エピローグ
春の花が咲き乱れる中、教会には結婚を祝う人達が集まる。純白のドレスに身を包み、教会の控室でベールを被せて貰う。
ユリは涙を溢しながらよろこんでくれた。
「お嬢様、とてもお似合いでございます。本当に良かった。ああ、フリードリッヒ様に勿体無いわ。」
リサがそんなユリにハンカチを渡しながらニコニコ笑っている。
「お嬢様がご結婚なさったんですから、ユリさんも早く私のお義姉さんになって下さいね?じゃないと、私、行き遅れるじゃないですか!お父さんとお母さん、兄さんが結婚しないと私の結婚認めないって言うんですから。」
あ、ユリの相手はセルロスですものね。本当、私よりも先に結婚すれば良かったのに、律儀に二人とも私が結婚するまでは、式を挙げないって言い張ったんですものね。でも、セルロスは平民だけど、ユリは良いのかしら?
「どうしたんですか?お嬢様。」
「ううん、ユリの恋人って、セルロスだったんですね。ユリはセルロスと結婚するの?」
「はい、将来を約束致しております。セルロスと結婚すれば、生涯このリマンド家でお嬢様のお側にいることがかないますから。」
ユリ、まさか、それが理由でセルロスと結婚するんじゃ無いわよね?
訝しげに見るとユリは頬を染めて、少し恥ずかしそうにはにかんだ。
「それに、セルロスは平民ではございますが、私にとってかけがえのない人物です。お嬢様も彼のひととなりはご存知でしょう?」
「そうね。セルロスはとても頼りになる人物ですわ。」
ユリは身分や家を抜きにセルロスを選んだのね。
コンコンと音がして、返事をするとフリード様が入って来た。
フリード様、どうしたのかしら?お顔が赤いような、それに呆然と立ち尽くされていますし。もしかして、せっかくの結婚式に熱を出されたの?ここ数日、色々お忙しそうだったから、無理がたたったのでは?
「フリード様、大丈夫ですか?」
フリードリッヒが、ハッとしてマリアンヌに近づいて行く。
「あまりにも美し過ぎて見惚れていたよ。」
マリアンヌの顔もみるみる赤く色付く。
「あらあら、ご馳走様。さ、フリードリッヒ様、もう控室へお戻り下さい、お時間ですよ。」
ユリに追い出される形で、控室へ戻るフリードリッヒを目で追う。
本当に今日フリード様と結婚するのよね。
お父様にエスコートして貰いながら、バージンロードを歩く。その先には、フリード様が。この先、一緒に人生を歩んでくれる方が待っている。
the end
最後までお付き合いくださり有り難うございました。
これより校正を行います。変換ミス、辻褄が合わない所等の修正を行います。途中で読み返すと、書きづらいもので…。
ご迷惑をお掛け致します。
校正が終わり次第、ジョゼフ殿下とリフリードのその後、番外編という形で書かせていただきます。
https://ncode.syosetu.com/n4203gk/
ユリの話です、興味のある方は是非^_^




