は大抵は自分で服を着ますわよね。知っていたつもりでも、自分で着てみると新たな発見がありますわね。


 では、私達はどうして沢山の布を纏い、皆様の税で暮らしているのでしょう…。考えたこともございませんでしたわ。


 勿論、理論上は知っています。習いましたから、導き、他国や、魔獣から守ってあげる。です。では、具体的には?私は一体、皆に何をしてあげているのでしょう。何ができるのでしょう。ただ、上流階級の恩恵を甘受するだけでは駄目ですわね。もっと、いろいろ学ばなくては。


「お嬢様、リボンを購入してきました。では、髪を整えますね。」


 ユリは、あっという間に髪を編み込みリボンで結ぶ。


「さあ、出来ましたよ。お嬢様。」


 試着室のカーテンを開けて貰い、外へ出た。兄様が試着室の前に水色の可愛らしい靴を持って待っていらっしゃいました。


「マリー、良く似合うよ。思った通りだ!さあ、仕上げにこの靴を履いてごらん。」


 そう言って、膝を折り靴を履かせて下さいます。


「まあ、なんて可愛らしい靴!」


 歩きやすそうなかかとがぺったんこの靴ですわね。


「あら、良く似合うじゃない。これで立派な町娘、には、やっぱり見えないわね。」


 高貴な人間は何を着せても高貴なままね〜やはり、育ちがものを言うのかしら?なんて、女将さんは感心しながら、腕を組んだ。


「じゃあ、ここからは歩いて行こうか」


「はい」


 そうですわよね、馬車でまわるわけにはいきませんわよね。


「馬車はこの店の裏手に停めさせて貰えるから、ユリも御者もさっきマリーが着替えた部屋で、お茶をして待てるように女将さんにお願いしたよ。」


 先程の部屋を貸して頂けるなら安心ですわね。しかし、兄様いつの間に?


「女将さんありがとうございます。」


「お安い御用よ。お礼も頂いたしね。私達の口には入らない、高級お菓子。こちらの侍女さんがお茶も入れて下さるそうだし。侍女さんはユリさんておっしゃるのね、折角だからうちの商品をみてって頂戴!絶対気に入る物があると思うわ!御者さんの所には年頃のお嬢さんはいらっしゃらないの?」


 女将さん、商魂逞しいですわね。貴族にはこんなにはっきりものを言う方がいらっしゃらないので新鮮です。ユリも御者もタジタジですわね。


「女将さん、お店は大丈夫ですの?」


 よく見れば、私達以外お客さんがいらっしゃいません。


「ええ、今日はもともと定休日だからね」


「まあ、申し訳ございません、折角のお休みでしたのに」


「この近衛騎士に、好きな子、紹介しろって約束してたからね。その約束を守ってもらっただけだよ、お嬢ちゃんが気にすることじゃないよ。」


「そ、マリーが心配することじゃないよ」


「しかし、本当に居たんだね」


「え」


「この近衛騎士の好きな子だよ。女の子に興味ないんじゃないかって噂があるくらいなんだよ。あんだけ好意を寄せられてるっていうのに、あまりにも無愛想で鉄仮面って言われてるくらいなんだから。」


 無愛想で鉄仮面…。

 

 そんなことありませんわ、いつも優しく笑ってらっしゃいますもの。今だって、ほら、女将さんから聞いた兄様は別人のようです。


「笑うのは、マリーの前だけで充分だよ、もういいだろ。行こう、マリー。」


 フリードリッヒは焦れた様子で、マリアンヌの手を引いて店の外へ出た。


「早速、この前行ったマルシェへ行こう!」


 マルシェは相変わらず賑わっています。沢山の店が建ち並び、店先には沢山の品物が綺麗に積まれ、彼方此方から呼び込みの声が聞こえる。


「わぁ〜、いろんな店がありますのね」


 マルシェの活気にビックリしながら店々を眺めてまわる。マリアンヌは、その中の一際目立つ店に目を留めた。幾重にも人集りができている。


「あそこは何ですの?」


「ああ、あれかい?あれはギルドがやっているセリだよ、1週間に一度の割合で、卸先の決まってないものをああやってセリにかけるんだ。魔獣の骨や鱗、角なんかが手に入る。後は、屑魔石とか一般的に出回らないものが殆どだ、ギルドに依頼するほど沢山は要らないけど、ほんの少量欲しい人には人気だよ。」


 そんなものが存在するのですね、


「マリー、こっちへ行こう」


 フリードリッヒは少し焦った様子でマリアンヌの手を引いて歩き出した。


 どうしたのかしら、兄様。


「マリー、お腹空かないか?」


「空きました。」


 そう言えば、もうお昼頃ですわね。


「あそこの屋台で、サンドイッチと、向かいで串焼きの肉。ちょっと行った所にフレッシュジュースの店があるから、それを買って、噴水の側のベンチで食べよう。」


 まあ、魅力的な提案ですわ。この辺りに噴水がありましたね。馬車からしか見たことがありません、基本ドアtoドアで生活してましたから。


「はい」


すみません、長くなりそうなので切ります。


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